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平成22年6月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年9月19日更新

本日、ここに平成二十二年六月定例市議会が開会されるにあたり、ごあいさつを申し上げますとともに、市政運営にかかる諸課題について、所信の一端を申し述べます。

まず最初に、村田與右ヱ門議員、笠松捷多朗議員、清水清蔵議員におかれましては、今ほど報告されましたように、北信越市議会議長会並びに全国市議会議長会の定期総会におきまして、在職十年以上の表彰を受けられましたことにお祝い申し上げますとともに、長年の活動に敬意を表し、さらなるご活躍を祈念するものであります。

さて、国では、昨年九月に発足した鳩山内閣が八ヶ月あまりで退陣しました。これは、沖縄の米軍普天間基地問題の迷走や「政治とカネ」の問題での混迷による支持率の低下によるものであります。さる四日に国会で新たに指名された菅首相のもと、八日に新内閣が発足いたしましたが、健全な財政運営を目指す一方、景気回復のための経済対策や少子高齢化対策、さらには地方分権改革を推進するなど、日本の活力を喚起する政策を期待するものであります。
内閣府が発表した四月の街角景気によりますと、小売店主や企業経営が景気を五段階で評価した景気の現状判断指数は五カ月連続で上昇しました。

また、民間エコノミストの経済見通しも平成二十二年度成長率が二パーセント台に上方修正となり、景気に自律的な回復の兆しがにじみ始めています。

北陸三県の景気につきましても北陸財務局長は「持ち直しの動きが進展している」とし、前回一月の「持ち直しの動きがみられる」としていた判断を上方修正し、景気の回復を期待しているところです。奥越地区の四月末の有効求人倍率は〇.五三で、前月より〇.一一ポイント低下しましたが、前年同月比では〇.一七ポイントの上昇となりました。

次に、四月二十九日から五月五日までのゴールデンウィーク期間中に「県立恐竜博物館」や「はたや記念館ゆめおーれ勝山」など市内主要観光地六ヶ所の入込客数は六万三千六百八十八人で、過去七年間で最高の人出となりました。特に五月三日は天候にも恵まれ県立恐竜博物館には一万四百九十人が訪れました。例年一万人を超えた場合、渋滞が発生しますが、今回は県立恐竜博物館前駐車場の混雑状況と連絡を取りながら、滝波町からパークアンドライドによる輸送体制をとった結果、周辺道路への渋滞が発生することがなくスムーズに「県立恐竜博物館」へ誘導することができました。今後もこのように培ったノウハウを活用して、よりスムーズな誘導体制をつくっていきます。

「はたや記念館 ゆめおーれ勝山」は昨年七月十八日オープン以降、多くの来訪者で賑わい、ゴールデンウィーク期間中においても県立恐竜博物館前駐車場において、まちなか観光へ誘導するためパンフレットの配布や説明を行った結果、五千二百九十七人にのぼる多くの入館者があり、昨日までの累計は十四万七千七百五十五人となりました。

本年七月には一周年記念事業として記念式典及び記念イベントを市民と連携して実施する予定をしています。また、「県立恐竜博物館」も開館十周年を迎えることから、夏休み期間中に「恐竜博物館開館十周年事業」等の夏物語と「はたや記念館ゆめおーれ勝山一周年事業」を展開する中で、まちなかへの誘客に努めていきます。

次に第五次勝山市総合計画の策定状況について申し述べます。

第五次勝山市総合計画では、第四次勝山市総合計画に引き続きエコミュージアムのコンセプトを基軸に「ふるさとルネッサンス」の実現を計画の中心に据えていきます。

まちの大きさや人口の大小は、人の体の大きさが、人格・能力に何のかかわりもないように、まちの価値とは何のかかわりもありません。

地方分権を進め直接行政が住民と向き合うこれからの時代には、むしろ住民の意見をきき、反映することができる小回りが利くコンパクトなまちをつくっていかなければならないと考えています。

超少子化、超高齢化による人口減少社会が始まった今、人口構成の急激な変化に対応し、持続的発展を目指す長期的展望に立って、まちの将来像を形づくっていかねばなりません。

そのための重要施策として、こどもたちのために、市内十地区の一体感を尊重しながら三月にお示しした、小中学校の望ましい姿の実現や新体育館の建設実現を図ってまいります。

本定例会での論議を踏まえ、今月末に予定している「市長となんでも語ろう会」や「地区別座談会」でこれらの基本的な考え方を市民の皆様方にお示しし、市議会と一体となって第五次勝山市総合計画を策定してまいります。

勝山市はエコ環境都市を目指し積極的に様々な環境施策に取組んでいます。五月二十三日には、法恩寺山有料道路沿いの市有林〇.七二ヘクタールをアボットジャパン社に貸出し「アボット勝山の森」と名付け、社員とその家族三百五十名が広葉樹の苗木を植樹しました。今後五年間で千八百本の植樹をする計画としており、森づくりを通して二酸化炭素を吸収し地球温暖化防止を図り、環境保護に貢献するものです。

さらに勝山市と致しましてはアボット勝山の森に隣接する市有地を「企業の森」として広く募集していきます。

五月三十日には勝山青年会議所主催の、九頭竜川の美化及び環境保護活動として「クリーンアップ九頭竜川二〇一〇」が実施されました。今回は大野市、永平寺町及び坂井市からの市民団体、ボランティアを含む七百五十五名の参加者が、四地区に分かれて清掃活動に取り組んでいただいた結果、二千九百十キログラムのごみを回収することができました。

五月二十六日から開催の第十八回環境自治体会議「ちっご会議」において平成二十四年の第二十回環境自治体会議「勝山大会」が正式に決定しました。

この環境自治体会議は、環境政策に積極的に取組んでいる五十六の全国の自治体で構成され、自治体や団体間のネットワークづくりを推進し、情報を共有することにより、環境政策を推進することを目的としています。

勝山市としまして、これから開催準備委員会を設立して、前述した取り組みをはじめとする環境プログラムを充実して、第二十回環境自治体会議「勝山大会」開催に向けて準備をしてまいります。

次に、本定例会に上程しております子ども医療費助成対象年齢の拡大について申し上げます。

現在行っている就学前乳幼児医療費の自己負担分全額助成を、本年十月診療分から、小学六年生までの児童は、一医療機関の診療につき外来で月額五百円、入院は一日当たり五百円で上限八日間の月額四千円の自己負担とし、中学三年生までの生徒についても外来・入院それぞれ月額一万円までの自己負担を設け、自己負担を超える医療費を勝山市が助成することに改正するものです。

本制度の拡充を図ることで、他の子育て支援策と合わせ、引続き「子育て環境日本一」を目指していきます。

次に本年四月十六日に開催されました文化庁の文化審議会において県指定有形文化財「旧木下家住宅」の重要文化財指定への答申がなされました。

重要文化財指定の答申にあたり、これまで多大のご協力をいただいた文化庁、福井県教育庁ならびに木下家住宅調査整備指導委員会をはじめ、関係各位に心からお礼申し上げます。

旧木下家住宅は、江戸時代から百七十余年の永い歴史を経た建造物であり、かなりの修復や周辺環境の整備が必要と認識しております。今後、「旧木下家住宅」の保存整備や利活用につきましては、国・県等関係機関のご指導のもと地元地区と連携・協力して積極的に進めてまいります。
 勝山市には、この他にも多くのすばらしい「遺産」があります。今回の「旧木下家住宅」の重要文化財指定を契機に、多くの市民の皆様が地域の「遺産」に誇りを持って、積極的にその価値を活用し、さらに市民と行政が協働したまちづくりに取り組んでまいります。

次に、大蓮寺川改修計画について申上げます。旧計画は概ね五十年に一回程度の確率で発生する降雨による洪水を安全に流化させるため、県は元禄線の中に地下放水路を建設する計画を立てていましたが、治水効果の早期実現や市街地内工事であるため周辺地域への影響の低減を図るため、この計画の見直しを実施しました。

その内容は現在の大蓮寺川の河床を掘下げて流下能力を向上させ、不足分を元禄線と立石線に分けて地下放水路を建設するものです。非開削工法を採用することで整備期間の短縮と周辺環境への影響を低減するとともに、コストの縮減を図ることができるとしています。

現在の大蓮寺川の河床を掘下げて流下能力を向上させる工事は本年度から着手予定とされています。

次に、平成三十年の二順目福井国体が内々定となりました。

福井県では五十年ぶりの国体開催となります。県が策定した国体の基本目標を示した「福井国体ビジョン」では、本県が目指す国体の基本的な姿を明らかにするとともに、県民に喜びや感動を与え、県民が身近で生涯にわたりスポーツに親しめる環境をつくり、子供たちの明るい未来につながる国体を実現するとしています。
この「福井国体ビジョン」によると、競技地は県内全市町において最低一競技を開催することを基本とすることとなっています。昨年九月定例会の一般質問の回答で申し上げた通り、市体協の要望を踏まえ、バドミントン競技を誘致したいと考えています。

次に農業施策について申し上げます。国においては、去る三月三十日に「食料・農業・農村基本計画」を閣議決定しました。その中で、「国民全体で農業・農村を支える社会の創造を目指すことが必要である」とし、その具体的施策として、本年度から米を対象にモデル実施している「戸別所得補償制度」の本格導入や、地域の第一次産業とこれに関連する第二次・第三次産業が融合する「農業・農村の六次産業化」が掲げられています。

本年度の総合計画策定に合わせ、農業に関する現行のビジョンも見直す予定にしておりますが、その中で理念や施策をしっかりと整理・構築していきたいと考えています。

さらに、近年イノシシ等の有害鳥獣による農作物の被害が増加しており、丹精込めたものが収穫を目前にして被害にあう事例も多く、柵や檻の設置などの対策の拡充について国・県に対しても、引き続き強く働きかけていく所存です。

さて、本日の定例市議会に提案申しあげますのは、勝山市一般会計補正予算案を始め九件であります。これら九件につきましては、後ほど関係部課長がそれぞれ提案理由を説明いたしますので、よろしくご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。