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本日ここに、令和6年9月定例市議会の開会にあたり、所信の一端を申し述べますとともに、9月補正予算案の概要について申し上げます。
はじめに、勝山市制施行70周年について申し上げます。
昭和29年9月1日に勝山町を中心に大野郡北部の1町8箇村がひとつにまとまり現在の勝山市が誕生、ちょうど70周年の節目の年を迎えました。
70年の間には、たび重なる風水害や雪害などの自然災害、バブル崩壊による長期にわたる経済の低迷、そして新型コロナ禍による社会システムの麻痺など、幾多の苦難がありました。
古くからの農林業に加え、高度成長期には繊維産業を中心に製造業が躍進、安定成長期に入り越前大仏の開眼、スキージャム勝山の開業、県立恐竜博物館の開設、白山平泉寺の発掘調査、ゆめおーれ勝山や道の駅恐竜渓谷かつやまのオープンなどが続き、今日の勝山市の産業構造の基盤が整った70年でもありました。
この間、地方自治、福祉、教育、環境、消防、産業振興などさまざまな分野で勝山市を支え、その発展に寄与されてこられた先人の皆様に心から感謝を申し上げます。また、市議会と一体となり、人口減少、少子高齢化、地域コミュニティの弱体化などの課題に向き合い、次の10年間の勝山市の安全安心と更なる活性化に向け取り組んでまいります。
また、70周年を記念して、市民のみなさまによる多くのイベントが実施されています。
市制施行日の70日前から始まったカウントダウン写真企画には、多くの方々に参加をいただき、勝山市の記念すべき日を迎える機運を高めることができました。
8月10日には「市制施行70周年記念 弦楽スペシャルコンサート」が開催され、勝山市ゆかりの音楽家6名の方々が奏でる弦楽器の美しい音色を約350名の観客が堪能されました。
今後の予定としまして今月22日、日曜日には、ジオアリーナにおいて、「勝山龍魂大使」天龍源一郎さんをお招きした「大日本プロレス勝山大会」が市民有志の企画により実施されます。
そして28日、土曜日には勝山市高齢者連合会の協力のもと「綾小路きみまろ爆笑スーパーライブ」が開催予定です。
その他、ちょいチャレ応援事業などを活用した市制70周年市民企画事業が毎週のように実施されていますので、多くの皆様の参加を期待しています。
次に、お盆期間中の市内観光地への入込状況について申し上げます。
県立恐竜博物館につきましては、リニューアル後初めての特別展「バッドランドの恐竜たち」が大成功を収め、連日、入館者が1万2千人を超え、観覧券は期間中、完売となりました。8月11日から8月17日までの7日間の入館者数は、8万5千49人と昨年同期間と比較して20%以上の増加となりました。
道の駅「恐竜渓谷かつやま」には、7日間で5万386人の来場があり、昨年と比較して5割以上の増加となりました。
白山平泉寺歴史探遊館「まほろば」、はたや記念館ゆめおーれ勝山、勝山城博物館など市内の観光施設はいずれも入込みが増加しており、特に外国人観光客に人気の越前大仏清大寺にあっては前年比2.5倍以上の伸び9,888人と勝山市の観光における柱のひとつとなりつつあります。
こうした観光施設のにぎわいに伴い、市内宿泊施設は連日満室、中でも本年度部屋数を大幅に増やした勝山ニューホテルにおいては、 3,000人増の1.8倍の宿泊者数となりました。
引き続き、宿泊施設の誘致に取り組むと共に勝山商工会議所、DMO法人勝山市観光まちづくり株式会社と連携し、観光の産業化に取り組んでまいります。
次に、山口茜選手のパリオリンピック出場とジャパンオープンでの優勝について申し上げます。
7月26日からフランスのパリで開催されたパリオリンピックバドミントン競技女子シングルスに出場した山口茜選手が、日本のバドミントン史上、初めてとなるオリンピック3大会連続ベスト8を達成されました。
山口茜選手には心からのお祝いを申し上げたいと思います。
勝山市体育館ジオアリーナで8月3日に実施したパブリックビューイングには、300人を超える市民が駆け付け、山口茜選手のショットが決まるたびに、応援バルーンを打ち鳴らし、遠く離れたパリで試合を行っている山口茜選手にエールを送りました。 惜しくもメダルに手は届きませんでしたが、多くの市民に感動と勇気をいただきました。
そしてオリンピックの感動が冷めやらぬ8月20日から開催された「ダイハツジャパンオープン2024バドミントン選手権大会」では、他を寄せ付けない圧巻の強さで、女子シングルス史上最多タイとなる4度目の優勝を果たされました。
今月29日の日曜日に市制施行70周年記念事業として勝山市バドミントン協会の主管で開催される「トップアスリートによるバドミントンクリニック」で再春館製薬所とトナミ運輸所属の大林拓真選手らと共にお会いできることを楽しみにしています。
山口茜選手のさらなる活躍にご期待を申し上げます。
次に、こども、子育て政策について申し上げます。
勝山市では、かねてより子育て支援策の充実を図ってまいりました。全国トップクラスの施策である不育症・不妊治療の完全無償化、無償での放課後児童対策の実施、18歳までの医療費の無償化など社会情勢の変化に合わせ、順次制度の拡充を図ってまいりました。
今月からは、県内自治体では初となる第1子からの所得制限を外した保育料の完全無償化をスタートいたします。
また、国のこども未来戦略に基づき、10月分から児童手当の所得制限を撤廃し、支給対象者を高校生年代までに拡充すると共に、11月からは児童扶養手当の所得制限の限度額を引き上げ、対象者の拡大を図ります。
昨年から教育委員会を中心に準備を進めている、0歳から18歳までの切れ目ない経済的支援、さらには大学生等に対する給付型奨学金の制度設計につきましては、その内容、規模、開始時期について素案を固めた上で、しかるべきタイミングで市議会と協力しながら「安心して結婚・出産・子育てできるまち勝山」の実現に取り組んでまいります。
次に、勝山中学校の建設、開校に向けた進捗状況について申し上げます。
長年にわたり議論を重ねてきた中学校統合が3月市議会において設管条例および予算の承認をいただき、以来約半年が経過いたしました。
この間、中学校再編準備委員会では専門部会を5回、ワーキングチーム会議を2回、そして準備委員会を2回それぞれ開催し、新しい中学校での特色ある教育課程や中高が連携した教育活動、校章や校歌の選定方法、通学方法、PTA組織などについて検討を進めています。
これらの協議内容等につきましては、今定例会の新中学校建設特別委員会においてご報告させていただきます。
また、市ではこの秋に勝山市体育館ジオアリーナと勝山中学校を結ぶ地下横断歩道の建設工事に着手するほか、福井県教育委員会では、勝山中学校開校に間に合うよう、県立勝山高等学校第1体育館のリフレッシュ工事に着手するとともに勝山中学校と共用する特別教室棟のリノベーション工事に向け実施設計が進められています。
今後も県教育委員会および勝山高校と随時必要な連絡、連携を図りながら、令和9年4月の勝山中学校開校に向け準備を進めてまいります。
いよいよ勝山中学校の最初の卒業生となる子どもたちが来春勝山北部中学校、勝山中部中学校そして勝山南部中学校の3中学校へ入学されます。3中学校間の交流を進めるとともに、各小学校間、そして小中高間での交流を深めてまいります。
勝山市に誇りと愛着を育むとともに、子どもたちが安心安全な環境の中で学校生活が送れるよう、そして、個々の力を伸ばし、主体的・自主的に活動できるよう支援してまいります。
次に、福井県立大学恐竜学部勝山キャンパスについて申し上げます。
令和7年4月に開設される福井県立大学恐竜学部の勝山キャンパスの建設工事が6月に着手され、令和8年4月の供用開始に向けた準備が進められています。
また、8月28日に文部科学省大学設置・学校法人審議会より恐竜学部の設置を可とする答申がなされ、「福井県立大学恐竜学部 恐竜・地質学科」入学定員30名として学部設置が正式認可されたところです。
8月4日に開催された福井県立大学恐竜学部オープンキャンパスには全国各地から参加申込があり、数日で100名の募集定員に達するなど注目度の高さが伺えます。
市では、会場に「勝山生活相談コーナー」を設け、職員が質問に直接受け答えをし、勝山市のPRを実施してまいりました。
勝山市での住む場所や買い物、食事、雪など住環境のほか学生支援制度に関する質問を多くいただく中、勝山での暮らしを希望する方々が数多く見受けられました。
今後は、県立大学と連携しながら恐竜学部生への支援策についてきめ細かな周知を図ってまいります。
次に、令和5年度普通会計決算における主な財政指標について申し上げます。
財政構造の弾力性を判断する指標である経常収支比率は、前年度と比べ、法人市民税が大きく落ち込んだことや、普通交付税及び臨時財政対策債も減額となったことにより、経常一般財源等総額が3億2千8百万円の減額となったことが大きく影響し、前年度から3.6ポイント上昇し92.5%となりました。なお、地方財政健全化法に基づく健全化指標については、いずれも早期健全化基準を大きく下回っており、極めて健全な数字となっております。
本日の定例市議会に提案いたしますのは、国・県等の補助事業の確定等のほか、道の駅の隣接地に整備予定の多様な宿泊施設整備に対する支援事業、また、国に要望し第1次分として配分決定のあった過疎対策事業債などについて計上した「令和6年度勝山市一般会計補正予算 第2号」を含む13件であります。
これら13件につきましては、後ほど関係課長からそれぞれ提案理由を説明させますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます。