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水道の着色水についてのQ&A
水道の着色水についてのQ&A
Q1 赤い水が出る(短時間で解消)
〔原因〕 配管の腐食によるものと考えられます。配管に使用されている鉄が徐々に錆びて、使い 始めに赤水として出てくるためです。
〔対策〕 使い始めの水を飲用以外に使用するか、老朽化した配管を取り替えることが必要です。なお、鉄分は必須栄養元素で毒性が弱く人体への影響は通常の摂取量では問題ありません。
Q2-1 白い水がでる (しばらくすると透明になる)
〔原因〕 しばらく静置しておくと、底部から徐々に透明になる場合は、空気の泡が白く見えたものです。また、給湯栓からでるお湯にも同様の現象が見られることがあります。特に水温との気温差が大きい夏場に多くみられる現象です。
〔対策〕 空気による白濁は、放置すると透明になり、水質異常によるものではありませんので、安全性には問題ありません。
Q2-2 白い水がでる(静置しておいても消えない)
〔原因〕 給湯器や配管に亜鉛めっき鋼管を使用していると亜鉛が溶け出して白濁する場合があります。朝一番の水のように長期間溜まっていた水や、湯沸器などで加熱された水は白く濁りやすくなります。
〔対策〕 朝一番の水は雑用水として使用してください。症状がひどい場合は、給水器具などを取り替えてください。
Q3 浴槽の水が青く見える
〔原因〕 プールや湖が青く見えるのと同じで、光の散乱と吸収により青く見えます。特に、アイボリー系の浴槽などに多く見られます。
Q4 器や物が青色に着色する
〔原因〕 給湯器等から溶け出した銅が、石けんや湯あかに含まれる脂肪酸と反応し、青色の「銅石けん」を作ったためです。
〔対策〕 石けんや湯あかが残らないようにこまめに手入れをすることが大切です。
Q5 浴槽タイル・便器の内側等が桃色に着色する
〔原因〕 浴室のタイル、流し口、便器の内側などは水が溜まりやすく、また、石けんかす、湯あか、汚物などで汚れやすいため空気中の雑菌(細菌やカビ)が付着繁殖します。雑菌の中には、繁殖にともなって特定の色素を作るものがあるため、桃色等様々に着色することがあります。
〔対策〕 水でよく洗ってください。取れないときは、熱湯または漂白剤で殺菌した後よく洗ってください。
Q6 水切りかご・浴槽タイル等が黒くなる
〔原因〕 水切りかごや浴室などは乾燥しにくく、水滴が残りがちです。こうした所に空気中の細菌やかびなどが付着して繁殖し黒色の付着物となることがあります。
〔対策〕 水でよく洗ってください。取れないときは、熱湯または漂白剤で殺菌した後よく洗って乾燥させてください。
Q7 魔法びんの内側が黒くなる
〔原因〕 給湯器などに使用されている銅管からごくわずかに銅が溶け出し、魔法びんの内側に徐々に付着して黒色に見えることがあります。
〔対策〕 給湯器を通らない水を使用するか、朝の使い始めのように給湯器を長時間使用しなかったときは、使い始めの水に銅が多く含まれている恐れがありますのでしばらく流してからお使いください。
Q8 アルミ製の調理器具(鍋・やかん等)の内側が黒くなる
〔原因〕 アルミ製の鍋ややかんの内部が黒くなることを黒変化現象といいます。これは、アルミと水中の酸素がアルミの表面で酸化反応を起こし、水酸化アルミニウムの皮膜が生成することが第一の原因です。
〔対策〕 黒変化皮膜は、無害で使用には差しつかえありません。
Q9 お茶の飲み残しが紫色になる
〔原因〕 お茶やコーヒーなどの成分のひとつであるタンニンと水道水に含まれている鉄が反応して紫色のタンニン鉄ができるためです。
〔対策〕 タンニン鉄は有害ではありませんが、空気中の雑菌が繁殖している可能性があります。そのため、着色したものは飲用しないでください。また、容器はよく洗ってから使用してください。
Q10-1 異物(氷の中央部分が白く不透明になる、氷が溶けた後に白い物が残る
〔原因〕 水道水には、ミネラル分が含まれており、これを適度に含むことにより水の味をよくしています。水は、凍るときに水に溶けていた空気やミネラル分が中央部に集まる現象が起こります。そのため、出来上がった氷の中央部は白く不透明になります。また、氷が溶けた場合に、ミネラル分の一部は水に溶けずに白い物質として残ることがあります。ミネラル分は、人体に必要な栄養素ですので、問題ありません。
Q10-2 異物(蛇口の周り、電気ポットややかんの底に白い物ができる)
〔原因〕 水道水中に含まれているミネラル分が蒸発して後に残ったものです。蛇口部分は、水にぬれたり乾いたりを繰り返しているため、その部分にミネラル分が付着して、徐々に白くなっていきます。特に、給湯用の蛇口は水温が高く水が蒸発しやすいため、この現象がよく見られます。
〔対策〕 ミネラル分は、人体に必要な栄養素ですので、問題ありません。いったん付着すると取れにくいこともありますのでこまめなお手入れが必要です。
Q10-3 異物(アルミニウム製品に白い浮遊物ができる)
〔原因〕 アルミニウム製品は腐食しないように「アルマイト加工」と呼ばれるものを行っています。アルマイト加工によってできた皮膜は非常に薄く、たわしやクレンザーなどでの洗浄や空焚きや急激な加熱などによりはがれてしまうことがあります。露出したアルミニウムと酸素が反応して、白いふわふわした水酸化アルミニウムを作ります。
〔対策〕 この白いものは、人体への影響はありません。アルミニウム製品は、柔らかいスポンジ等で洗ってください。
Q10-4 異物(ガラス容器、電気ポットでお湯を沸かした時に、きらきら光る物が発生する)
〔原因〕 一般に、フレークス現象として知られている現象で、水中のミネラル分であるマグネシウムとケイ酸が高温水(80℃以上)中で反応し、ケイ酸マグネシウムとしてガラス面に沈着し、お湯の使用後ガラス面が乾燥するという使用状況の中で、この生成反応が数回繰り返された後、水中にはく離したものです。
〔対策〕 10倍に薄めた食酢を入れ、ブラシ等でよくこすり洗ってください。また、フレークスを生じさせないためには、容器を使用のつどよく洗うようにしてください。また、フレークスは、体に吸収されず、ミネラル分なので間違って飲んでも害はありません。
Q11-1 異臭味(塩素臭・カルキ臭を感じる)
〔原因〕 水道水は、法律により塩素消毒が義務付けられており、残留塩素が一定以上検出されなければなりません。塩素は水中の細菌を殺す働きをしており、これがないと水道水が病原菌で汚染される恐れがあります。このため、浄水場では安全を見込み一定量の塩素を注入しています。
〔対策〕 家庭で水をおいしく飲むための最も手軽な方法は、水を冷やすことです。冷やすことによって消毒の塩素臭などの臭いが、あまり気にならなくなります。
Q11-2 異臭味(金気臭を感じる)
〔原因〕 水道管に鋼管等の金属が使用されていると、朝の使い始めなど滞留時間が長い場合には、金気臭を感じることがあります。
〔対策〕 朝の使い始めの水は、雑用水等にお使いください。また、配管の腐食が進んでいる場合には取替えが必要です。
Q11-3 異臭味(油臭・薬品臭を感じる)
〔原因〕 配管の工事には、少量の油やグリス、または接着剤などを使用しています。工事完了時にはきれいに拭き取られているはずですが、臭いが配管に吸着している場合があります。
〔対策〕 使用しているうちに、臭いは薄れていきます。