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平成24年6月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年9月18日更新

 本日ここに平成24年6月定例市議会が開会されるに当たり、ごあいさつを申し上げますとともに、市政運営に係る諸課題について所信の一端を申し述べます。
 内閣府が5月17日に発表した一月から三月期の国内総生産速報値によりますと、物価変動の影響を除いた実質で前期比一.〇%増、年率換算で四.一%増となり、三 四半期連続のプラス成長となっております。これは、東日本大震災からの復興事業の本格化で公共投資が増加したこと、またエコカー補助金を背景にした個人消費が堅調だったことなどが要因とされています。
 平成24年度の日本経済は緩やかな回復軌道をたどるとの見方がありますが、欧州危機の再燃などにより、ドルやユーロに対する円高や株安、政策効果の息切れ、電力供給不足への懸念など景気の先行きには不透明感が出ており、内閣改造によっても政権の安定につながる見込みは少なく予断が許せません。

 さて、第二十回環境自治体会議かつやま会議を、「恐竜の時代から未来へつなぐ豊かな自然と環境」、「世界で九番目にクリーンなまちからの発信」をテーマに、5月25日から27日までの三日間、勝山市で開催いたしました。
 市では、開催に向けて昨年四月に全市民の代表からなる実行委員会を立ち上げ、以来五回にわたって委員会を開催し、市民総ぐるみで準備に当たってきました。特に、今年のかつやま会議は初めての土曜・日曜を含む週末開催としたこともあり、ボランティアやアトラクションに、たくさんの市民の皆様のご協力とご参加をいただき、盛況のうちに終えることができました。
 これも、議員の皆様を始め市民各位、関係機関のご理解とご協力、そしてまた実行委員の皆様の何カ月にもわたる計画づくりのおかげであると感謝し、改めまして深く御礼を申し上げます。
 事前の申し込み人数は約千五百名、三日間の延べ人数では三千名を超し、南は九州鹿児島から、北は北海道まで五十六の自治体から行政関係者、議員、一般地域住民、NPO、研究者、研究機関、大学教授、企業関係者などのほか国、県の関係機関など実に多彩なさまざまな人たちの参加がありました。
 一日目の基調講演、パネルディスカッションに引き続いて二日目は、十一の分科会に分かれて、環境保全に向けたそれぞれのテーマに基づいた事例発表とフィールドワークが行われました。
 分科会ごとに、発表者を含めた参加者同士の話し合いが熱心に行われ、環境保全に関するさまざまな取り組みの事例発表を軸に会議が進みました。三日目は、それぞれの分科会の会議の内容が報告され、それに続いて記念講演の後、かつやま会議宣言が総会で採択されました。最後に開催地が勝山市から鹿児島県日置市へ引き継がれ、次期開催地の日置市長から挨拶があり、三日間の会議を閉じました。

 今回、環境自治体会議かつやま会議の開催によって、二つの大きな意義を見出せたと思っています。
 一つは、これまで勝山市が市民と一体となって取り組んできた環境政策が分科会、フィールドワークを通して全国の加盟自治体に発信することができ、アピールができたこと。二つ目は環境に対する更なる取り組みのアイデアを全国の加盟自治体の事例によって知ることができたことです。このことによって市民のまちづくりへの自信と誇りが高まり、さらに意欲的な活動につながってくるものと考えております。
 特に今回、過去二十回の会議で初めて、未来を担う子供たちによる環境活動の取り組みと環境分野における企業の地域貢献活動が分科会に加わり、高い評価を得ました。特に、子どもたちの環境学習で学びと実践から感じたことや大人へのメッセージをアピールしたことは、これまでの会議では見られない発表であり、参加者に強いインパクトを与えました。このことは、これから環境活動の次世代への持続的な発展と、企業が担う社会的貢献という時間的かつ面的広がりとなって進展し、全国はもとより、勝山市がめざすエコ環境都市へのまちづくりに新しい力が得られたと考えています。
 かつやま会議の成果を活かし、エコ環境都市をより進展させるためには、これからの取り組みが重要であります。今回の会議を一過性のイベントとして終えることのないよう、次のステージに進む大きなきっかけとしてとらえ、参加した市民ひとりひとりの思いと通じ合う取り組みにつなげてまいります。

 次に、観光政策について申し上げます。
 「勝山おろしそばブランド化推進事業」の第一弾として、勝山のおろしそばを「勝ち山おろしそば」の名で全国発信し、ブランド化を図る取り組みをスタートさせました。
 四月十三日に俳優の中尾彬さん、池波志乃さんご夫妻に「勝ち山おろしそば観光特使」に就任していただきました。
 また、夫妻には、記念品として勝山の特産品であるシルクのねじねじマフラーとストールを贈りました。
 これからは、テレビ番組等、マスコミの場において勝ち山おろしそばのアピールによって、勝山市の知名度向上につながっていくと期待いたしております。
 この勝山産そば粉による手打ちのおろしそばは、「勝ち山おろしそば」として商標登録を出願中であり、十月頃には登録が完了する予定であります。
  これをきっかけに、現在の勝ち山おろしそばの食味を広く全国に宣伝し、またそばに関係する勝山市民のさらなる奮起によって、近い将来このブランドを全国的に認知させていきたいと考えております。
 また、そば以外の食の魅力のアピールについても早期に企画し、実行に移したいと考えております。

 次に、四月二十八日から五月六日までのゴールデンウィーク期間中の観光客動態について申し上げます。はたや記念館ゆめおーれ勝山や県立恐竜博物館など市内主要観光地六カ所の入込客数は七万七千七百四人で昨年の同期間中に比べ約一万人の増加となりました。
 また、同期間中の市内飲食店の景況については、市内飲食店の抽出調査を行ったところ、昨年比で平均三割以上の売り上げ増となっています。
 これは、恐竜博物館前において臨時観光案内所を設置し、中尾彬さん、池波志乃さんを起用した、おろしそばのポスター掲載やチラシの配布を行った結果によるものと考えております。今回のゴールデンウィーク期間中の観光客の動態状況を十分検証し、課題を整理し、夏以降の観光客増につなげていきたいと考えております。

 次に、農業政策について申し上げます。
 国は、地域農業の担い手育成や集落営農振興方針などを取りまとめた「人・農地マスタープラン」を策定する地域を重点的に支援することとしております。勝山市は、これを踏まえ、農業者及び勝山市農業公社をはじめとした関係機関と連携し、人・農地マスタープランを策定し、勝山型農業の確立を図ってまいります。
 また、鳥獣害対策につきましては、昨年度は四十kmのネットさく、電気さくを整備いたしました。今年度は引き続き、これらの対策を着実に継続するとともに、福井県及び大野市と積極的に情報交換を図り、効果的に対策を進めて参ります。

 次に、中部縦貫自動車道について申し上げます。
 中部縦貫自動車道永平寺大野道路の勝山大野間は平成二十四年度の供用を目指し整備が進められているところであります。
 五月二十二日には、「大袋トンネル貫通を祝う会」を、岩下福井河川国道事務所長、西山福井県土木部長、松村市議会議長をはじめとする来賓の方々や、これまでご尽力いただいた地元対策委員会などの関係者列席のもと、盛大に挙行することが出来ました。
 この区間七.八kmの完成によって、大野・勝山間が開通しますが、早期の全線開通を目指し、さらに関係各位に対し要望を強めてまいります。

 さて、本日の定例市議会に提案申し上げますのは、平成二十四年度勝山市一般会計補正予算案をはじめ、十三件であります。これら十三件につきましては、後ほど関係部課長がそれぞれ提案理由を説明いたしますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。

 終わりに、十一、二月に予定されています市長選挙について所信を申し上げます。
 平成十二年、西暦二〇〇〇年十二月に、勝山市長選挙に立候補して当選以来、三期十二年にわたって勝山市の市政運営のトップとしてその重責を果たしてまいりました。
 一期目のスローガン「あなたと一緒に二十一世紀の勝山市をつくります」に象徴されるように二十一世紀の幕開きと共にそのスタートを切りました。地域主権の時代にふさわしく市民と一体となって、地域の個性を生かした潤いと安らぎのある街づくりを目指すことをお約束し、市民と一体となって、えちぜん鉄道として電車の復活を果たし、「ふるさとルネッサンス」を理念に掲げてエコミュージアム構想を政策の根幹に位置づけました。
 その具体的事業として「げんき発掘」「げんき創造」「げんき発展」事業によって、勝山市各地域の住民が自ら地域の遺産を掘り起こし、その価値を磨いて未来に継承する市民の力が生まれ、地域が育ってきました。
 勝山市が平成の大合併を選択しなかった理由のひとつにエコミュージアムによる市民のアイデンティティの喚起もその背景にあったと考えます。
 二期目は元気・情熱・改革をスローガンに、中心市街地の整備を進める一方、行財政改革に果敢に取り組み、三年間で十一億円の効果額を出し、財務体質の健全度を高めました。
 三期目は「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」の認定、「白山平泉寺」の発掘整備、「はたや記念館・ゆめおーれ勝山」の整備によるまちなか誘客、「子育て環境日本一」への取り組み等、いずれも一期と二期で培った基礎の上に着実に築き上げた政策を展開してまいりました。「エコ環境都市の実現」に向けては「環境自治体会議かつやま会議」を開催し、勝山市の環境政策の取り組みを全国にアピールできたことは冒頭で述べたとおりです。
 このように、議会のご理解と市民のご支援、ご協力のおかげで数々の事業に取り組み、その成果を上げることができました。
 残りの任期も約半年となった今、来た道を振り返り、未来に続く道を展望するとき、取り組むべき課題が見えて来ます。
 われわれ地方に住む国民の幸せの基盤は、地方分権、地域主権の美名に惑わされない基礎自治体の真の力であり、その充実強化にほかなりません。
 私は三期十二年にわたって、自然、歴史、文化、産業など勝山市の個性を魅力に磨き上げて、このまちを発展させる取り組みを進めてきました。今後十年の勝山市の設計図である「第五次勝山市総合計画」もその考え方を基礎にして、これからの十年に向けて、すでにスタートを切っておりますが、具体的には新体育館建設、学校再編、少子高齢化に伴う子育て支援と高齢者福祉対策、北谷町の振興、まちなかのさらなる整備と振興、産業と観光の振興等、少なからぬ課題が残されています。
 そこで、この課題解決の端緒を開き、持続的発展を次の時代に引き継ぐために、十一、二月に予定されている市長選挙において市民の審判を仰ぎ、ご理解とご支援がいただけるならば、引き続き市政を担当させていただき勝山市の更なる発展と、市民の幸せ実現のために全力を尽くしたいと考えます。
 六月定例会の開会に当たり、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。