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令和6年3月定例会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2024年2月27日更新

市長挨拶

 本日ここに、令和6年3月定例市議会の開会にあたり、所信の一端を申し述べますともに、提案いたしました令和6年度当初予算案および令和5年度3月補正予算案の概要を申し上げます。

 さて左義長まつりについてですが、奥越に春を呼ぶ勝山左義長まつりが、コロナ禍前から実に4年ぶりに完全復活し、2月24日、25日の両日開催されました。今年は立川区の櫓の一番太鼓で始まりました。
 まつり当日は、今年すべてがそろい踏みした櫓での左義長太鼓の競演や、各区ご自慢の絵行灯や作り物の数々が来場者を魅了し、日曜日はあいにくの雨模様でしたが、どんど焼きのフィナーレまで、2日間で約9万人の市民や観光客でにぎわい、大盛況のうちに終了されたとお聞きしております。
 準備と開催に御尽力をいただいた、勝山左義長まつり実行委員会、各地区の関係者の皆さま方には、改めて感謝を申し上げます。

令和6年能登半島地震と今後の防災対策について

 はじめに、令和6年能登半島地震と今後の防災対策について申し上げます。

 1月1日に発生した令和6年能登半島地震はマグニチュード7.6、最大震度7を記録し、石川県能登地方を中心に北陸4県に甚大な被害をもたらしました。
 先日時点で、241人の死者、9人の安否不明者、1,100人を超える負傷者、7万7千棟の住宅被害が発生し、今なお1万1千人を超える方々が避難を余儀なくされています。
 勝山市では、震度4の揺れを観測しましたが、人的被害及び住家への被害の報告はございませんでした。市内には能登半島にご親戚や知人、友人のおられる方々が大勢いらっしゃると伺っています。
 地震によりお亡くなりなられた方々に対し心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さま及び関係者の皆さまにお見舞いを申し上げます。

 勝山市では、消防救急援助隊の派遣をはじめ、避難物資の提供、給水支援、避難所開設支援、下水管渠調査、避難所の運営支援や保健師の派遣など多岐にわたる支援体制を継続的に実施しています。特に緊急避難物資については多くの市民の皆さまや市内事業者から提供をいただき、被災地へお届けさせていただきました。
 また、輪島市内の福祉避難所と連携して市民交流センター内に輪島市の要配慮者の方々を対象として広域福祉避難所を開設しています。運営されるオレンジグループをはじめ、福井ダイハツ販売株式会社からの自動車の貸与や、さらに企業からの輪島市との通信手段確保などについて、支援をいただくとともに福井ユナイテッドや市民ボランティアの皆さまにお手伝いいただいています
 広域福祉避難所の安定した運営、環境維持に努め、一日も早くふるさと輪島市へ帰宅できるよう支援してまいります。

 勝山市は市制施行以来、地震災害を直接経験していないこともあり、防災対策は風水害、雪氷災害に重点を置いてまいりました。 38豪雪、56豪雪、18豪雪をはじめとする大雪、昭和30年代40年代にかけて甚大な被害をもたらした風水害、そして昨年、一昨年の大雨の経験から、雪氷災害や風水害を想定した訓練や避難所の整備を進めてまいりました。
 今後は、地震災害を想定した避難訓練や、職員の初期行動、情報伝達の迅速化、避難所のあり方など実践的な防災訓練の実施、市内の古い木造住宅の耐震化推進や上下水道の管渠調査、移動式水洗トイレトレーラーや循環式シャワーの導入検討、長期避難を想定した避難所の備蓄品、設備の見直しについて早急に検討し、出来るものから実施してまいりたいと考えております。

商工業、観光産業について

 次に、商工業、観光産業について申し上げます。

 来月16日にいよいよ北陸新幹線金沢敦賀駅間が開業されます。
 これにより福井駅東京駅間の移動時間は最短2時間51分へと大幅に短縮され、福井県と関東圏との人やモノの流れが一気に増加し、観光はもちろんのこと多様な交流や連携が一層深まることが期待されています。

 そのような中で、勝山市、勝山商工会議所、DMO法人勝山観光まちづくり株式会社の三者がそれぞれ期待される役割を担い、観光産業のすそ野を広げるため、DMO法人内に勝山観光戦略協議会を設立いたしました。
 観光事業者や関連団体との意見調整を図り、着地型観光の推進、新商品・土産品開発、観光PR事業などを実施することで市内事業者の皆さまへの経済波及効果と雇用創出機会を生み出す「観光の産業化」を進めてまいります。

農林水産業について

 次に、農林水産業について申し上げます。

 まず農業ですが、勝山市の農業は、長い伝統と優れた生産管理能力により米をはじめとし、サトイモ、メロン、水菜など評価の高い農産物がある一方、販売力や付加価値をつける力が脆弱なため最終商品としての魅力向上に向けた支援や販売力の向上に向けた支援が必要と考えます。
 これまで行政支援については生産に力点をおいてきましたが、今後は通年で勝山市の米が販売できるような支援、道の駅恐竜渓谷かつやま隣接地に整備を計画している青果市場による地元農産物の販売強化を後押しするなどして、農業収入全体の増加を図ってまいります。

 次に林業ですが、これまで勝山市の山林の利活用は極めて限定的なものとなっており、個人経営の林業が産業として成り立たず、山林の荒廃により野生動物が市街地に出没するなどの副次的な問題も深刻化しています。
 林業事業者による森林施業の継続と集落周辺の森林で実施する自伐型林業との組み合わせ、これをすることにより森林が持つ多面的機能の維持増進を図り、勝山市の面積の80パーセントを占める山林の利活用を進めてまいります。

 水産業については、ブランドとなっている「九頭竜川勝山あゆ」、アマゴやイワナの養殖に加え、新たな特産品として注目される清流サーモン(仮称)の知名度アップを図り、内水面漁業の振興を図ります。

 幸い、農林水産業を志す若者が増えてきています。先日、農林水産業を目指す若い方々による動きのひとつとして「ディノファーマーズ」が立ち上がりました。 今後は、生産者の顔が見える活動や販路開拓に向けたイベントなどを企画していくとお聞きしておりますので、勝山市としても若者の農林水産業への挑戦をバックアップしてまいりたいと考えております。

こども政策について

 次に、こども政策について申し上げます。

 勝山市で令和5年度中に生まれた子どもの数は、昨日現在で77人となっており、月平均では7人、今年度の出生数は最終的に90人を切る見込みとなっています。
 市制が施行された昭和29年度に851人だった出生数が70年で1割以下まで減少、10年前の平成26年度の161人と比較しても6割まで減っています。
 勝山市では、人口減少に歯止めをかけるため20年以上前から子育て環境日本一をスローガンに、子育て支援策を充実してまいりました。
 今定例会で予算案をお認めいただければ9月からは県内初となる保育料の完全無償化を実施します。子ども医療費の無償化、放課後児童対策の無償化と合わせ子育て世代への経済的支援を一層充実してまいります。

 また、全国トップクラスの施策となっております不妊治療の完全無料化に加え、新たに不育症の診断、治療にかかる費用の完全無料化を実施します。結婚対策の充実を併せ少子化対策を図ってまいります。

 また、勝山市の就学前教育及び保育の新たな指針となる「かつやまっこ すくすくビジョン」を3月中に策定し、就学前教育、保育の中核となる私立保育園、認定こども園、幼稚園そして家庭、並びに地域コミュニティや企業と連携した、質の高い幼児教育・保育環境を目指してまいります。

新中学校の建設、開校に向けた進捗状況について

 次に、新中学校の建設、開校に向けた進捗状況について申し上げます。

 令和9年4月の新中学校の開校に向け、市民の皆さまからのご意見やご要望をいただきながら、建設基本計画に示された「目指す学校像」、「目指す生徒像」の実現のため、中学校校舎等の基本設計の策定に取り組んでまいりました。
 本定例会において、これまでの検討を踏まえたご報告をさせていただくとともに、学校施設等の整備に係る経費を予算案に計上させていただいております。
 また、2月8日に開催した市総合教育会議において、新中学校の校名を「勝山市立勝山中学校」とすることにいたしました。今定例会において設置管理条例の改正案を提出させていただきます。

 現在、令和7年度新入生から着用する予定の制服および体操服の選定作業を進めています。今月から市内の中学校と小学校を巡回展示し、児童生徒、教職員、保護者の投票を受けて、各4点の候補の中からそれぞれ1点を選出し、決定してまいります。
 並行して新中学校に通学するこどもたちの登下校に配慮したバスのあり方や中高が連携した教育活動、校時表、現在の3中学校の教育指導内容の統一化などについて検討及び調整を進めています。
 勝山市の将来を担っていく子どもたちが、新しい勝山中学校の中で様々な集団活動を通して互いに交流、協働し合い、より豊かな社会性や人間性・確かな学力を身につけるため、子どもたちが主体的・自主的に活動できる魅力あふれる教育環境を整えることが私たちに課せられたの責務であると考えています。令和9年4月1日の開校に向けた諸準備を市民の皆さまと共に遅滞なく進めてまいります。

多文化共生の取り組みについて

 次に、多文化共生の取り組みについて申し上げます。

 男女共同でのまちづくり、ノーマライゼーションの一層の推進、LGBTQの皆さまに対する理解増進など、幅広い観点からの多文化共生の取り組みを進める必要があります。
 昨年4月にパートナーシップ宣誓制度を導入してから1年が経過します。年間を通じて性の多様性に関する市民講演会や市職員研修会などを実施してまいりましたが、今後もこうした取組みを継続し、性的マイノリティの方々が抱える悩みや生きづらさなどについて市民の皆さまの知識と理解を深める取り組みを進めてまいります。
 本年4月から手話言語条例が施行されます。障がい者がイベントなどに気軽に参加できるよう、要約筆記や手話通訳者の派遣を充実していくとともに、市民対象に開催する手話講習会への市職員の受講も進めてまいります。

 現在、市内には人口の1.5パーセントを超えるさまざまな国籍の外国人の方々が在住しています。また市内各企業には、多くの多国籍の外国人が就業しています。
 国際交流員による訪問活動の範囲を児童センターにも拡大し、子ども達が異なる文化や英語に日常的に触れる機会を増やすとともに、地域主体の交流事業の実施により、外国人住民と日本人の幅広い交流を創出してまいります。
 さまざまな取組みを通じ、性別や年齢、国籍、障害の有無などを問わず、多様な人々が互いに認め合い、支え合いながら、共に生きる多文化共生のまちづくりを目指してまいります。

令和6年度当初予算の編成方針と主要な施策および令和5年度3月補正予算の概要について

 次に、令和6年度当初予算の編成方針と主要な施策および令和5年度3月補正予算の概要について申し上げます。

令和6年度当初予算の記者会見はこちら

 勝山市制施行から今年で70年になります。
 国際情勢、社会環境、経済状況の変遷や風水害や豪雪など幾多の災害を乗り越えて今日の勝山市を築き上げてこられたすべての先人の不断の努力に敬意を申し上げます。
 令和6年度は、無事に70周年の節目の年を迎えることができた喜びを市民の皆さまと分かち合うとともに、70年の間に大きく変化した勝山市のおかれた現状を冷静に見つめ、未来を創る子どもたちに「わいわい わくわく 安全安心のまち かつやま」を残すため、真摯に課題に取り組んでまいりたいと考えています。

 令和6年度当初予算案においては、防災対策の推進、中学校の再編準備及びこども政策の充実を最優先課題と位置付けた上で、変化する社会の中で「新しい勝山市の実現の年」としたいと考えています。
 市民生活に欠かすことのできない学校、ごみ処理施設などのインフラ整備、また将来の勝山市を担う「かつやまっ子」の子育て支援に積極的な投資を行った結果、148億3千万円となり、前年度比24.6パーセントの増額となっております。この当初予算規模は、市制施行以来、最大規模となります。

一般会計の歳入について

 次に、一般会計の歳入について申し上げます。

 まず市税について申し上げますと、市民税のうち、個人分は令和6年度から東日本大震災を教訓として実施する防災対策対応分として引き上げられてきた均等割が引き下げられること、また、令和5年11月に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき、7月から実施が予定されている定額減税の影響を考慮し減収を見込んでおります。
 固定資産税及び都市計画税については、地価の下落を見込み、家屋についても令和6年度評価替による減収を見込みました。
 入湯税は、昨年7月の県立恐竜博物館リニューアルオープン並びに12月の水芭蕉の新源泉開湯以降入湯数が伸びていることから増額を見込んでおります。
 以上のことから、市税全体では、前年度比1億1千2百万円減額の26億4千1百万円を見込んでおります。

 次に地方交付税については、公立保育園2園の廃止による影響、臨時財政対策債振替分の減額による影響、会計年度任用職員への勤勉手当支給による影響などを考慮し、前年度比1千3百万円増額の35億9千3百万円を見込んでおります。特別交付税は、前年度当初予算と同額の6億円を見込み、地方交付税全体では、前年度比1千3百万円増額の41億9千3百万円を見込みました。
 また、定額減税による地方の減収を補填するため、新たに定額減税減収補填特例交付金が創設されることから、地方特例交付金について9千万円の増額を見込んでおります。

 以上のことなどから、主な一般財源額合計は、前年度比4千7百万円減額の77億7千4百万円を見込んでおります。

 市債については、建設事業等に充てる普通債は、17億2百万円で、前年度比12億8千5百万円の大幅な増額となりました。これは、令和5年度から7年度にかけ実施するビュークリーンおくえつの基幹改良工事、令和9年春の新中学校開校に向け実施する新中学校校舎建設工事などによるものであります。臨時財政対策債は、昨年度に引き続き地方財政計画の地方財源不足額が大幅に減額となり、国と地方での折半対象財源不足が発生せず、既往債の元利償還金分の発行も大幅に減額となったことから、前年度比2千8百万円減額の2千2百万円を見込んでおります。
 令和6年度末の市債残高は、前年度比5億8千2百万円増額の131億1千7百万円となる見込みです。

 財政調整基金繰入金については、主な一般財源が、前年度比4千7百万円減額となったことに加え、会計年度任用職員への勤勉手当支給を始めとする職員人件費の増額、将来の勝山市を担う「かつやまっ子」の子育て支援策の充実、市民生活に欠かすことのできない学校、ごみ処理施設などのインフラ整備、令和6年度から公営企業会計に移行する下水道事業会計への出資金・補助金などの影響により、財政調整基金繰入金は、前年度比4億4千5百万円増額の7億2千5百万円を取り崩すこととなりました。
 財政調整基金の令和6年度末残高は、10億1千2百万円となる見込みです。

一般会計の歳出について

 次に、一般会計の歳出について、総合計画の政策目標に沿って主な施策ごとに説明を申し上げます。

「地域の未来を創る」 「まちの楽しさを創る」

 まず、2つの「地域の未来を創る」、「まちの楽しさを創る」では、市制施行70周年を迎えるにあたり、市民みんなで祝い楽しめるイベント、キャンペーンを実施します。いつでも誰でも「やってみたい」にチャレンジできる取組みとして実施している「ちょいチャレ応援事業補助金」も「市制70周年記念事業枠」として上限額を引き上げ、市民のチャレンジを応援します。「にこにこ地域づくり事業交付金」も令和5年度より増額し、地域の取組みを支援します。その他、福井県立大学恐竜学部(仮称)の開校を間近に控え、同学部生に市内で住んでもらえるよう学生向けの賃貸集合住宅の新築に対し助成し、学生の市内居住を誘導、子どもたちが恐竜に興味を持ち、知識を深められるよう「かつやま恐竜スクール」を拡充し市内外から広く生徒を募集し開催します。

「子育て・教育を守る」

 次に、政策目標の4つの「守る」のうち、「子育て・教育を守る」では、まず最初に、「かつやまっ子」への積極的な投資として、予てから表明しておりました通り、県内初の取組みとして、9月からの保育料を第1子から所得制限なしの完全無償化とします。これで、子ども医療費と合わせ、就学前児童施策としては、「完全無償化」の実現となります。保育料の完全無償化、これまで取り組んできた、不妊治療の完全無料化に加え、新たに不育症の検査及び治療費を全額助成、保護者からの幅広いニーズに対応するため、新たに勝山オレンジクリニックにおいて病児保育を実施、上野こども園においても体調不良児対応型病児保育を実施します。その他、結婚に伴う新生活のスタートアップを最大100万円支援、安心して出産・子育てができるよう出産・子育て応援金10万円を交付、10月支給分から児童手当を、11月支給分から児童扶養手当を拡充するなど、子育て支援施策を充実しております。教育関連では、令和9年春の新中学校開校に向け、新中学校校舎建設工事に着手します。中学校の再編関連では、ソフト面でも、これまで個々の小学校、中学校で行ってきた活動を相互に交流し行事などを開催することで、小学校間、小中及び中高の連携強化を図っていきます。

「福祉・健康を守る」

 次に、「福祉・健康を守る」では、低所得者支援及び定額減税を補足する給付として、定額減税額が控除しきれない世帯、令和6年度に新たに住民税非課税又は均等割のみ課税となる世帯に対し給付金を給付します。また、先の12月定例会で議決いただきました手話言語条例に関連し、手話に対する理解の促進及び手話の普及を図り、全ての市民が相互に理解し、安心して暮らすことができるよう、市内で開催されるイベントにおいて手話通訳等を行いたいと考えております。

 健康関連では、第20回の記念大会となる勝山恐竜クロカンマラソンに特別ゲストランナーを招聘し盛大に開催、10月頃には、山口茜選手を始めとするバドミントンナショナルチームのA代表合宿を市内に誘致します。その他、林業者健康トレーニングセンター、市庭球場にスマートロックを設置、B&G海洋センター体育館、市営温水プールのLED化工事、ジオアリーナトレーニングルームのトレーニング機器増設など各種備品の整備を行い市民の健康増進を後押しします。

「産業・経済を守る」

 次に「産業・経済を守る」では、地元農産物の販売力強化を図るため、道の駅隣接地に勝山市観光まちづくり株式会社が整備する青果市場の建設費用に助成、森林環境譲与税の地方への譲与額が増額となることを受け、林業経営体及び自伐型林業者等が高性能林業機械をレンタルする費用への助成、自伐型林業者等の育成支援助成など新たに支援メニューを創設し、森林の適正な保全管理を行い、森林が持つ多面的機能の維持増進を図ります。
 また、令和5年度に特産品として創出した「清流サーモン(仮称)」を「九頭竜川勝山あゆ」に加え小中学校の学校給食に提供し、内水面漁業の普及と振興を図ります。
 その他にも、2年続けて大雨により被災した、皿川、伊波地係の森川用水改良工事の国庫事業採択に向けた計画策定等を行い早期の事業着手を目指します。
 観光関連では、令和5年度に4年振りに開催したトヨタ ガズーレーシング ラリーチャレンジを令和6年度も継続開催、令和7年春の平泉寺白山神社三十三式年祭に向け債務負担行為を設定し準備を進め、平泉寺の魅力を市内外に広く発信し誘客を図ります。

「防災減災・生活環境を守る」

 次に「防災減災・生活環境を守る」では、住民による防災マップの作成、福祉避難所の設置運営に関する協定を締結している事業所を対象に、避難生活に必要な資機材の購入等を助成、県営事業では、大雨により越水し被害が発生した、畝見川、宮前川及び暮見川の河川改良工事を実施します。また、屋根雪下ろし時の安全・安心の確保を図るため、住宅等への命綱固定アンカーの設置に対する助成、旧ホテル勝山の略式代執行による解体工事に向けた実施設計を行います。
 生活環境関連では、ゼロカーボン社会の実現に向けて、住宅への自家消費型太陽光発電設備及び蓄電池設備の導入を支援します。ゼロ予算事業として、民間との連携協定により、Jクレジット制度を活用し市有林のCO2吸収量の認証及び売却を目指します。また、市役所本庁舎、ジオアリーナ、すこやか等の公共施設に普通充電器を整備し、環境に優しい電気自動車の普及を促進します。
 生活路線バスの運行については、現在、日中にフルデマンドバスを運行している北郷方面及び野向方面に加え、10月より荒土方面をフルデマンド化し、利便性向上を図ります。
 また、令和5年度から大野・勝山地区広域行政事務組合において工事を実施している、ビュークリーンおくえつの基幹改良工事費の一部を負担します。
 その他、令和7年11月からの稼働開始に向け、自治体情報システムの標準化・共通化に向けた調査を実施、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき、個人住民税1万円の定額減税を実施します。

 以上、事業の選択と集中を図ることで、新規事業として96事業、約20億3,887万円、拡充事業として35事業、6億4,163万円を見込み、「わいわいわくわく安全安心のまちかつやま」を目指した予算としています。

 なお、令和5年度3月補正予算につきましては、各事業の精算に加え、能登半島地震の発生により、対口支援先である石川県珠洲市のふるさと納税の代理寄附を受付し、ご寄附いただいた額を珠洲市に届ける珠洲市災害支援寄附金などを計上しております。


 本日の定例市議会に提案いたしますのは、今ほどの令和6年度勝山市一般会計予算を含む34件であります。これら34件につきましては、後ほど関係課長から、それぞれ提案理由を申し述べますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます。