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平成24年9月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年9月18日更新

 本日ここに平成二十四年九月定例市議会が開会されるに当たり、ごあいさつを申し上げますとともに市政運営に係る諸課題について所信の一端と、提案理由の概要を申し上げます。

 内閣府が八月十三日に発表した今年四月~六月期の国内総生産速報値によりますと、物価変動の影響を除いた実質で前期比〇.三%増、年率換算で一.四%増となり、四半期連続のプラス成長となっておりますが、個人消費の伸びが鈍化し、年率五.五%増だった前期に比べ景気拡大ペースは減速しております。
 個人消費を牽引してきた自動車販売が、エコカー補助金が間もなく終了する見込みのため、九~十月以降には需要を先食いしてきた反動減が警戒されていること、震災復興関連の工事が遅れ気味であることも影響して、消費全体で見れば七~九月期に前期比横ばい、十~十二月期には前期比マイナス成長に転じるとの見方が優勢になってきております。
 こうした状況を受けて政府内では二〇一四年四月の消費税率引き上げに向けて経済成長戦略を早期に実行すべきとの意見が強く、東日本大震災からの復興事業を中心に補正予算案の編成を検討している模様であります。日程的には秋の臨時国会に補正予算案を提出することで、景気を下支えしたいとの思惑のようでありますが、一方で衆議院解散・総選挙の時期が補正予算案の編成に影響するため流動的な面があり、補正予算案の規模等についても現時点では不明であります。

 さて、ロンドンオリンピックは、日本時間の八月十三日早朝に閉会式が行われ、数々の感動と共に十七日間にわたった大会が幕を閉じました。
 日本は金メダル七つを含む合わせて三十八個のメダルを獲得し、メダルの総獲得数は二〇〇四年のアテネ大会を上回って史上最多となりました。日本の選手達が国の代表として戦ったその成果を素直に喜びたいと思います。

 次に「中国訪問について」申し上げます。
 七月一日(日曜日)から八日(日曜日)にかけて日中友好四十周年、福井県浙江省友好二十周年を契機に中華人民共和国河南省洛陽市、浙江省杭州市・麗水市および上海市を訪問いたしました。
 今回の訪中では越前大仏との縁で過去に交流のあった洛陽市との新たな交流に向けて行政関係者への訪問や、福井県と浙江省の間で進めている学校間交流事業「千校結好」の候補として紹介された二つの小学校の視察訪問、さらに浙江省や麗水市への公式訪問を行い、今後、重要になる中国との交流の推進や、中国からの観光客誘致に向けた調査を行ってきました。
 洛陽市におきましては、市役所や人民代表会議を訪問すると共に越前大仏のモデルになった龍門石窟や、平泉寺や奥州平泉の語源ともいわれる、洛陽八景のひとつ洛陽郊外の平泉を訪問しました。
 浙江省におきましては、外事弁公室の表敬訪問、杭州市文龍巷小学校訪問、麗水市表敬訪問、麗水市遂昌県実験小学校を訪問しました。
 特に経済発展を優先して、環境対策が遅れているといわれる中国の中にあって、麗水市の環境保全や景観保全、および伝統文化の継承への取り組みは、勝山市が進めるエコミュージアムによる環境政策と共通するものがあります。この点について勝山市の政策を述べたところ麗水市側も少なからぬ関心を示し、ぜひ訪問したいと言うことでした。
 今後は、洛陽市とは越前大仏および白山平泉寺と洛陽平泉の縁を糧に新たな交流を推進するとともに、福井県および浙江省の仲介のもと、浙江省麗水市との友好協定締結に向けて準備をしていきたいと考えています。
 また、「千校結好」事業の候補として福井県から紹介された二つの小学校とは、それぞれバドミントン、伝統文化の継承などの面で、小学生の交流を進めていきたいと考えております。

 次に八月二十三日に、千葉県船橋市総合体育館で行われた全国中学校体育大会のバドミントン競技において、勝山南部中学校の山口茜選手が女子シングルスの部で見事優勝いたしました。
 当日は、私も応援に赴き、前日勝山からバスで駆けつけた「山口茜選手を育てる会」の皆さんや関東在住の勝山市出身者と一緒に声援を送り、山口選手の優勝を祝福するとともに、喜びを分かち合いました。
 平成三十年に開催される福井国体はもとより、四年後、八年後のオリンピックに向けての活躍に大いに期待するものであり、市民とともにバックアップしていきたいと考えています。

 次に学校再編に向けての取組み状況についてご報告いたします。
 現在、中学校の校区ごとに、小中学校のPTA役員および幼稚園・保育園保護者代表の方々との意見交換会を毎月行っております。
 そこでは、現在の勝山中部中学校での再編を前提とする一校案と二校案に対して、保護者の立場からの率直なご意見をたくさんいただいており、貴重な参考にさせていただきたいと考えております。
 今後は、さらに市議会のご意見をより一層いただく中で、勝山市における中学校の最も望ましいあり方を見極めていきたいと存じます。
 また、平成二十年度から五か年計画で進めております国史跡白山平泉寺旧境内総合整備事業の主要施設となる、総合案内施設「白山平泉寺歴史探遊館まほろば」が十月六日にオープンいたします。
 「まほろば」は、白山国立公園に代表される平泉寺の自然や、千三百年の長きにわたる歴史及び平成元年度から実施してきた発掘調査の成果を一堂に紹介する施設であります。迫力ある映像や多種多様な出土遺物の展示などを通して、平泉寺の魅力を大いに情報発信する施設にしていきたいと考えております。
 今後、多くの人に足を運んでいただき、学習、交流や地域づくりの拠点施設として、利活用されることを期待しております。

 次に、「パシフィコ横浜」におきまして、七月二十日から八月二十七日までの三十九日間開催されました「ヨコハマ恐竜展二〇一二福井県恐竜博物館コレクション」について申し上げます。
 この期間のうち、オープンから七月二十九日までの十日間限定で、首都圏において勝山市を紹介することを目的に、同会場の飲食・物販ブースにおいて「恐竜化石発掘日本一・恐竜渓谷ふくい・かつやまフェア~まちはまるごと博物館」を開催し、この期間中、延べ二万七千七百四十七人の入館者がありました。
 七月二十日のオープンとなる開幕式典には、「勝ち山おろしそば観光特使」である中尾彬、池波志乃夫妻が出席し、勝山市をPRする挨拶のあと、夫妻が蕎麦打ち実演をする場面をテレビ局がビデオ取りし、同日放映されました。
 また俳優の大和田伸也さんも出席し、あいさつの中で初監督作品「恐竜を掘ろう」のPRをしていました。飲食コーナーでは、勝ち山おろしそば、勝山産コシヒカリの塩結び、恐竜GAOバーガー、恐竜弁当、ジェラート等の販売を行い、どれも好評を得ました。
 勝山産農産物の販売は、特にトマトは人気があり、土産物販売コーナーでは、エコミュージアム協議会に参画している団体からの出品もあって、勝山市の特産品全体の紹介が出来ました。
「恐竜化石発掘体験」と「コースター織り体験」も、期間中それぞれ九百十九名、八百八十名の体験客があり、また「スタンプラリー」には、六千六百名もの参加があり、それぞれ盛況の中で恐竜のまち勝山をPRすることができました。
 このかつやまフェアは、蕎麦連や勝山麺類組合の皆様をはじめ、団体、市民の皆様延べ四百三十三名にのぼる多くの方々の参加協力を頂く中で、綿密な計画と入念な準備が功を奏しました。行政と市民が一体となって取り組んだイベントが、今回このように成功したことは、今後の更なる展開に繋げることができる貴重な成果であり、関係各位に厚くお礼申し上げます。
 また、このイベントのデータを入念に分析し、今後の観光政策、誘客に役立てていきます。

 次に二次医療圏について申し上げます。
 二次医療圏とは法律に基づき、一般的な入院医療サービスが地域で完結できるよう地理的条件や交通事情等を考慮し、複数の市町村を一つの単位として定められるものです。福井県内には、福井坂井、奥越、丹南、嶺南地区の四医療圏があります。ところが、全国的に過疎地での医師不足などから圏域を超えて大都市で受診する傾向が高いことから、国は県に対し医療計画の中で見直しを検討するよう指針を示しました。国のガイドラインより圏域の人口が二十万人未満で入院患者の流出率が二十パーセント以上である奥越、丹南はこの見直しの対象となっています。まさに医療圏の市町村合併ですが、国や県が有効な対策を講じないままの統合はいかにも乱暴と考えます。
 また四つの地域のうち最も医師不足なのは私達が住む奥越です。千人当たり一.一人で県平均の半分です。よく医師不足と言われる嶺南地区ですが、実は福井坂井地区に次いで二番目にいいのです。これは四年前のデータですからもっと格差は開いているものと考えられます。
 もし奥越の医療圏が福井坂井と統合されるとこうした奥越の医療サービスの窮状が覆い隠され、医師不足は加速し救急・災害医療体制も脆弱なものになることは確実で、高齢化が顕著な当市において介護サービスへの影響も懸念されます。
 そこで市では四月以降、地域医療推進協議会の主課題として取り組み、二次医療圏を位置づける福井県医療保険計画において現在の枠組みを確保し、改善に向けた対策を行うよう、圏域の大野市とも連携して福井県に要望活動を行ってきています。また医療圏存続に向け医療サービスを受ける市民の役割も重要であることから、シンポジウムなども開催し周知を図り、かかりつけ医を持ち地元で受診できる医療は地元でと市民に対して強く訴えています。
 福井県においては、現時点で市の要望に一定の理解を示していますが、第六次福井県医療保険計画の審議会諮問は九月末から始まりますので、引き続き医療サービスの改善策を盛り込んだ医療圏の確保がなされるよう注目し動きを強めて取り組んでいきます。

 次に平成二十三年度普通会計決算における主な財政指標について申し上げます。
 財政構造の弾力性を判断する指標である経常収支比率については、歳出において共済組合負担金や退職手当組合負担金の負担率の引き上げによる人件費の増額や、物件費、扶助費、補助費等が増額となったことに加え、歳入において、市税や臨時財政対策債を含む普通交付税、地方特例交付金などの経常一般財源等総額が大幅に減額となったため、前年度比五.〇%アップの九十八.七%となりました。数値的には財政構造の硬直化を示すものですが、税収が乏しく普通交付税の交付を受けている全国のほとんどの自治体では、国の地方財政対策に基づく普通交付税の増減によってダイレクトに影響が及びます。今年度のように臨時財政対策債を含む普通交付税が減額になりますと、この経常収支比率は、どうしても高くなるものであり、一般財源の多くを国からの地方交付税に依存しているという、我が国の地方財政全体に及ぶ大きな課題が背景にあります。

 次に地方債残高は、前年度末より三千三百七十万五千円減少し、九十四億三千二百九十五万二千円となりました。また、そのうち臨時財政対策債を除く残高についても、前年度末より三億七千二百十二万五千円減少し、五十七億二千七百九十万一千円となっています。

 次に地方財政健全化法に基づく健全化指標について申し上げます。
 まず、勝山市の普通会計の実質赤字比率、全会計の連結実質赤字比率はいずれもマイナス三.二%、一五.七%と、マイナスの値となっており、問題はなく、また、普通会計が負担する実質的な公債費が、標準財政規模に占める割合である実質公債費比率は十.七%で、早期健全化基準の二十五%を大きく下回っています。そして、普通会計が将来負担すべき債務が、標準財政規模に占める割合である将来負担比率も七十二.六%と、基準を大きく下回り健全な数値となっています。

 次に、本定例会に提案いたしました一般会計補正予算の概要について申し上げます。
 まず、新体育館建設事業では、土地開発公社による建設用地の先行取得に着手いたします。これに伴い土地開発公社が金融機関から借り入れる借入金およびその利子に対して、一般会計が債務保証を行いますので、これを債務負担行為の追加として計上いたしております。また建設用地内の建物につきまして、来年度の造成工事開始までの移転をお願いするため、その補償費を計上しております。なお、この補償費のうち来年度執行分につきましては、これについても債務負担行為の追加として計上しています。この他、国有地の払い下げにかかる経費等を計上しており、これら新たに必要となった経費を増額し、一方で埋蔵文化財調査費については執行見込み額と当初予算の差額について減額しています。
また、地域の自主防災組織に対する、除排雪用のための小型除雪機購入補助を増額しています。その他、安全安心の取り組みといたしまして、地域の街路灯のLED化補助につきましても増額を行います。七月豪雨の農地・林道災害につきましては、災害復旧事業で整備することを始め、地域に対しましては重機の借上げに所用の補助をいたします。
 また健康福祉面では、認知症対応型デイサービスセンターの新設に対し助成する他、ポリオ予防接種の接種方法変更に伴う経費の増額を計上しています。
 恐竜によるまちなか誘客推進事業では、デザインを専攻する大学生を勝山市に招いて、土産品に使用する恐竜イラストを描く事業に取り組みます。また左義長まつりのさらなる魅力アップのために実行委員会の新規事業である、絵行燈用の川柳の全国公募事業に対し助成いたします。

 これらを含めて、本日の定例市議会に提案申し上げますのは、平成二十四年度勝山市一般会計補正予算(第二号)を初め七件であります。これら七件につきましては、後ほど関係部課長がそれぞれ提案理由を説明いたしますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。