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平成22年9月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年9月19日更新

 本日、ここに平成二十二年九月定例市議会が開会されるにあたり、ごあいさつを申しあげますとともに、所信の一端を申し述べます。

 初めに、政権交代後初めての国政選挙である参議院選挙が七月十一日に行われ、その結果、民主党が大敗し、再び参議院で与党が過半数に届かない事態となり「ねじれ国会」の再現となりました。これは昨年九月の政権交代後の政治とカネの問題や菅総理の消費税問題の発言等による国民の不信がもたらしたものです。

 任期満了による民主党代表選挙は九月一日に告示され、菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちとなりました。挙党体制を理由にトロイカ体制などというおかしな妥協にならなかったことにせめてもの救いは見出せたにせよ、政権延命が自己目的のような国民生活とかけ離れた大義なき政争に、政権与党の資格が問われています。

 選挙に望む以上は、菅、小沢両氏が政権構想をきちんと示して、国民の将来不安の解消につながる政策論議を正々堂々と戦わせ、党内論争に決着をつけて、日本の将来像を国民に示すべきです。

 次に、八月十六日に発表された四~六月期国内総生産の速報値によりますと伸び率は前期より大幅に縮小し、景気の持ち直しの動きは減速してはいますが、四半期連続のプラス成長となりました。全体の六割近くを占める個人消費の減速が目立っている一方、伸びを支えたのは五期連続のプラスを維持した外需である輸出産業であります。

 しかし、八月三十一日の東京市場では日経平均株価が八千八百二十四円〇六銭と年初来最安値を更新し、円相場は一時一ドル八十三円台目前にまで上昇しました。激しい円の上昇は、かろうじて日本経済を牽引していた輸出産業に壊滅的打撃を与えています。民主党政府の無為無策は世界のマーケットからも見透かされ、円高による株価の下げは、さらにきつくなるとの予測もあります。経済対策はスピードが大事であり、一日の猶予も許されません。この危機的状況下に行われる民主党代表選挙までの二週間、政府には政治空白を生まないよう、国家国民のために最大限の努力を望むものです。

 次に、「はたや記念館 ゆめおーれ勝山」は、この七月に開館一周年を迎え、七月十七日から十九日までの三日間、記念式典を始め様々なイベントを市民と連携して開催し、盛大に一周年記念を祝いました。
 八月末までの累計入館者は十八万四千七百二十八人と、当初の予想を大きく上回っており、勝山の新しい集客施設となりました。今後まちなか誘客の起点としての機能を高め、さらに充実に努めてまいります。

 七月二十四日と二十五日の両日、東京の福井県公式アンテナショップ「ふくい南青山291」において「まちはまるごと博物館 かつやまフェア」を開催し、八百二十名あまりの来場者を迎え勝山の魅力を発信してまいりました。

 恐竜化石発掘体験コーナーは、予想したとおり大変な人気で、事前予約者数がオーバーしたため、急きょ回数を増やして対応するほどでした。コースターの織体験は子供だけではなく大人にも好評で、おろしそばの振る舞いサービスの大好評とあいまって、物販コーナーでは初日の二十四日に「南青山291」の全体売り上げを「開館以来第二位」に押し上げるほどの大盛況となりました。平泉寺、スキージャム勝山、越前大仏、勝山城博物館、えちぜん鉄道など各コーナーも大変好評で、勝山の魅力を十分に伝えることができました。アンケートではほとんどの人が勝山市を訪れたいという意向が把握でき、今後も恐竜をメインに掲げ、ジオパークなど新しい展開に工夫を凝らして首都圏からの誘客に力を入れていきます。

 この成功は市の呼びかけに応じて参加していただいた観光協会を始め、ふるまいそば関係者や意欲的に出店していただいた関係者の方々及び東京勝山会の方々の御協力と御支援があってこそであり、改めて暑く御礼申し上げるものです。

 八月二十一日から二十三日までの三日間新潟県糸魚川市において開催された日本ジオパーク糸魚川大会において、日本ジオパーク委員会尾池和夫委員長から勝山市に対し「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」の認定書が正式に授与されました。また、同大会では世界ジオパーク認定の三地域を含む日本ジオパークの十一地域のほか、これを目指す三十を超える地域からの参加がありました。
 大会と合わせて開催された日本ジオパークネットワークの臨時総会では、より組織的な活動を行うための環境を整える必要があるため、NPO法人日本ジオパークネットワークを新たに設立することが決定いたしました。
 大会には、私を始め、村田市議会議長のほか勝山市ジオパーク推進協議会から県立恐竜博物館職員やエコミュージアム協議会関係者など総勢十人が参加しました。今後当市として、さらなるジオサイトの整備や本年度実施した市民向けのジオパークセミナー、および県外客を中心とするジオパークツアーなどについて、さらに充実させていく必要性があると感じました。
 今後は「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」を世界ジオパークのガイドラインに沿った質の高いものに近づけるため、要員や財政面などの強化について研究を深め地域経済への発展に繋げてまいりたいと考えます。

 また、本年福井県立恐竜博物館は開館十周年を迎え、博物館では特別展を開催しています。市でもこの記念事業として八月十四日に「かつやま恐竜パレード」を仁愛高校マーチングバンドと福井消防音楽隊を先頭に、それぞれ二隊に分けてパレードし、市民と共に祝いました。引き続き行われた「かちやまワッショイ」は、時折豪雨に見舞われるという悪天候にも関わらず、参加十五チーム・四百人が雨をものともせずにパフォーマンスを繰り広げ、勝山夏物語を盛り上げました。

 次に、本年度から始めました「学生合宿誘致事業補助」につきましては、補助制度のなかった昨年実績の約千人を大幅に上回り、本年は延べ約六千九百人を見込むまでになりました。その内訳は、当市と包括的連携協定を結んでいる関西学院大学をはじめ、関西の大学を中心に、十九大学・六高校の若者たちが勝山で合宿を実施しています。
 これは、勝山ニューホテルをはじめとする旅館業の方々が、補助制度が出来たことを契機に、学生合宿誘致を強力に推進・ピーアルしている結果が如実に表れているものと考えております。今後は、これらの学生が如何に勝山の楽しみと魅力を実感し、そのことをリピーターとして繋げていくにはどうすべきかが課題となります。しかし、一方で基本的な課題は、体育施設が不足しているため練習活動に市外の体育施設を使用せざるを得ないということです。交流人口を高めるためにも体育施設のキャパシティを増やすことが必要になってきています。

 次に、第五次勝山市総合計画の策定状況について申しあげます。六月二十九日開催の市長となんでも語ろう会をはじめ、七月から八月にかけて市内十地区十二箇所で開催した地区別座談会において、計画策定に対する市の基本的な考え方、方向性について説明し、併せて小中学校の望ましい姿の実現と新体育館の建設について、現時点における市の素案について説明し、参加した市民の皆さまからさまざまな多くのご意見、ご提案をいただきました。

 今後は、各種団体の座談会、さらには「市長への手紙」、市長となんでも語ろう会などを通じて、いただいたご意見をじゅうぶん踏まえながら、市の各部局における各種計画策定にあわせ関係機関と協議し、部局ごとの政策課題を明らかにして長期ビジョンを精査し、第五次勝山市総合計画の中に反映してまいります。

 小中学校の望ましい姿の実現につきましては、総合計画の地区別座談会と並行して市内小中学校の校区別座談会を開催し、現在の各PTAの方々に加え、これから小中学校に入学する未就学児の保護者にも参加いただき、小中学校の望ましいあり方検討委員会報告書の理念に基づき、次代を担う子どもたちに対して、できるだけ早くより良い教育環境を提供していくための素案をお示ししました。

 先ず中学校の再編については、平成十六年から三年間かけて策定した「小中学校の望ましいあり方検討委員会」の考え方を基本に、小学校に先行して再編し、合わせて市民の熱い要望のある新体育館の建設、さらには平成三十年に開催が内々定した福井国体のバドミントン競技会の誘致を、合理的かつ一体的に実現する考え方について説明し、ご意見をいただいたところであります。

現時点における素案では、平成二十七年春に新中学校開校という再編の目標年次を設定しており、工程表に現すならば来年の六月頃までには、再編の進め方についての意思決定をしたいと考えています。
 したがいまして、それまでの間に、今回いただいたご意見、ご提案を十分精査する中で、現在の素案の再検討を行いその結果を再度お示しするなど、市民の皆様の意思を最大限尊重しながら進めてまいりたいと考えています。

 一方、小学校につきましては、地域に密着した中で学校運営がなされ、また学校を地域のよりどころとして捉えている方々がたくさんおられます。
 そうした実情を踏まえて、今後再編の時期や形態等についてより濃密な意見交換を重ねるなど、それぞれの地域の皆様と共に、これからの小学校の望ましいあり方について議論を深めていきたいと考えています。

 次に、えちぜん鉄道について申し上げます。えちぜん鉄道は平成十四年九月十七日に、福井県と沿線九市町村の支援スキームの合意に基づき設立されました。以来、国及び県のご理解と力強い支援によりまして設備が整備され、勝山市民をはじめ沿線住民のご理解とご協力により、地域にとってなくてはならない鉄道に育ってまいりました。
 平成二十一年度においてはリーマンショックの影響などもあり前年度の利用者数を若干下回ったものの、平成十五年の運行開始以来、毎年順調に利用客数を伸ばしてまいりました。

現在の支援スキームは平成二十三年度いっぱいとなっており、平成二十四年度以降の鉄道の在り方及び支援の方法につきましては、福井県と沿線市町による検討が必要であることから、このほど「えちぜん鉄道活性化連携協議会」を設立し協議することとなりました。第一回目の会議は九月下旬を予定しておりますが、この協議会において、現在の支援スキームを単純に延長するのではなく、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に定められた地域公共交通総合連携計画を策定することにより、国及び県の支援を受けることのできる方策を検討してまいります。そして、地球環境にやさしい鉄道が、地域にとってなくてはならない機能として、将来にわたって存続できるよう取組んでまいります。

 次に、市の斎苑であります「和みの杜」について申し上げます。この施設は、平成十三年四月に供用開始し、市の重要な施設としてその役割をはたしてきているところであります。火葬場の設置にあたりましては、施設が所在する昭和町二丁目区と市の間で平成七年に締結した協定書に基づき利用しているところでありますが、同協定書は平成二十二年五月二十六日までの十五年間が協定期間となっていたことから、昨年来、同施設を延長して利用できるよう地元と協議を進めてまいりました。その結果、本年四月下旬に同区より同施設の継続利用をお認めいただく基本的な同意をいただき、このほど八月二十七日に協定書を締結することができました。
 地元地区の皆様には、市民の立場に立った前向きな話し合いに応じていただき、今後十五年間の継続的な利用についてご理解をいただきましたことに対し、心よりお礼を申し上げますとともに、同地区との信頼関係を大切にしながら、施設の利用にあたってまいります。

 次に、福井社会保険病院の存続について申し上げます。全国五十二ヶ所にある社会保険病院は、現在、独立行政法人「年金・健康保険福祉整理機構(略称RFO)」が保有し、運営はこの整理機構から委託を受けた全国社会保険協会連合会が行っています。この整理機構の存続期間は、平成二十二年九月末となっていましたが、先の臨時国会において、存続期間を二年間延長することが決まりました。このことにより福井社会保険病院は引き続き存続されることとなりましたが、あくまで整理機構としての暫定的な延長であり、将来にわたっての安定的な運営主体ではありません。
したがって、地域の中核医療を支える観点からも早期に福井社会保険病院を公的に存続させる法案の成立に向け、関係自治体と連携した要望活動を継続していく所存です。

 この一環として「厚生年金病院、社会保険病院等を公的病院として存続させる法案の早期成立を求める関係自治体・住民組織の共同要望」の呼び掛けが大分県由布市、秋田県能代市などからあり、勝山市もこれに応じて参画し、八月二十三日に副市長が、厚生労働省年金局総括官や各党幹事長、書記長に直接要望活動を行いました。厚生労働省からは、社会保険病院が、地域によっておかれた状況も異なるため、今後、国としてアンケート調査を行い、参考にしたい旨の回答がありました。参加した自治体関係者間では、九月以降「自治体共同ネットワーク」を構築して要望活動を強化していくことを確認しました。

 次に、高齢者の所在不明について申し上げます。このことにつきましては、東京都内で所在が分からない国内最高齢者が所在不明であることが判明したことに端を発し、全国的に百歳以上の高齢者の所在不明が社会問題となっています。

 勝山市内の百歳以上の高齢者は現在十五名で、そのうち、十三名の方は介護保険サービスを利用されており、ケアマネージャーが定期的に本人と面接し安否確認を行っています。残る二人のうち一人は高齢者夫婦、もう一人は多人数世帯で、ご家族と安定した生活を送られていることを確認しています。
 今後も引き続きケアマネージャや民生委員による定期的な面接による安否確認を行っていきます。

鳥獣害対策の取り組み状況について

 次に、イノシシ等による農地や農作物の被害に対する鳥獣害対策の取り組み状況について申し上げます。平成十四年度から実施している電気柵の整備につきましては、今年度で総延長が百四十一キロメートルに達しております。
 また、有害鳥獣の捕獲状況につきましては、イノシシ用捕獲檻は現在五十六基を配備し、八月末時点で百四頭を捕獲、カラス用捕獲檻も七月から稼動し八月末までの約二ヶ月間で六十三羽を捕獲しました。
 これらの取組みは、猟友会や地域住民の協力があってこそ成果が上がるものであり、勝山市が連絡・調整をしながら、引き続き有害鳥獣対策に対応してまいります。

一般会計決算概要について

 次に、平成二十一年度一般会計決算概要を申し上げます。
歳入では、法人市民税の法人税割が前年に引き続き経済情勢悪化の影響を受け減額になったことなどから、市民税総額で前年度比十.〇%、一億四千三百八十六万七千円の減額となりました。さらに固定資産税総額でも、地価下落の影響などにより前年度比三.〇%、四千三百四万四千円の減額となりました。このため市税全体では、前年度比六.三%、二億六百五十八万九千円の減額となっています。

 地方交付税では、地方雇用創出推進費の創設などにより、普通交付税が前年度比二億二千百一万四千円の増額となり、また、特別交付税も大雪による除排雪経費の増額などにより、総額で前年度比七.三%、二億六千九百三十一万七千円の増額となりました。

 国においては経済対策のため、臨時交付金によるてこ入れや雇用対策を推し進めてきた結果、国庫支出金は、前年度比十五.五%、一億八千六百七十五万一千円の増額、県支出金は前年度比十二.〇%、九千五百五十六万五千円の増加となりました。市債については、前年に比べて九億八千百八十二万一千円の増加となりました。その内約四億円は普通交付税の不足を補填する臨時財政対策債でこれは後年度に全額交付税措置されるものです。

 平成二十一年度末における市債現在高は、九十三億千七百四十二万七千円で、平成二十年度末に比べ、六千百六十五万七千円の減となっています。

 歳出では、国の経済対策のための臨時交付金を活用したことや前年度からの継続事業である同報系防災無線整備や本庁舎耐震補強工事などにより普通建設事業費は、前年比二十一.一%、二億九千六百三十四万五千円の増額となりました。また、大雪のため除排雪経費が増加したことなど全体では百十九億七十九万五千円となり前年度比三.三%、三億八千五百四十九万九千円の増額となりした。

 現在、市債の償還はピークをむかえていますが、市の施策に活用できるものなど国の動向に気を配りつつ、今後も市債残高と財政調整基金残高に留意しながら、政策の選択と集中により勝山市の未来に必要な事業に取り組んでまいります。

 次に、普通会計における主な財政指標について申し上げます。財政構造の弾力性を判断する指標である経常収支比率は九十九.九%と前年度から〇.三%上昇し、数値的には前年度に引き続いて財政の硬直化が懸念される比率となっています。ただし、この要因は昨年もご説明しましたように、決算の分析上、下水道事業特別会計及び農業集落排水事業特別会計への繰出金において、経常経費と臨時経費の仕分けの考え方が変わり、それまで臨時経費であったものが経常経費に分析することとなったためで、当市の財政がここ一~二年で急激に硬直化したものではありません。
 今後、両特別会計へ繰出金総額が減少していけば、数値は次第に改善の方向へ向かうものと見込まれます。

 次に、地方財政健全化法に基づく健全化指標について申し上げます。まず勝山市の普通会計の実質赤字比率、全会計の連結実質赤字比率はいずれもマイナス二.八%、十五.六%と、マイナスの値となっており、問題はなく、また、普通会計が負担する実質的な公債費が、標準財政規模に占める割合である実質公債費比率は十一.五%で、早期健全化基準の二十五%を大きく下回っています。そして、一般会計等が将来負担すべき債務が、標準財政規模に占める割合である将来負担比率も百三.八%と、基準を大きく下回り健全な数値となっています。

 次に、本定例会に提案いたしました総額一億三千四百万円余りの一般会計補正予算について申し上げます。

 まず、がん検診につきましては、すでに集団検診時のがん検診の無料化を実現していますが、今回これをさらに一歩進め、市民が県内の医療機関で個別にがん検診を受ける場合も無料といたします。
 また、幼児に対する日本脳炎接種に要する経費や低所得者のインフルエンザ接種に要する経費を計上するとともに、ものづくり技術開発・研究開発支援事業、鳥獣害のない里づくり事業の事業参加数の増加により予算を増額しております。
 定住化促進の一端を担う事業として、好評を得ている田舎暮らし体験交流事業や同じく人気の学生合宿に対する補助事業についても増額をしております。
 教育環境の充実では、来年開催される視聴覚教育研究大会奥越大会のために備品の整備を行います。また、このほど国指定重要文化財に認定されました旧木下家住宅近くに駐車スペースを確保し、見学者の利便を図ることとしています。

 これらを含めまして、本日の定例市議会に提案申し上げますのは、平成二十二年度勝山市一般会計補正予算(第二号)をはじめ十二件であります。これら十二件につきましては、後ほど関係部課長がそれぞれ提案理由を説明しますので、よろしくご審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます。