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令和3年3月定例会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2021年2月24日更新

 おはようございます。令和3年3月定例市議会の開会にあたり、所信の一端を申し述べますともに、提案いたしました令和3年度当初予算案及び令和2年度3月補正予算案の概要を申し上げます。

 

 最初に今回の大雪について申し上げます。

 今年は2年続いた暖冬から一転、3年ぶりの大雪となりました。

 1月7日から降り続いた雪は、平成30年豪雪、昭和56年豪雪を上回る速さで降り積もり、市民生活を麻痺させると共に人的、物的被害が発生しました。

 亡くなられた方、ご遺族の皆さまには心からお悔やみ申し上げますと共に、除雪作業中のけが、家屋などの倒壊や損壊、浸水被害などに見舞われた皆さまに、心からお見舞い申し上げます。

 また、降り続く雪の中、夜を徹して除雪作業に当たられた除雪作業事業者の皆さまをはじめ、高齢者、障がい者世帯の安否確認、買い物支援などにご尽力いただいた区長、民生委員および多くの関係者の皆さまに心から敬意と感謝を申し上げます。

 雪に対する備えは、私が掲げる安全安心なまちづくりにおける最優先課題であると考えます。今年の雪で得た経験を生かして新たな対策の検討を新年度の第1四半期中にまとめ、次の冬に向けた備えにつなげてまいります。

 次に、新型コロナウイルス感染症への対策について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症が国内で確認されて1年が経過しました。この間、国、県、勝山市はもちろん各医療機関等が一丸となって感染症対策を続けていますが、依然として終息への道筋が見えておりません。

 こうした状況の中、県内のトップを切って福井勝山総合病院において感染収束の切り札と期待されるワクチン接種が開始されました。全国民を対象としたワクチン接種は、過去に経験のない事業となります。国や県と連携を図りつつ全庁体制で、迅速かつ的確に準備を進めてまいります。

 次に、第6次勝山市総合計画の策定について申し上げます。

 現在、次の10年間におけるまちづくりの指針となる「第6次勝山市総合計画」の策定を進めています。

 第5次勝山市総合計画から10年、少子高齢化による人口構成の変化と人口減少に伴う地域コミュニティの活力低下は、全国各地の地方都市が直面している共通課題となっています。

 また、ITの普及によるDX「デジタルトランスフォーメーション」により、産業構造のみならず社会のあり方までもが大きく変化してきています。

 さらには、昨年来からの新型コロナウイルス感染症の影響により、私たちがこれまで当たり前のように持っていた価値観が変わりつつあります。

 一方、間近に迫った北陸新幹線敦賀駅開業及び中部縦貫自動車道の全線開通といった高速交通網の整備により、勝山市でも新しい「人とモノの流れ」が生まれるなど本市を取り巻く社会情勢は大きく変わっています。

 多くの市民の皆様のご意見を伺い、全庁体制でしっかりした基本構想を策定したいと考えています。これまでは、同時に策定していた基本計画は策定せず、主要な施策を社会経済情勢の変化に対応しながら計画的に実施することで、基本構想に示すビジョンの実現を図ってまいります。

 勝山市は豊かな自然、歴史、文化、産業など、先人たちが培ってきたさまざまな遺産が人々の暮らしやコミュニティの中に息づいている街です。この特性を守り、誰もが健康で安全安心に暮らすための取組みを重点的に進めてまいります。

 そして変化を的確にとらえ、本市の魅力を維持・向上し「選択される勝山市」を目指してまいります。

 次に、令和3年度当初予算の編成方針と主な施策、及び令和2年度3月補正予算の概要について申し上げます。

 まず、国の地方財政対策では、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税が大幅な減収となる中、地方公共団体が行政サービスを安定的に提供しつつ、防災・減災、国土強靭化の推進などの重要課題に取り組めるよう、地方交付税等の一般財源総額について、交付団体ベースで、令和2年度を0.2兆円上回る額が確保されています。

 これを受け、当市の令和3年度の予算編成にあたっては、『安全安心「新しい勝山」への前進を続けていくための予算』を第一に掲げ、市民福祉の向上に向けた基本的な姿勢として、「コロナ禍にあっても、安全・うれしい・みんなの笑顔あふれる新しい勝山づくりへの挑戦を持続し、次のステージに向けた取り組みを展開していくこと」、「新型コロナウイルスが市民生活や経済活動に及ぼす影響が長期化する中、きめ細かな支援を行うことで、市民の暮らしと地域経済を支えていくこと」、「雪害をはじめとする様々な危機を克服し、市民の安定した暮らしを守り続け、安全安心を形成していくこと」などに重点を置きました。

 その結果、令和3年度一般会計当初予算は、1月補正予算及び3月補正予算に計上した、国の「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」関連事業、及び市単独の「新型コロナウイルス感染症対応地域経済対策」、約3億9千9百万円を含め、対前年度比約1億6百万円増額の総額117億8千6百万円の切れ目のない、15ヶ月予算として一体的に編成しました。

 まず、一般会計の歳入について申し上げます。

 固定資産税及び都市計画税は、中小事業者等の事業用家屋及び償却資産に対する課税標準について、2分の1またはゼロとする特例措置が講じられることから大幅な減額を見込みました。

 また、個人市民税は、新型コロナウイルス感染症による影響から減額を見込んだほか、法人市民税は、地方税収の偏在是正による改正の影響もあり大幅な減額を見込みました。

 なお、軽自動車税は前年度とほぼ同額を見込み、市たばこ税も、販売本数は減少するものの税率改正の影響により前年度と同額程度を見込んでいます。

 以上のことから、市税全体では、新型コロナウイルス感染症が地域経済に及ぼす影響を踏まえ、対前年度比約1億7千9百万円減額の約25億9千4百万円を見込んでおります。

 普通交付税では、交付額の算定において令和2年国勢調査人口が適用されることから大幅な減額を見込みました。

 一方、市税収入等の落ち込みにより基準財政収入額が減額となることや、地方財政計画に新たな歳出項目として「地域デジタル社会推進費」が創設されたことなどから、臨時財政対策債を含めた総額では、対前年度比4千5百万円増額の37億5千1百万円を見込んでおります。

 また、特別交付税については、前年度と同額の6億円を計上しております。

 以上のことから、主な一般財源は、固定資産税等の軽減措置を補填する「新型コロナウイルス感染症対策地方減収補填特別交付金」の創設などがあるものの、新型コロナウイルス感染症による影響を大きく受けていることから、合計では前年度比約4千9百万円の減額を見込んでおります。

 財政調整基金繰入金については0円となっています。これは「ビュークリーンおくえつ」の建設時に借り入れた地方債償還が終了し、

 大野・勝山地区広域行政事務組合への公債費負担金が約1億1千1百万円の減額となったこと、また、不要不急の事業の見直しなどにより、平成23年度以来、10年ぶりに財政調整基金からの取り崩しに頼らない予算編成としたものです。

 その結果、財政調整基金残高は、前年度の当初予算編成後比較で

 約2億7千万円増額の約13億8千万円となり、標準財政規模の

 10%を大きく超える健全な財政状況を維持しております。

 市債については、建設事業の財源として発行する普通債は、前年度比約1億1千3百万円減額の約4億円としたことにより、市債総額が元金償還額を下回ることから、令和3年度末の市債残高は約1億9千1百万円の減額となる見込みです。

 次に、一般会計の歳出について、主要な施策ごとに説明を申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症に対応した地域経済対策では、高齢者及び妊産婦等にバス・タクシーの無料乗車券と温泉センター水芭蕉の無料券を配布し、外出機会の創出や、公共交通機関の利用促進を図ります。

 また、キッチンカーを導入し新たな営業スタイルに挑戦する飲食事業者等への助成事業を新設するほか、市内飲食店で使用できる、プレミアム率30%の勝ち山飯プレミアム付きお食事券を発行し、消費拡大施策を展開していきます。

 さらには、市内の店舗で電子マネー決済を利用した場合に、決済額の20%のポイント還元が受けられるキャンペーンを実施するとともに、電子マネー決済を新たに導入する事業者に奨励金を交付し、キャッシュレス決済の普及に取り組んでまいります。

 このほか、冬期間の土日祝日にスキージャム勝山への無料送迎バスを運行し、利用者にはリフト券半額割引券を進呈することで、冬の勝山を盛り上げてまいります。

 また、感染リスクを低減させるため、各家庭等における宅配ボックスの購入費の助成を行ってまいります。

 生活環境関連施策では、今年1月の大雪で課題となった雪対策の強化に積極的に取り組んでまいります。

 具体的には、市内各公共施設に除雪機械を新たに配備し、公共施設のほか、周辺の狭隘路線等の除雪にも市職員が対応できる体制を整えていきます。

 また、市道の融雪装置を改修することで、24時間を通して散水を可能とするための工事を実施します。

 さらなる雪対策を強化するため、他県の豪雪地帯を視察し、効果的な先進事例の導入に向けた調査・研究を実施します。

 農林業関連では、特産作物の栽培に取り組む生産者を対象に、農業機械の導入に対する補助制度を拡充し、道の駅等への積極的な出荷を促していきます。

 新たな取り組みとして、若手農家の「農業男子・農業女子」を積極的にPRし、新規就農者の増加につなげていきます。

 また、森林・作業道等の維持管理や獣害対策のために、山際や集落内の茂み用の草刈り機を市民に貸出す制度を新設します。

 デジタル社会関連施策では、マイナンバーカードの交付を申請された方に3千円相当の電子マネーを進呈し、普及を促進するキャンペーンを実施します。

 あわせて、市役所窓口に加え図書館や公民館においても交付申請を受付し、全庁体制で取得促進に取り組むとともに、マイナンバーカードの多目的利用として、図書館利用者カードの運用を開始します。

 また、タブレット端末の運用によるペーパーレス会議の推進や、小中学校において児童生徒1人1台端末環境を実現し、GIGAスクールの運用を本格的に始めます。

 広報関連では、広報かつやまやパンフレットのデザイン等の内製化を図るためのソフトウェアの導入及び障害者や高齢者、外国人によりわかりやすく情報伝達を行うためのアプリケーションを導入します。

 また、令和4年度からの運用開始に向けた電子入札システムの整備や庁内イントラネットのネットワーク分離システムの更新、私立保育園のICT等を活用したシステム整備に助成を行います。

 このほか、小中学校におけるプログラミング教育へのサポートや小・中学校プログラミングフェス2021の開催を支援する外部ITアドバイザーの設置及びJPQRによる公金収納、音声認識ソフトやRPAによる事務改善により、さまざまな行政課題にデジタルトランスフォーメーションの導入を進めてまいります。

 子育て環境関連施策では、新たに子どもの見守りを強化し、児童の食生活を支援するため、子ども見守り宅食支援事業に取り組んでいきます。

 学校生活や友人になじめない児童が家庭や学校以外で社会性をはぐくむ場所を提供し、ひきこもりに陥らない環境を整備し、健やかな発達を支援していきます。

 不妊治療については、事実婚を新たに助成対象に加え、1回あたりの助成限度額を10万円から15万円に引き上げることで全国でもトップクラスの助成内容を維持し、支援を充実してまいります。

 また、全ての児童が無料で利用できる児童センター、放課後児童対策、18歳までの子ども医療費の窓口完全無料化、第3子以降のすくすく育成奨励金、にこにこ妊婦奨励金、妊産婦の医療費無料化、妊産婦バス無料乗車券の交付、産後ケアショートステイ、新生児聴覚検査、私立保育園の施設整備に対する助成など、これまで取り組んできた全ての子育て支援策について継続して取り組んでいきます。

 教育環境関連施策では、重要課題である中学校と勝山高校との中高連携の推進に向け、教育委員会事務局に新たに教育監を配置するとともに、勝山高校の魅力を向上させる活動に対しても支援を行います。

 また、小学校には外国語指導助手2名を引き続き配置し英語教育を推進します。

 学校給食では、従来から提供しているコシヒカリに加え、福井県の新しいブランド米である「いちほまれ」を新たに提供し、地産地消を推進します。

 このほか、鹿谷小学校屋内運動場に水循環型の屋根融雪設備を設置し、児童や近隣住民の安全を確保します。また、荒土小学校、村岡公民館、市営庭球場の改修工事を実施し、施設の長寿命化を図ります。

 コロナ収束後を見据えた魅力発信関連施策では、高い専門性を持つ外部人材を「かつやま創生プロモーター」として委嘱し、その指導・助言のもと、地域・行政課題を解決し、企業誘致やサテライトオフィス等の誘致に繋げてまいります。

 また、市内企業の労働力不足を解消するため、都市圏の人材を対象とした長期インターシップの実施やUIターンされた方への奨励金の交付など、ふるさと回帰の流れを促進させます。

 観光の産業化へ向けた挑戦を続けるため、道の駅関連では、オープン1周年記念とウインターシーズンに合わせた、恐竜バルーン作り、働くくるまの展示、鮎釣り体験、サウナイベント、アウトドア体験、スキーリフト券プレゼントなど、盛り沢山のイベントを開催します。

 昨年末にリニューアルした温泉センター水芭蕉の源泉掘削工事を3ケ年の継続費で実施します。また、北陸新幹線敦賀駅開業、中部縦貫自動車道の全線開通を見据え、道の駅駐車場の拡張工事を実施するとともに、長尾山総合公園の魅力と利便性をさらに高めるため、Park-PFIにより事業者を募集し、今後の整備方針を決定してまいります。

 以上、新型コロナウイルスの影響による厳しい財政状況の中にあっても、事業の選択と集中を図ることで、新規事業として89事業、8億3千9百万円、拡充事業として14事業、5千3百万円を見込み、『安全安心「新しい勝山」への前進を続けていくための予算』を編成いたしました。

 なお、令和2年度3月補正予算につきましては、事業費の精算に加え、国の補正予算に伴い実施する社会資本整備などの事業を新年度当初予算から前倒し計上しております。

 このほか、新型コロナウイルス感染症に対応した地域経済対策や、将来の市債償還に必要な財源を確保するための減債基金積立金を計上しております。

 本日の定例市議会に提案いたしますのは、令和3年度勝山市一般会計予算を含む30件であります。これら30件につきましては、後ほど関係課長から、それぞれ提案理由を申し述べますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます。