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本日ここに、令和6年12月定例市議会が開会されるにあたり、ごあいさつを申し上げます。
はじめに、このたびの勝山市議会議員補欠選挙におきまして初当選されました、石垣智史議員におかれましては、心よりお祝いを申し上げます。これまでの活動の実績と何よりも勝山を思う情熱が高く評価された結果であるとお喜び申し上げます。 今後は、勝山市議会議員として、市民の付託に応えるべく、これまで培った経験を生かし市政発展に向けたご活躍をご期待申し上げます。
また、去る11月3日に勝山市体育館ジオアリーナにて挙行いたしました勝山市表彰式において、各賞に受賞された皆様方におかれましては、心よりお祝いを申し上げます。 このたびの受賞を契機とし、本市の更なる発展のため、豊富な見識と経験を活かしていただき、今後もなお一層ご活躍いただきますようお願い申し上げます。
さて、このたび任期満了に伴う勝山市長選挙において、市民の皆さま方の暖かいご支持を得まして、2期目の当選の栄を賜りました。厚くお礼申し上げます。 今回の市長選挙において市民の信任をいただいたことは、1期目の実績に対する評価と、今後への信頼と期待のあらわれと受けとめまして、さらなる成果を上げるよう力を尽くしてまいります。
議員各位におかれましては、勝山市の発展と市民福祉の向上の実現を目指す理念を共有する立場で、今後は市政運営について真摯に発展的な議論ができますことをご期待申し上げます。
ここで市政運営に係る諸課題について所信の一端を申し述べたいと思います。
はじめに、防災減災対策について申し上げます。
勝山市はこれまで、38豪雪、56豪雪、令和3年豪雪をはじめとする大雪、そして昭和30年代から40年代にかけて甚大な被害をもたらした風水害。昨年、一昨年の大雨の経験から、雪害や風水害を想定した訓練や避難所の準備を進めてまいりました。
しかしながら、今年元日に発生した能登半島地震の被災地支援において現地の状況や避難所の様子を目の当たりにして、前もって予期することができない地震災害を想定した情報伝達の迅速化や避難所のあり方など実践的な防災訓練を進めているところです。
長期避難を想定した避難所の備蓄品、設備の充実を早急に実施してまいります。
また、ライフラインの上水道につきましては、引き続き医療施設や避難所等の重要給水施設までの管路の耐震化を進めるとともに、下水道管の耐震化につきましても、今後更新計画を立て計画的に進めてまいります。
つぎに、産業政策について申し上げます。
今年3月16日の北陸新幹線金沢・敦賀間開業および県内全線開通が間近に迫っている中部縦貫自動車道など高速交通網の整備により、勝山市の産業活性化に向け大きなチャンスが到来します。
観光の産業化推進に向け、勝山商工会議所をはじめとする関係機関との連携を進めてまいります。 繊維産業は、市内最大の就業者数を抱え、明治以来の勝山市の発展をリードしてまいりましたが、施設の老朽化、遊休地の活用などの課題を抱えています。繊維産業を将来に持続していくための支援策が必要であると考えています。
また、繊維産業を含む各種製造業に対し、国や県の研究開発や事業拡張補助事業採択に向けた伴奏型支援や事業継承支援を進めてまいります。 また、従事者の高齢化や農産物の不安定価格など厳しい状況下にある農林水産業において、担い手が魅力を感じられるよう所得の安定確保を目指し、生産面への支援に加え、道の駅隣接地の青果市場の建設助成、学校給食や道の駅、さらにはふるさと納税返礼品制度の活用、「九頭竜川勝山あゆ」、「やまのサーモン」をはじめとする水産資源のPRなど販売面への支援強化など、持続可能な農林水産業を目指してまいります。
観光産業については、恐竜博物館のリニューアル、道の駅周辺の活性化、park―PFIによる星野リゾートの開業、来年5月、御開帳の年を迎える平泉寺白山神社、スキージャム勝山、そしてインバウンドに人気の越前大仏など伸びしろが非常に大きくなっています。
勝山市を訪れる観光客が過去最高を記録しようとしている好機をとらえ、農林水産業、繊維産業などの既存産業が観光産業を出口とできるよう支援してまいります。
つぎに、子育て支援について申し上げます。
今年9月から実施している第1子保育料無償化をはじめ、18歳までの医療費無償化、放課後児童対策の無償化による子育て世代への経済的負担軽減施策を進めてまいりました。さらに今後は、0歳から18歳までのすべての子どもたちへ新たな給付制度の創設を図り、子どもを産み育てやすい環境を全国に発信することで、「出産・子育て世代に選ばれるまち」を推進してまいります。
また、実効性のある結婚支援および相談事業の実施により、婚姻数の増加を図るとともに、不妊治療費完全無償化、不育症治療費完全無償化などにより出生数の増加に繋げてまいります。
つぎに、勝山中学校の建設、開校について申し上げます。
市内3中学校の統合による新たな中学校の整備につきましては、長年にわたる市民の皆様および市議会と協議を重ねてまいりました。
本年3月の定例市議会において、令和9年4月1日、勝山高校特別教棟隣接地での勝山中学校の開校の設置及び管理条例並びに地下横断歩道、給食室設置等を含む関連予算案の議決をいただき、現在、校舎等建設工事の発注及び開校に向けた諸準備を進めているところです。
また、統合後の3中学校の跡地利用につきましては、市による体育館の活用及び、現在、庁内の中学校跡地利用検討委員会において、3中学校の用地をすべて購入した上での民間への売却を基本とした方針案をまとめているところであります。今後、市議会へお示し、早い時期に地権者の皆様へ説明してまいりたいと考えています。
つぎに、教育会館の改修及び中央公園のリニューアル整備について申し上げます。
市役所周辺施設の一体的な整備事業の一環として現在計画中の、教育会館を改修した子どもから高齢者まで多世代が交流できる複合施設の整備につきましては、市議会をはじめ、多くの市民、各種団体等からさまざまなご意見をいただきながら協議・検討を進めてまいりました。
今後は具体的な機能について更に市民のみなさまのご意見をお聞きするため、整備を1年先送りし、令和9年度の供用開始整備に向け、隣接するかつやまサンプラザ等と一体となって進めてまいります。
つぎに、「恐竜のまち勝山」の推進について申し上げます。
今年3月の北陸新幹線金沢・敦賀間開業による誘客促進を図るため、県内では、福井駅等を中心に、動く恐竜モニュメントの整備、各種お土産物開発など「恐竜」を強力に押し出した観光PR活動が精力的に展開されています。
日本屈指の恐竜化石発掘地および県立恐竜博物館のある勝山市の役割は、全国の恐竜好きの少年少女らのあこがれの地となるような取り組みを進めることだと考えています。
昨年7月にリニューアルした県立恐竜博物館とのさらなる連携、令和8年4月に開校する福井県立大学恐竜学部勝山キャンパスと勝山高校および新生勝山中学校との交流や学術分野での連携、「かつやま恐竜スクール」のさらなる発展を図り、ここに来れば本物を学び楽しむことができる「日本一の恐竜のまち勝山」を発信してまいります。
つぎに、移住・定住の促進について申し上げます。
移住・定住人口の増加および関係人口、交流人口の流入に向け施策を積極的に進めてまいります。
子育て支援政策と、産業政策による雇用創出をセットにした移住・定住施策を勝山商工会議所、市内各企業及び関係機関と一体となって推進することで移住・定住を促進し、若者世代をはじめとする生産年齢人口の定着を図ってまいります。
このほかにも、道路、上下水道、公共交通をはじめとする社会インフラの整備、担い手不足が進む地域コミュニティの活力維持、魅力ある働く場とセットにした移住・定住、子どもや女性、高齢者、障がい者、性的マイノリティの方、外国人などすべての人が安全安心に楽しく暮らせる多文化共生への取り組み取りなどさまざまな課題があります。
市民の皆様からお寄せいただいた期待と信頼にお応えすべく、地方自治における議会制民主主義の原則のもと、市民の代表である市議会との協議を重視するとともに、これを補完するために市民との対話を一層進め、社会の変化に対応できる安全安心な「楽しい笑顔のまち勝山市」の未来を市民の皆様と共に創り上げていくという使命感を持ち、市政運営にさらに精励してまいります。
さて、本日の定例市議会に提案いたしますのは、人事院勧告及び異動等による人件費の増減のほか、燃料価格高騰による電気料金値上げの影響を受けている社会福祉施設等への交付金などを計上した「令和6年度勝山市一般会計補正予算 第4号」を含む10件であります。
これら10件につきましては、後ほど関係課長からそれぞれ提案理由を説明させますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます。