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平成23年6月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年9月18日更新

 本日ここに平成二十三年六月定例市議会が開会されるに当たり、ごあいさつを申し上げますとともに、「東日本大震災」に関する支援への取り組みの概要報告と、市政運営に係る諸課題について所信の一端を申し述べます。

 まず最初に、今ほど報告がありましたように、北信越市議会議長会定期総会におきまして、廣田與三次郎議員が議員在職三十五年以上の特別表彰を、また、安居久繁議員、山田安信議員が議員在職十五年以上の特別表彰を受けられましたことに、お祝いを申し上げますとともに、長年の活動に敬意を表し、今後も市民の負託に健全にこたえていただきますようお願い申し上げます。

 さて、去る三月十一日に発生しました「東日本大震災」によってお亡くなりになられました方々に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 今回の「東日本大震災」は、世界最大級のマグニチュード九.〇を記録した大地震と巨大津波が東北から関東地方の太平洋沿岸地域に甚大な被害をもたらし、さらに東京電力福島第一原子力発電所に致命的な損傷を与え、わが国史上最悪の原発災害を引き起こした未曾有の大災害となったのであります。

 勝山市では、大震災当日の三月十一日深夜に総務省消防庁の指令により組織された福井県緊急消防援助隊として勝山市消防本部隊員五名を第一次隊として岩手県陸前高田市へ派遣し、その後三月二十日の第四次まで、計二十名の消防士を行方不明者の捜索及び救助活動のため派遣をいたしました。
 一方、テレビ等から刻々映し出される被害の甚大さとともに、現地には水も食料も無い状況が伝えられ、私は勝山市として県や、国などの指示を待っているのではなく一刻も早く被災地に救援物資を届けなければならないと考え、緊急に救援物資を積み込んだ二台のトラックを三月十四日に出発する緊急消防援助隊の第二次隊の出発とともに救援物資輸送隊として派遣し、いち早く陸前高田市に入ることができました。また、越前大仏清大寺門前町に被災者を受け入れしたいとの山川住職の意向を伝えるために、三月二十四日に陸前高田市の戸羽市長と直接電話で話をいたしました。その際、勝山市から陸前高田市へ、できる限りの支援をすることも伝えました。
 その後、物資の輸送は、第二次を三月十七日に第三次を三月三十一日に行い、三次隊に同行した松村副市長が、陸前高田市の戸羽市長と直接面談し、具体的支援を協議した結果、同市からの要請により、在宅介護者の支援を行う通所の福祉避難所の開所立ち上げ及び運営をサポートすることとなりました。
 四月四日には、保健師を含む市職員、市内社会福祉法人からの介護支援専門員で編成する介護支援チームの第一班を派遣し、その後、四月三十日までの二十六日間にわたり、五班交代体制で六十九名が福祉避難所の運営にたずさわるなど全体で百十二名の人員派遣を行ったところであります。
 この間、快く施設職員を派遣していただいた市内社会福祉法人を始め、市内外から参加をいただいた方々に対しまして、深く感謝を申し上げます。
 私自身、四月三十日から五月一日にかけて現地を訪れ、福祉避難所を次の運営主体であります医療法人財団「青山会」へ引継ぎを行うとともに、戸羽市長と面談し、引継ぎの報告と勝山市としての今後の支援についても、申し入れをして参りました。

 一方、市民の皆様からの義捐金につきましては、三月十四日から窓口を市役所に開設し、五月三十一日現在で一千二百七十三万二千四百二十八円を日本赤十字社に送っています。しかしながら、義捐金は全国組織で配分を決定してから被災都道府県、さらに市町村を通じて、初めて被災者に直接届けられることになっており、現時点でもすべての被災者に行き渡っていません。そこで市民の皆様の浄財を市が行うさまざまな大震災支援活動に活用できるように四月八日から、勝山市独自で「勝山市東日本大震災救援寄付金」として募集を開始し、すでに、本日までに五百四十八万二千四百四十六円が寄せられております。

 また、福島第一発電所の原子力事故による被災地からの移住者の受け入れにつきましては、県内で最も早い三月十七日に市役所内に相談窓口を開設しており、五月三十一日現在、福島県南相馬市や浪江町を中心に二十三世帯六十四人の一時移住者を雇用促進住宅鹿谷宿舎や市営住宅などで受け入れています。
 移住者の方々には、見舞金として一人当たり一万円を支給しているほか、市営住宅の使用料、上水道、下水道料金などを九月末日まで無料にする等の生活支援を行っております。
 「勝山市東日本大震災救援寄付金」は勝山市のこうした独自支援に生かすことができ、ご寄付をいただいた個人や企業、各種団体の皆様には、心から御礼を申し上げます。今回の被災地への支援と、それを通して得られた貴重な体験は、市民や市職員の自信と誇りになるとともに、今後の勝山市の危機対策の貴重な財産になるものと確信をいたしております。

 今後の支援につきましても陸前高田市の戸羽市長と面談した際に申し入れをしてまいりましたことの具体的詰めを行っておりまして、これを受けて、第三セクターである「陸前高田地域振興株式会社」を通じて、陸前高田市の地場産品の販売促進に向けて、かつやまあじな便りでの活用や、六月十一日すこやかで開催する「すこやかフェスタ」での「岩手県陸前高田震災復興物産市」を予定しております。また、夏休みには現地の子どもたちを勝山市へ招待することについても陸前高田市との間で協議を進めており、さらに一日も早い復興を支援するために勝山市からのボランティアの派遣についても実現したいと考えております。

 次に、四月二十九日から五月五日までのゴールデンウィーク期間中に、はたや記念館ゆめおーれ勝山や県立恐竜博物館など市内主要観光地六ヶ所の入り込み客数は六万七千三百九十六人で、昨年の同期間中に比べ約三千七百人の増加となりました。特に連休の中日である五月四日は、天候にも恵まれ、県立恐竜博物館には一万四百八十六人が訪れました。通例となりましたパークアンドライドにつきましては、連休期間の内、五日間の実施を準備いたしておりましたが、恐竜博物館前駐車場の混雑状況と滝波町の臨時駐車場とが相互に連絡を取るなど、過去の経験からのノウハウを活かした結果、実際には三日間の実施に留めることができ、交通渋滞による苦情などはありませんでした。

 一方、はたや記念館ゆめおーれ勝山では、四月二十九日から一か月間、「未来に輝く繊維の世界展」が開催され、繊維が宇宙産業など最先端技術に応用されていることなど最先端の繊維の現状が展示されました。また、クラフト体験コーナーなどには子どもたちをはじめ外国人まで参加するなど盛況で、開館一周年であった昨年を上回る入館者数を記録をいたしました。
 また、まちなかにおいては、元禄一番街繁栄会が中心となり、「明治・大正・昭和の花嫁衣裳展」が開催され、高齢者の方を中心に大変興味を持たれる催しとなりました。
今後とも、市民と一体となった様々な企画を展開し、「まちなか」の活力を高めていきたいと考えております。

 次に、先週二十五日から二十七日の三日間、愛媛県新居浜市で開催された「環境自治体会議にいはま会議」の総会で「第二十回環境自治体会議かつやま会議」を平成二十四年五月二十五日、二十六日、二十七日の三日間に開催することが、正式に決定をいたしました。
 「にいはま会議」には、実行委員会の皆様とともに市議会議員の皆様方にもご参加をいただき、最終日の閉会行事の中で、来年の「かつやま会議」に向けた、意気込みと歓迎をアピールして参りました。
 今年の「環境自治体会議にいはま会議」は、「環境と産業の調和を目指して"こどもたちの未来のために"」をメインテーマに、全国各地の環境問題に関心の高い三十の自治体から約二千三百人が参加して開催され、二日目の二十六日には、参加者が十の分科会に別れて、環境ビジネスや自然との共生、再生可能エネルギーや交通問題など、さまざまなテーマで報告や質疑応答があり、午後はテーマに関するフィールドワークに取り組みました。
 最終日には、にいはま会議宣言が採択され、環境問題と産業育成は、人々の豊かな生活のための両輪であり、どちらも一方的に抑制されることなく、調和している社会こそが子どもたちに手渡す未来である。私たち一人ひとりが、環境に負荷を与える生活を変えていく決意が必要であり、低炭素社会実現のための人づくり、技術革新など、国内外における持続可能な社会の発展に貢献する産業育成が必要不可欠である。その中で原子力発電所の位置づけについてはさまざまな見解があり、今後も議論を深めていかなければならないとする内容となっています。
 勝山市では、来年開催される第二十回の大会に向けて、五月十日に市民の代表等で構成する実行委員会を発足し、具体的な取り組みを始めました。
 「かつやま会議」におきましては第二十回という節目の大会にふさわしく、さらに変化が進む社会情勢を捉えて、環境課題に的確に対応しうる会議となりますよう実行委員会を中心とする市民の皆様と力を合わせて、準備をして参ります。議会におかれましても、様々な場面でご協力ご支援いただきますようお願いを申し上げます。

 次に、先日二十二日には、勝山青年会議所が中心となって、クリーンアップ九頭竜川が開催され、市民753人が参加し、勝山市内の九頭竜川護岸に捨てられたごみや、漂流したごみの回収を行いました。今年は、市内の中学生のほか、市外の団体の参加もあり、年々、川をきれいにしようという活動の輪が広がっております。市内では、このほかにも、“かつやまをきれいにする運動”やエコミュージアム事業を基軸とした環境保全活動、環境にやさしい取り組みが充実してきております。
 このような取り組みを、来年の環境自治体会議で紹介し、勝山市のイメージアップを図るとともに、市民の皆様とともに環境に負荷をかけない、「世界で九番目にきれいなまち」にふさわしいまちづくりをさらに目指して参ります。

 次に、有害鳥獣による農林水産物の被害対策について申し上げます。昨年度、イノシシ用捕獲檻を前年の二倍となる五十八基設置し、その結果、前年の六倍となる百八十一頭を捕獲いたしました。しかしながら、秋にソバの被害面積が大幅に増えたことから、農作物全体の被害面積が増える結果となりました。
 今年度は、山ぎわの間伐を行う大規模緩衝帯の整備と合わせ、ネット柵を設置することとし、国に対し支援のさらなる充実を強く働きかけてきたところであり、今後、県に対しても支援の充実を強く要請していく所存であります。

 次に、学校再編について申し上げます。昨年、「中学校を一校に再編し、勝山南部中学校跡に新体育館を建設する」という素案をお示しし、その後、議会、市民の皆様からいただいた様々な御意見を基に、「学校再編と新体育館建設を別途に進め、中学校二校再編案についても検討する」等の再検討結果を提示したところであります。
 この時点では、当初の素案がいいという強い声が高まれば、その選択もあり得るとの考え方でしたが、現状はそうした状況にはなく、過日開催した三校区の代表者会議においてもその共通認識をいただいたところであります。
 従いまして、今後は、当初素案による進め方は選択肢から除くこととし、一校または二校への再編について議論を深め、平成二十四年度には結論を出せるよう取り組んで参りたいと考えています。

 次に、本定例会に上程しております「勝山市新体育館建設基金」について、その考え方を申し述べます。
 今ほど申し上げましたように、新体育館の建設場所を勝山南部中学校以外とすることから、今後、新たな用地の選定に着手してまいります。また、国体会場としての準備も含め、できるだけ早く利用に供するため、平成二十八年度のオープンを目指していきたいと考えております。
 そのために、「勝山市新体育館建設基金」を設置し、必要となる財源を計画的に積み立てるとともに、応援していただく方々からの協力金を受け入れることとしたいと考えております。

 次に、「北谷地区活性化及び各地区の特色ある地域づくり基金」について申し上げます。
 本年三月に策定いたしました第五次勝山市総合計画では、「市民力の向上」と「地域力の向上」を、目指していくこととしております。
 少子高齢化に伴う人口構成の変化と急激な人口減少により、中山間地域の集落だけではなく、市街地の一部ですら住民活動を維持していくことが課題となっております。
 市では、総合計画に沿って市民が主体となった地域力の向上に向け、「各地区の特色ある地域づくりの推進」を今後十年間の大きなテーマとして取り組んでいきます。
 そのために、まずは先行して市内で最も過疎化が進んでいる「北谷地区の活性化、再生」に取り組み、この取り組みをモデルとして、市の基盤である市内十地区の活性化と集落など基礎的コミュニティの活性化を一体的に目指していくことといたしております。
 このことから、北谷地区への重点的に支援することと、各地区が主体的に進める、特色ある地域づくりへの取り組み活動に対して支援することで、勝山市全体の地域力向上を図ることを目的に、本基金を設置するものであります。

 さて、本日の定例市議会に提案申し上げますのは、勝山市一般会計補正予算案を初め、十一件であります。これら十一件につきましては、後ほど関係部課長がそれぞれ提案理由を説明いたしますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。