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約180年ぶりの本格的修理となる旧木下家住宅では、日頃の同住宅の管理の際などに、軒下に幼虫が落ちていたことから、腐葉土化した茅葺き屋根の茅にカブトムシの幼虫が生息しているだろうと予測していました。そこで、修理工事に合わせて屋根の茅を本格的に取り外す前に、一度確認するため地元の北郷小学校児童に観察会も兼ねて協力をお願いし、平成28年5月12日に開催することとなりました。
当日は、3、4年生の児童29人が、ビニール手袋をした手に虫かごを持って、観察会と幼虫採集に挑みました。現場は、修理工事のために足場が組まれているため、児童達は現場のヘルメットをかぶりって上に登ると、茅を目の前にしながら現場監督から重要文化財旧木下家住宅の構造について説明を受け、湿った茅の部分を取り外し幼虫探しを始めました。児童の中から体長4~5センチ程度の大きな幼虫を見つけると、大きな声で「見つけた」と叫んで目を輝かせていました。
この日に小学生が見つけた幼虫は4匹でしたが、児童達は学校に持ち帰りカブトムシの成虫になるのを楽しみにしています。こういった観察会を通して、史蹟整備課では、児童達が、重要文化財への理解や、愛着を持ち、地元を誇りに思ってもらえることに繋がればと期待しています。