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本日ここに、令和6年6月定例市議会の開会にあたり、所信の一端を申し 述べますとともに、6月補正予算案の概要について申し上げます。
先ほど議長からお祝いの言葉がありましたが、北信越市議会議長会及び全国市議会議長会から、松山信裕議長、帰山寿憲議員、そして乾章俊元議員が議員在職15 年以上の表彰を、また、乾章俊元議員におかれましては、全国市議会議長会から、正副議長在職4年以上の表彰を受けられました。
心よりお祝いを申し上げますとともに、今後とも健康に御留意いただき、市政の発展、市民福祉の向上のため御尽力を賜りますようお願い申し上げます。
また、4月1日付で臨済宗妙心寺派第36代管長に就任された越前大仏清大寺住職山川宗玄師が京都市の大本山妙心寺において5月26日に晋山上堂式に臨まれました。
越前松平家の菩提所大安禅寺や勝山藩主小笠原家の菩提所開善寺をはじめ、全国に3,304か寺を擁する妙心寺派の最高責任者である管長としての重責を担われるとともに、引き続き越前大仏清大寺の住職も兼任されるとお聞きをしています。
管長就任を心よりお祝い申し上げますとともに、勝山市の貴重な地域資源観光資源として、特に在住外国人やインバウンドのお客様からの評価が高い越前大仏活性化へのなお一層のご尽力をご期待申し上げます。
はじめに、勝山市制施行70周年について申し上げます。
昭和29年9月1日に大野郡北部を構成する勝山町ほか周辺8箇村が合併し、人口3万8千人の勝山市が誕生し、本年で70周年を迎えます。昭和6年に勝山町に編入された旧猪野瀬村を含めた市内10地区は今日に至るまで勝山市政における基本的な地域区分であり、まちづくり会館エリアや文化、スポ ーツ、まちづくり活動の単位として続いています。
市制施行70周年事業実行委員会主催事業をはじめ、70周年記念ちょい チャレ応援事業を活用した市民団体のみなさま方が、様々な記念企画を準備されています。市民の皆様とともに楽しみながら一緒に祝うことで、次の10年のまちづくりに繋がる年にしたいと考えています。
実行委員会では、株式会社ハングオーバープレートと契約し、勝山市の地域 活動を支援していただいているクリエイティブディレクターの Kosuke Hashijima(はしじまこうすけ)さんを起用し、「さあ、勝山しか勝たん山」キャンペーンを6月4日からスタートいたしました。キャッチフレーズやロゴを整備し、アンバダサーに勝山市ゆかりの元AKB48所属の多田京加さんとタレントの大川はるなさんのお二人を起用し、勝山市 に心を寄せる市内外の人たちを巻き込むよう息の長いキャンペーンを展開してまいります。
静かで真面目だけど覇気がない、おとなしくて引っ込み思案である、実力は あるのに自己PR が苦手などと評されることの多い勝山市の市民性を踏まえて、 市民一人ひとりが自ら勝山の推し、推し勝を表現できるよう手軽なフォーマ ットを準備してまいります。
次に、大型連休中の市内観光地の状況について申し上げます。
本年3月16日に福井県民の長年の念願であった北陸新幹線福井延伸が実現いたしました。4月27日から5月6日までの10日間で福井県立恐竜博物館には86,043 人が来館、恐竜博物館前のジオターミナルには51,718 人の利用者数がありました。これらは、コロナ禍前の10連休となっていた令和元年度を除くといずれも最高の数字となりました。
また、越前大仏には1 万人を超える来訪者がありました。コロナ禍前は毎 年約3千人、昨年および一昨年は約5千人の来訪者でしたが、インバウンド人気などにより昨年と比べて2倍の入込となりました。
道の駅「恐竜渓谷かつやま」におきましても、10日間で48,722人の来館者があり、こちらはオープン以来では最高の数字となりました。
その他スキージャム勝山の「新緑・アウトドアフェスタ」には5,618 人、企画展「中世の喫茶文化と平泉寺」が開催された白山平泉寺歴史探遊館まほろばには2,053人、企画展「かつやま匠竜展(しょうりゅう展)」が開催された勝山城博物館には1,044人、「高機織り体験(たかばたおり体験)」が行われたはたや記念館ゆめおーれ勝山には2,850人の来場者及び入館者があり、いずれも関東方面、中京方面からの観光客が増加しているとのことでした。
市内の宿泊施設も期間中は連日盛況であり、昨年7月に客室を64室から103室に増室した勝山ニューホテルをはじめ、ホテルハーベストなど連日ほぼ満室の状況でした。
さらなる誘客が見込める令和8年春の中部縦貫自動車道県内全線開通を視野に入れて勝山商工会議所、DMO 法人勝山市観光まちづくり株式会社と連携し、観光の産業化を推進してまいります。
次に、新中学校の建設、開校に向けた進捗状況について申し上げます。
平成16年以来、多くの市民の皆様による協議、検討を踏まえ、3月定例市議会において令和9年4月1日に県立勝山高等学校敷地内への勝山中学校の開校が決定いたしました。
建設基本計画に示す「目指す学校像」、「目指す生徒像」を実現する勝山中学校の実現に向けて準備を進めています。
すでに詳細設計を終えたジオアリーナと中学校とを結ぶ地下横断歩道の建設に向け所要の手続きを進めてまいります。
また、4月26日には今年度最初の中学校再編準備委員会を開催いたしました。今年度は特に新中学校の特色ある教育課程や中高が連携した教育活動、通学方法、PTA 組織などを中心に各専門部会において検討を進めてまいります。
こうした勝山中学校開校に向けた協議の状況につきましては、今定例会の新中学校建設特別委員会においてご報告させていただきます。
来年4月には勝山中学校開校時に中学3年生として入校する子どもたちが新しい制服に身を包み、勝山北部、勝山中部、勝山南部の3中学校へ入学いたします。勝山中学校の最初の卒業生となる子どもたちが不安や心配なく、安心安全な環境の中で学校生活が送れるよう、そして魅力的で効果的な教育環境の中で個々の力を伸ばし、主体的・自主的に活動できるよう、勝山中学校の建設、開校に向けた準備を遅滞なく進めてまいります。
次に、こども、子育て施策について申し上げます。
勝山市は、4月1日に安心して結婚・出産・子育てができるまちを目指し、「こどもまんなか応援サポーター宣言」を行いました。地域コミュニティを維持し、市民が安全安心して暮らし続けるためには次の世代を担うこどもたちへの支援が欠かせません。
慢性的な出生数の減少が続き、子育てに関する情報やアドバイスが受けにくくなっています。こどもまんなか社会の実現に向けて、「こどもまんなかアクション」を実施し、妊娠期から18歳までの切れ目ない支援を行うため、教育委員会内に「こども家庭センター」を設置いたしました。
結婚し、安心して子供を産み育てるためには、地域全体で明日の勝山市を担う子どもたちの健やかな育ちや子育て世代を多面的に支援する必要があります。
本年9月より実施予定の保育料の完全無償化、昨年度末策定した勝山市版幼児教育・方針「かつやまっこすくすくビジョン」の推進、SNS での情報発信などを進めてまいります
(仮称)こども会館の整備につきましては、教育会館を福井県の子どもの遊び場整備事業補助金等を活用して改修するため、本年度は、期待される機能や中央公園および周辺商業施設との連携などについて、市民の皆さまからアイデアをお聞きしてまいります。その上で令和7年度に実施設計を行い、令和8年度中の完成を目指してまいります。
次に、長尾山総合公園の再整備について申し上げます。
長尾山総合公園は、本年4月1日から星野リゾート関連会社「株式会社知と冒険の森」が新たな指定管理者として公園全体の指定管理を開始しています。3月まで指定管理を担ってきたNPO 法人かつやま恐竜のまち応援隊は、新たに「株式会社恐竜の森」を立ち上げ、指定管理者から事業委託を受けて引き続き公園の維持管理を担っています。
民間の資金やノウハウを活用し、公園を運営していくパークPFI 事業で準備中の長尾山総合公園内の星野リゾートの宿泊施設につきましては、5月末に基本設計を完了し、現在、実施設計に着手しております。客室は100室程度となる見込みで、この秋の工事着工を目指しているところです。
開業時期につきましては、昨今の働き方改革や資材入手の困難性を踏まえると、工事が遅れる可能性がありますが、一日も早い開業を期待しているところです。
詳細な開業時期及び内容等については、適切な時期に事業者から発表がある予定です。
一方、旧第3駐車場跡地を利用して建設予定の福井県立大学恐竜学部(仮称)勝山キャンパスにつきましては、令和8年4月開校を目指し準備が進められています。
今後、県立恐竜博物館および県立大学恐竜学部キャンパス、さらには長尾山総合公園内のさまざまな機能が連携していくことで、勝山市に訪れる人々の満足度をさらに高めてまいります。
次に、令和6年度第1回目の各地区での市長と語る会の実施状況について申し上げます。
4月の野向地区を皮切りに、市内10地区で市長と語る会を実施しています。本日午後7時から予定している荒土まちづくり会館での荒土地区市長と語る会で全11回を終える予定です。
私の方からは、地域防災力の強化、安全安心なまちづくり、新中学校開校に向けた現在の状況、こども子育て施策、福井県立大学恐竜学部の開設、地域コミュニティの維持、中部縦貫自動車道の県内全線開業への期待などについて、市の考え方、方向性をご説明した後、参加者のみなさまから、自由にご質問・ ご意見をいただき、一つひとつにお答え申し上げています。
今後は要請に応じて各地区で開催し、また、地域にこだわらず、小さなグループ単位での意見交換会にも出向き、市民の皆様から幅広いご意見をお伺いしてまいりたいと考えております。
市民のみなさまと行政とのコミュニケーションを積極的に図っていくとともに、いただいたご意見しっかりと受け止め、今後の市政に反映してまいります。
さて、本日の定例市議会に提案いたしますのは、地方公共団体の自治体情報システムの標準化・共通化を進めるため、ガバメントクラウド上にシステムを構築する費用、夏に開催されるパリオリンピック、バドミントン競技の日本代表に内定した「山口茜選手」の出場激励会、パブリックビューイングなどの開催経費のほか、当初予算編成以降に事業採択もしくは事業実施が明らかとなった国・県等の補助事業のうち、早期に実施をしたい事業費などを計上した「令和6年度勝山市一般会計補正予算(第1号)」を含む11件であります。
これら11件につきましては、後ほど関係課長からそれぞれ提案理由を説明させますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます。