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平成30年9月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年11月9日更新

 本日ここに、平成30年9月定例市議会の開会に当たり、市政運営に係る諸課題について所信の一端と9月補正予算案の概要について申し述べます。

 今年に入ってから2月には、当市で34年ぶりに「雪害対策本部」を設置するなどの大雪に見舞われ、6月には「大阪府北部地震」、7月には西日本を中心に記録的大雨となった「平成30年7月豪雨」など甚大な災害が全国で発生しております。

 また、7月に発生した台風12号のように、複雑な動きをする台風が、日本列島に被害をもたらす一方で、7月から8月にかけて、災害と呼べるほどの猛暑が続くなど、地球温暖化の影響と見られる異常気象が全国各地で発生しております。

 これらの災害につきまして、当市では2月の大雪の際に、岡山県総社市より除雪車の軽油の支援を受けたことから、「平成30年7月豪雨」による総社市の住宅屋根補修のための、ブルーシート300枚とミネラルウォーター1,000本を支援物資として届けるため、車両2台を派遣しました。また「平成30年7月豪雨」の義援金受付けの窓口も設置しているところです。

 当市では、2月の大雪以来、重大な災害は発生しておりませんが、昨年を振り返ると集中豪雨及び台風により8月25日、9月17日、10月22日の3回にわたり「避難準備・高齢者等避難開始」を発令または「自主避難所」を開設しており、また土砂の流失、浸水、暴風、倒木等により、多くの被害が発生しております。今後もまだまだ予断を許さない状況にあり、これからの台風シーズン到来に備え、万全の備えが必要であると考えております。

 また、連日の猛暑について、福井気象台によれば、梅雨明け後の7月9日から29日までの降水量が、県内14観測地点のうち11地点で平年比10%未満にとどまり、勝山市でも10.5mmで平年比わずか6%と少雨になっており、同期間の平均気温は、県内10観測地点とも平年を3度前後上回っております。

 農業用水の確保については、少ない水量を「奪い合えば足らぬ、分け合えば余る」の精神で市全体の用水利用の秩序を呼びかけ、水稲をはじめとする農作物等の管理対策について、県やJAなど関係機関と連携し対応してまいります。

 次に、観光の取り組みについて申し上げます。

 今年の夏は、昨年に引き続きまちなか誘客をめざすイベントとして「勝山灯りまつり」を8月10日から8月14日まで開催しました。今年はLEDライトを昨年より300個増やし、花月楼周辺から大清水はもとより、新たに尊光寺まで灯りを並べました。また、境内にも約200個のLEDライトで幻想的な演出を行い、夜の町歩き空間を演出しました。

 8月11日には「カッチャマ・ミュージック・フェスティバル2018」を弁天グラウンドで開催し、勝山高校日本文化部をはじめ、ジャズやロック、ギターの弾き語りなど、各種バンドの演奏が行われました。また会場では同時にダンスイベントも開催され、ケータリングカーによる飲食の提供も行われるなど、若い人たちを中心に盛り上がりをみせました。

 同じく8月11日には午後から花月楼周辺において浴衣やおしゃれをしてSNS、特にインスタグラムにアップできるかわいい写真を撮影する若者向けのイベント「おしゃれアンド浴衣コンテスト」を開催しました。このイベント運営には勝高生も参加して、イベントを盛り上げました。

 また、8月12日には同じく花月楼周辺を会場として、「勝山ふるさと祭」を開催し、愛好家による太鼓の野良打ち共演や銭太鼓、地元の下後区の左義長ばやし等が披露されるとともに、市内の盆踊り愛好団体や市民有志による民謡の町流しが行われ、花月楼周辺を生演奏に合わせて練り歩き、夏の宵に新たな風情が生まれました。

 8月14日の納涼花火大会には約2,000発の花火が打ち上げられ、多くの観客で賑わうなど、勝ち山夏物語り全体で約15,000人がまちなかを訪れたことにより、勝山の賑わいを演出することができました。

 この他にも、8月11日から16日のお盆期間中は好天にも恵まれたことから、恐竜博物館やジオターミナルを含む勝山恐竜の森には昨年より14%増の102,430人の来場がありました。

 また、7月14日にスキージャム勝山で北陸一の規模となるジオ・イルミネーションがオープンし、オープン後1カ月でスキージャムの入込数は、前年の154%増の49,167人となっております。

 平泉寺白山神社については、昨年の白山開山1,300年祭の効果に加え、今年に入ってからNHK‐BS放送やフジテレビ系番組で、苔の美しい神社として紹介されたことから、観光客の人気は高く、お盆期間中の歴史探遊館「まほろば」には、一昨年と比べると167%増の2,181人の入館者で賑わいました。特に今年度は「まほろば」の入館者の約8割が関東・中京・関西方面からの来訪となっており、そのうち2割近くが関東方面からとなっております。

 このように今年の夏は、それぞれの取組みの効果が表れて、市内の観光地や飲食店等でこれまでにない賑わいが実感でき、市の経済効果に期待しているところです。

 今後も、新たな観光の拠点として「道の駅」の整備を進めるとともに、建設が望まれている新たな県立恐竜博物館の誘致にも努力し、さらなる観光の産業化を進めて、まちの活性化、交流人口の拡大に努めてまいります。

 次に、映像関係の取り組みついて、申し上げます。

 日本大学芸術学部と連携して実施している、ふるさと回帰ショートムービー制作事業につきましては、学生から応募のあったシナリオ案約40作品から7月20日の審査会において5作品を選定いたしました。選定された学生たち13名と大学教授2名が8月10日から12日までの期間に勝山市を訪れ、観光地やまちなかの風景などの下見・ロケハンを行いました。今後はシナリオの練り直しを行い、秋から本格的な撮影等のため再度来訪する予定です。

 また昨年、勝山市が中心となって制作した映画「えちてつ物語」につきましては、大手配給会社ギャガとの契約がまとまり、11月3日から福井県内で先行公開し、11月23日の東京での公開開始から順次全国公開されることが決定いたしました。

先日ポスター・チラシが完成し、福井市内の映画館等で掲示し周知しているところですが、配給会社ギャガがこの映画の全国公開に高い期待を示しており、全国各地で多くの観客の目に触れ、勝山市と福井県の観光客増に大いに貢献してくれることを期待いたしております。

 次に、一般国道416号の開通について申し上げます。

 50年にわたる長い期間にわたって開通を要望していた、一般国道416号の石川県県境部交通不能区間が解消され、来月9日に供用が開始される運びとなりました。

 また、同日には開通式典が開催され、国、石川・福井両県および小松・勝山両市の関係者を始め、工事関係者や地元関係者、約200名の参加をいただき、盛大に執り行われる予定となっております。

 本路線は、福井市を起点として、石川県小松市に至る、延長87.5kmの一般国道であり、そのうち、勝山市内延長は16.9kmとなっております。江戸時代には「加賀新保道」と呼ばれ、大日峠を越えて、勝山城下と加賀の国を結ぶ重要な街道として、戦後まもない頃まで物資の運搬は元より、婚姻による人の行き来も盛んであり、両地方の経済・文化の交流に多大な貢献があった重要な道でした。

 しかし、クルマ社会の進展により通交が次第に途絶え、交流が徐々に薄れてまいりました。

 そのような中、昭和43年に小松市と共に「改修促進期成同盟会」を設立し、その後、昭和57年に国道として正式に認可されたことを受け、平成3年には「国道416号小松・勝山間ずい道開さく促進期成同盟会」、平成14年には「国道416号小松・勝山間整備促進期成同盟会」と名称を変更して県境部交通不能区間の解消に向け、様々な要望活動を継続してまいりました。

 今般、加賀新保道にゆかりのある方々の粘り強い運動と、地権者の皆様のご協力と関係者各位のご尽力により、開通の運びとなったことは、大変喜ばしく思っております。

 今後は、この一般国道416号の開通を契機として、観光をはじめ両市の発展へ結びつくさまざまな交流の道として活用してまいりたいと考えております。

 次に、50年ぶりの「福井しあわせ元気」国体・障害者スポーツ大会がいよいよ来月開催いたします。勝山市では九月一日のパラグライダー競技を皮切りに、クレー射撃やバドミントン、障害者バスケットボールなど6競技が10月中旬までの会期中に行われます。

 先日26日には市民450人が参加して、市内全域75区間をリレーで巡る「炬火リレー」が開催されました。この炬火の火は、公募によって「太古から未来へつなぐ勝山の火」と命名され、市内各小学校で熾(おこ)した火を一つにしたものです。炬火を先頭に整然と隊列を組んで走るリレーランナーに沿道からは多くの市民の声援もあり、国体・障害者スポーツ大会開催の機運を大きく盛り上げることができました。

 また、競技の開催に合わせ、全国からお越しになる大勢の選手団や来訪者をお迎えする準備も着々と進んでいます。中でも学校や花づくり団体等による「花いっぱい運動」、農家の皆さんによる「ソバの植栽」、各地区区長会による「道路環境美化活動」など多くの市民の協力のもと様々な取り組みが行われております。

 今後とも国体・障害者スポーツ大会の成功に向け、市民とともに取り組んでまいります。

 次に、平成29年度普通会計決算における主な財政指標について申し上げます。

 財政構造の弾力性を判断する指標である経常収支比率は、算定の分子となる経常経費充当一般財源等が、人事院勧告により、人件費が増額となったほか、公債費充当一般財源も新体育館建設事業債、臨時財政対策債償還額などが増額となり、昨年比1.8%上昇いたしました。一方、算定の分母となる経常一般財源等総額については、大手企業の業績回復により法人市民税が増額になったことに加え、普通交付税が大幅に増額となり、分子である経常経費充当一般財源の増加率を上回る3.7%の上昇となりました。

 その結果、当市の経常収支比率は前年度から1.7%下がり、96.9%と改善しております。

 また、地方財政健全化法に基づく健全化指標については、いずれも早期健全化基準を大きく下回っており、極めて健全な数字となっております。

 さて、本日の定例市議会に提案いたしますのは、国・県等の補助事業の確定等のほか、大雪により被害を受けた農業用ハウスの復旧支援事業費などを計上した「平成30年度勝山市一般会計補正予算(第3号)」を含む9件であります。

 これら9件につきましては、後ほど関係部長からそれぞれ提案理由を説明させますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。