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平成26年3月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年9月19日更新

 本日ここに、平成26年3月定例市議会が開会されるにあたり、所信の一端を申し述べますともに、提案いたしました平成26年度予算案及び平成25年度3月補正予算案の概要を申し上げます。

 国内経済は、2月の月例経済報告によりますと、景気の基調判断を、「景気は緩やかに回復している」と前月から据え置いた一方、物価の判断を前月までの「底堅く推移している。」から「緩やかに上昇している」に引き上げました。この表現は5年4か月ぶりであり、円安を背景に輸入品の物価が上昇し、消費者物価指数の上昇が続いていることから、デフレ脱却の動きを評価したもので、雇用・所得環境が改善するなか、4月の消費税増税前に個人消費が堅調さを維持していることに加え、出遅れていた製造業の設備投資が上向いてきたとして、景気回復の動きに広がりが出てきたと判断しております。
 先行きにつきましては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動、および海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクがあるものの、輸出が持ち直しに向かい、各種政策の効果が下支えするなかで、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待されるとしています。

 さて、2月22日、23日に開催されました恒例の勝山左義長まつりは、今年は雪のない祭りとなり、天候に恵まれたこともあって、2日間で約13万人の観光客でにぎわいました。青い空と、周りの雪山を背景に色鮮やかな短冊が風にきらめき、春の到来がより強く感じられる祭りになりました。
 今年2回目となる「勝山左義長まつり絵行燈用「川柳」全国公募」では、全国すべての都道府県から、773人、3,016句の応募がありました。入賞作品21作品の中から、かつやま“左義長”大使の作家椎名誠さんに選んでいただいた、埼玉県の瀧川一夫さんの川柳に椎名誠賞をお贈りしました。瀧川さんの川柳は、椎名さん直筆の絵行燈に仕上げられ、ゆめおーれ勝山前に展示して、勝山左義長まつりの新しい魅力となりました。  

 本日ここに、平成26年3月定例市議会が開会されるにあたり、所信の一端を申し述べますともに、提案いたしました平成26年度予算案及び平成25年度3月補正予算案の概要を申し上げます。

 国内経済は、2月の月例経済報告によりますと、景気の基調判断を、「景気は緩やかに回復している」と前月から据え置いた一方、物価の判断を前月までの「底堅く推移している。」から「緩やかに上昇している」に引き上げました。この表現は5年4か月ぶりであり、円安を背景に輸入品の物価が上昇し、消費者物価指数の上昇が続いていることから、デフレ脱却の動きを評価したもので、雇用・所得環境が改善するなか、4月の消費税増税前に個人消費が堅調さを維持していることに加え、出遅れていた製造業の設備投資が上向いてきたとして、景気回復の動きに広がりが出てきたと判断しております。
 先行きにつきましては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動、および海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクがあるものの、輸出が持ち直しに向かい、各種政策の効果が下支えするなかで、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待されるとしています。

 さて、2月22日、23日に開催されました恒例の勝山左義長まつりは、今年は雪のない祭りとなり、天候に恵まれたこともあって、2日間で約13万人の観光客でにぎわいました。青い空と、周りの雪山を背景に色鮮やかな短冊が風にきらめき、春の到来がより強く感じられる祭りになりました。
 今年2回目となる「勝山左義長まつり絵行燈用「川柳」全国公募」では、全国すべての都道府県から、773人、3,016句の応募がありました。入賞作品21作品の中から、かつやま“左義長”大使の作家椎名誠さんに選んでいただいた、埼玉県の瀧川一夫さんの川柳に椎名誠賞をお贈りしました。瀧川さんの川柳は、椎名さん直筆の絵行燈に仕上げられ、ゆめおーれ勝山前に展示して、勝山左義長まつりの新しい魅力となりました。  
 また、昨年に続き今年も、「勝ち山おろしそば」観光特使の中尾彬、池波志乃ご夫妻のプライベートでの来訪があり、祭りの風情と勝山の食を堪能の様子でした。昨年見ることができなかったどんど焼きに、お2人は、「真っ暗な背景に燃え上がる炎の情景がとてもすばらしい。」と感動の様子でした。今後ともテレビなどで「勝ち山おろしそば」とともに「勝山左義長まつり」のPRをしていただくことを期待しているところです。

 次に1月26日から3日間、勝山市において常陸宮賜杯第64回中部日本スキー大会が盛大に開催されました。
 晴天に恵まれた開会式には、常陸宮殿下同妃殿下のご臨席を賜り、東海北陸7県の選手団356人の参加の下、アルペン競技、クロスカントリー競技がそれぞれスキージャム勝山、芳野ヶ原特設コースにおいて実施され、選手たちは日頃練習で磨き上げた力を十分発揮することができました。
 大会の結果、福井県勢は優勝した5人がすべて勝山市の選手という活躍もあって、総合の部で準優勝に輝き、昭和54年の第29回大会での優勝に次ぐ好成績を上げました。
 また、26日の開会式で選手役員を激励された両殿下は、翌日はゆめおーれ勝山と恐竜博物館をご視察されました。今回初めてご来館されたゆめおーれ勝山では、地機を手織りしている職員に、お声掛けされるなど興味を持たれたご様子でした。
 本大会の成功にご尽力頂きました各種団体及び関係者にこの場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 次に、4年に一度の雪と氷のスポーツの祭典「第22回冬季オリンピック・ソチ大会」は、ロシア南部ソチで開催され、冬季史上最多の87カ国から約2,870名の選手が出場し、7競技98種目で熱戦が展開され、17日間にわたって私たちに多くの感動を与えてくれました。
 日本選手団は、金メダル1個を含む8個のメダルを獲得し、出場選手達が世界の舞台でスポーツの頂点を競うすばらしさ、極限への挑戦とその成果など、勇気と感動のドラマを見ることができました。
 今、勝山市にはこのように世界の競技スポーツの舞台を目指し、世界に羽ばたこうとしているアスリートたちの活躍が相次いでいます。
 バドミントン競技において勝山高校1年の山口茜選手は、昨年末の全日本総合選手権で3位入賞、スーパーシリーズプレミアム・マレーシアオープンでベスト8入りしたことから、世界バドミントン連盟女子シングルスで50位にランキング入りし、また、日本バドミントン協会からナショナルチームA代表にも選出されました。
 先般、台湾で行われたアジアユース選手権においても初優勝を成し遂げ、またひとつタイトルを獲得しました。
 さらに、山口選手は、各界で将来性が期待される新人に贈られる2013年「関西元気文化圏賞」ニューパワー賞の表彰を受けました。このようにスポーツ界だけでなくあらゆる方面からも、山口選手のさらなる飛躍が期待されています。
 また、スキークロスカントリー競技の宇田崇二選手は、1月に行われたスキー距離の全日本選手権の距離複合の部で昨年に引き続き準優勝、全日本学生選手権では、2種目制覇を果たしました。また、障害者卓球の永下尚也選手は、昨年末に開催されたマイク・デンプシー米卓球選手権(USオープン)の最も障害の軽いクラス10の団体戦で金メダルを獲得しました。
 今後とも、勝山市のアスリートたちが、日本を代表する選手としてさらに活躍するよう、市民挙げてエールを贈っていきたいと思います。

 次に、かつやま恐竜の森の総合的なリニューアル整備、およびこの整備と一体的な相関関係にある、道の駅機能を持った「仮称・恐竜の駅」について、考え方を述べます。
 県立恐竜博物館は、平成12年のオープン以来、今年で14年目を迎えますが、知事を始め、県上げての振興政策によって、年々入館者を増やし、今年度の入館者はすでに65万人を超え、70万人に達すると予測されています。さらに北陸新幹線・金沢開業を来年に控えて、県立恐竜博物館をトップとする恐竜ブランドは、金沢まで新幹線で来る観光客を、その先の福井県にまで引っ張る福井県のトップブランドとして期待されています。
 先日福井県が発表した平成26年度当初予算案では、本年夏に杉山の恐竜発掘地にオープンを予定されている野外恐竜博物館をはじめ、ダントツ日本一ブランドの「恐竜王国」に向け、県全体としても数々の恐竜関連の振興プランが打ち出されているところです。

 こうしたなか、県立恐竜博物館が立地する勝山市として、博物館を目指して年々増え続ける来館者をいかに受け入れるかということが、大きな課題となっています。
 そもそも長尾山総合公園整備事業基本計画のなかでは、県立恐竜博物館への入館者数を年間40万人と見込んだうえで、駐車場、アクセス道路、利用者への便益の提供などを整備してきたため、現在ではピークの日には、駐車場が飽和状態となり、パークアンドライドを実施しても長い渋滞の列が続き、昼食時には食事をとれるところが十分になく、お土産も満足に買えるところがない状態となっています。このため、駐車場対策として、かつやま恐竜の森に新たに350台収容の駐車場の整備を進めていますが、もはやこのような対症療法では、長期的な対応はできなくなっていると考えます。
 したがって、これから増え続けるであろう県立恐竜博物館への入館者の数を想定した上で、今後の交通対策、駐車場対策、食事やお土産対応などを総合的にどうするのか検討し、この課題に対応した新たなアクセス道路の整備や駐車場整備、および案内機能や物販食事機能を持った新たな便益施設の整備など、増え続ける恐竜博物館来館者受け入れ対策のための「仮称・かつやま恐竜の森リニューアル総合計画」を早期に策定しなければならないと考えます。

 課題となっている、道の駅機能を持った「仮称・恐竜の駅」についても、このリニューアル計画と一体的に相関させ、それぞれの目的と機能を明確化した上で、主要道路沿いに整備すべきと考えますので、市議会にも図りながら精力的に協議を進めてまいります。
 さらに、この計画については、恐竜を福井県のトップブランドとして更なる振興を図り、恐竜博物館100万人構想を打ち出して、県立恐竜博物館を運営する福井県と、公園管理を担当する勝山市の共通の課題として、両者が協力・分担して対応していくべき計画であると考えますので、福井県と十分に連携し、その中で必要な協力と支援について要望していく所存です。

 それでは次に、平成26年度当初予算の概要について申し上げます。
 安倍内閣は、長引くデフレからの早期脱却と経済再生を図るため、アベノミクスの「3本の矢」を一体政策として強力に推進してきました。その効果もあって、日本経済は着実に上向いてきています。こうした中、政府は、経済再生および財政再建と社会保障の持続性確保のため、平成26年4月1日から、消費税率を5%から8%へ15年ぶりに引き上げることを決定し、その後の持続的な経済成長につなげるため、5兆円規模の経済対策を含む新たな経済政策パッケージを併せて決定しました。
 このような政府の経済再生への戦略展開を好機と捉えて、勝山市では、このたび国が編成した補正予算による経済対策を積極的に組み込んだ3月補正予算と、消費税アップによる公共料金改定を最低限に抑え市民負担を抑制しつつ、成長戦略に基づいた施策に加えて、中期的・長期的な視点を持った市民福祉・環境・教育政策を盛り込んだ新年度予算を編成いたしました。

 次に、この勝山市新年度予算における、国の補正予算活用の概要について申し上げます。
 平成26年度当初予算に計上する予定であったものを平成25年度3月補正予算に前倒しした事業費は、一般会計では約7億5,100万円、全会計では約9億8,800万円となっています。これらの事業費を3月補正に前倒しする目的としては、早期発注による消費税引き上げリスク対策という点に加え、今回前倒しする事業費約7億5,100万円のほとんどが国庫補助金と交付税措置の厚い優良な市債で賄われ、市の持ち出しである一般財源は、当初予算に計上した場合より約3,500万円、軽減されることになります。また、市債の償還金についても、交付税措置が通常よりも手厚くなることから、市の実質負担額が約7,000万円軽減される見込みであります。
 さらに、昨年の地域の元気臨時交付金と同様、やる気のある地方自治体に支援するための「がんばる地域交付金」が設けられており、これは国の補正予算により前倒しした事業費から国庫補助金を控除した市負担分をベースに算定されるもので、これを市単独事業の財源として活用することができるというものです。現段階ではその具体的な算定方法が示されていないため当初予算では予算化してありませんが、このような国の「やる気のある、がんばる地方自治体」にはきちんと支援していくというマインドをしっかり受け止め、今後、市の政策に活かしてまいります。
 このような考え方に基づいた勝山市平成26年度当初予算は、経済再生に向けた取り組みをはじめ、市民福祉・環境・教育政策について中・長期的な視点を持って編成を行いました。
 その結果、一般会計当初予算の予算規模は、前年度比11.6%増、金額にして約13億3,800万円増額の128億4,434万2千円となりました。これに国の補正予算によって、平成25年度3月補正予算などに前倒しした公共事業費約7億5,100万円を加えた一体的な予算額は約135億9,500万円となり、過去最大であった平成9年度当初予算を大きく上回る最大規模の積極型予算となっています。
 その内容として、まず、一般会計の歳入について申し上げます。
 市税では、柱である市民税と固定資産税を合わせ、前年度比、約3,300万円の増額を見込んでいます。一方、都市計画税については、課税区域の見直しにより前年度比、約2,200万円減額となりましたが、市税全体では約29億3,800万円を見込み、前年度比、約600万円の増額となりました。
地方交付税については、国の地方財政計画における、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税総額は、国全体で22兆5,000億円と前年度比、8,000億円減額となっています。全体の枠は減額になっているものの、その中の地方交付税のウエイトが高くなり、臨時財政対策債のウエイトが下がったたこと、及び市税の伸びを微増として、普通交付税は、前年度比、8,200万円増の31億1,200万円を見込んでいます。
 また、本年4月から消費税率が5%から8%になり、そのうち1.7%分が地方消費税交付金として地方に配分されることになります。これまでは5%のうちの1%が配分されていましたので、税率改正により平成24年度に比べ、約1億1,100万円の増収となる見込です。またこの増収分の使途については、全額を社会保障の充実や安定に充てることとされております。勝山市の場合、従来、子育て支援や高齢者福祉など、社会保障費に使われる一般財源は約6億円以上で、この増収分を充てても余りある状況であり、勝山市がこれまで行ってきた社会保障費への予算配分では保育料の軽減など、国の基準以上の一般財源を投入していることを改めて確認できた結果となっています。
 この他、歳入面での特徴として、財政調整基金繰入金が約4億7,300万円と前年度比、約3億4,100万円増加している点があります。その内、約3億8,800万円については、平成25年度に交付された地域の元気臨時交付金、5億8,433万円のうち、平成26年度に繰越して建設事業の財源とするために、一旦、平成25年度末に財政調整基金へ積立し、これを平成26年度で取り崩すもので、実体は国庫支出金であります。予算上は一般財源となっておりますが、市単独で実施する建設事業の財源としております。この地域の元気臨時交付金分の繰入額とは別枠で、扶助費や繰出金の伸びにより生じた収支不足の対応として、約8,500万円を繰り入れた結果、平成26年度末、財政調整基金の残高は、約12億9,800万円となる見込みです。

 次に、一般会計の歳出について、主に新規事業等について説明申し上げます。
 はじめに、エコミュージアムの推進による市民力、地域力の向上として、わがまち助成事業の第5期目となる「わがまち魅力発酵事業」では、市民グループを対象とした一般事業の枠を拡大し、また、新規チャレンジの部を継続し、新たな若者や女性団体の参加を促して、エコミュージアムのさらなる推進を図ります。
 さらに10月には、日本エコミュージアム研究会全国大会が勝山市で開催され、全国のエコミュージアムに関係する実践団体や専門家、研究者、その他まちづくり活動を行う様々な立場の方々が集い交流を図ります。また、この全国大会にあわせて勝山市エコミュージアム15周年を記念した、フィールドワークやジオパーク推進に向けた基調講演、事例報告並びに研究発表を行います。

 次に、平成26年度は市制施行60周年の節目の年であります。これを記念する中心事業として、市民団体または企業等が自主的に企画・実施する記念事業に対し支援する市民企画事業補助金および「かつやま大使」等を招へいする市民団体等による記念事業に支援する「かつやま大使」等招へい事業補助金をあわせて750万円を計上しています。

 次にエコ環境都市実現について申し上げます。
 まず、再生可能エネルギー導入については、平成25年度に設立した勝山市雪氷熱エネルギー利用促進協議会が主体となり、雪氷熱エネルギーを活用したまちづくりや産業振興について、先進地域の最新事例も参考にしながら事業化へ向けての研究、検証等を行ないます。さらにこうした調査・研究ステップから、実践のステップとして「雪の保存と活用」に主眼を置き、雪を夏まで保存して雪氷熱エネルギー利活用に向けた検証を行い、あわせて「真夏の雪」を楽しむイベントを開催いたします。

 次に、勝山市をはじめ4県7市村にまたがる白山ユネスコエコパークは、恵まれた自然環境および生物多様性を保全し、市民、事業者と行政が一体となって環境保全活動等を実践し、市民が主体的に活動を推進しているモデル地域としての証であります。このエコパークの変更登録申請に向けて、白山ユネスコエコパーク推進協議会が主体となり、必要な調査及び検討を行なってまいります。これら新しい取り組みにくわえ、「かつやまをきれいにする運動」や「赤とんぼと共に生きるプロジェクト」など様々な環境保全事業を強力に推し進め、全国に誇れるエコ環境都市勝山のさらなる魅力アップを図ります。

 次に、子育て支援、教育環境について申し上げます。
 県内トップの保育料軽減、第3子以上乳幼児育成奨励金、子ども医療費、放課後児童対策など、出産から中学校修了までの充実した子育て支援策を継続しつつ、さらに子育て支援策、学校教育、社会教育に一貫性を持たせ、豊かな自然と歴史、文化に育まれた環境を生かすと共に、教育環境の整備充実を推進して、誰もが夢と希望を持って子どもを産み育てることができるまちを目指します。
  主な新規事業として、子育て支援では、小学校入学前、5歳児児童の発育検診を実施して、発達障害の早期発見を図ります。また、平成27年4月から民営化を予定している北保育園園舎の外壁、屋根等の改修、駐車場整備を行います。
 教育環境の整備充実では、小学校校舎整備で、前倒し分を含め、村岡小学校、鹿谷小学校、北郷小学校3校の耐震補強・大規模改造工事を行います。また、学校給食の衛生面での安全性向上を図るため、成器南小学校及び成器西小学校の給食調理室に空調設備を新設いたします。
 学校教育におけるICT環境整備では、平成25年度に引き続き、校内ネットワークを活用したわかりやすい授業を行うため、小学校にデジタル放送録画機器・大型ディスプレイ等を整備します。また、中学校に理科・数学のデジタル教科書を導入します。

 次に、平成26年度中に舞鶴若狭自動車道、敦賀―小浜間が開通し、加えて福井北インターと中部縦貫自動車道が接続して、若狭地方への時間距離が大幅に短縮することを機に、新たに小浜市と都市間交流事業を立ち上げます。観光、物産、まちづくりなど両市が連携して効果を挙げることができるものに積極的に取り組み、その一環として、子どもたちが主体となった交流事業を実施し、夏季に勝山市の子供たちが小浜市を訪れ、冬季に小浜市の子供たちを勝山市へ招く予定です。

 次に、健康長寿、文化・スポーツ振興について申し上げます。
 市民の嗜好やライフスタイルの変化、高齢化の進展など多様化する市民のニーズに応えるため、スポーツ振興と市民の健康づくりを一体的にとらえた、幅広い世代を対象としたスポーツや健康づくりの場を充実いたします。その中心事業として、長年にわたる市民からの要望を実現するため、平成30年福井国体開催を目標に、新体育館建設事業を着実に進めてまいります。
また、平成27年度からの第6期介護保険事業計画策定のため、介護保険運営審議会を中心に介護サービスに必要となる高齢者のニーズ及び地域の課題を的確に把握し、それに伴うサービス量の設定や介護保険料の検討を行います。
 主な新規事業としまして、健康チャレンジ事業では、「健康長寿のまち勝山」を目指して、家庭・地域・職場で市民が気軽に健康づくりに取り組むきっかけとなるよう健康ウォーキングチャレンジを行ないます。
 また、お出かけサロン事業では、従来の温泉センター水芭蕉での実施に加え、平成27年1月からは「健康の駅」として市民交流センター入浴施設において、お出かけサロンを行い、高齢者の運動機能向上に重点をおいた介護予防教室を開催します。

 次に、市制施行60周年記念事業では、「子どもたちが輝く演奏会」を開催いたします。音楽を学ぶ勝山市の子どもたちと、プロの演奏家が競演する演奏会を開催し、市民の芸術文化への意識向上と普及・振興を図ります。
 また、市制施行60周年を機に、「勝山市史」に記された歴史や文化を市民に分かりやすく伝えるため、「新勝山の歴史第1巻」を発刊するとともに、勝山城博物館との連携事業の第1弾として、特別展を共催し勝山市所有の文化財を勝山城博物館に展示公開して、市民の歴史文化への関心に応え、意識の向上を図ります。

 次に、循環型農業の推進、林業及び水産業の振興について申し上げます。
人が生きていく上で不可欠な「食」及び清らかな「水」を供給する基盤産業として、農林水産業の後継者育成、及び新規就業者の参画促進を進め、体験型農業の促進、農林水産物の特産品開発・販売とともに、農地・農業用施設、林道・作業道、水辺環境の整備といった生産基盤の修繕・整備を進め、次世代に引き継ぐ循環型産業としての仕組みづくりを目指します。また、増加している農林水産物等に対する鳥獣による被害をなくし、市民が安全・安心して活動していけるよう、市民と一体となった取り組みを強力に進めます。
 主な新規事業としまして、まず、奥越産の里芋の魅力を広く県内外に発信し、里芋の産地振興と消費販売を拡大促進するために、「コロちゃんまつり全国さといも交流会」の開催を支援します。また、農地中間管理機構へ農地を貸し付け、経営転換・リタイヤする農家へ経営転換協力金を交付いたします。
 国の「地域おこし協力隊」事業に新たに取り組み、三大都市圏等の若者1名を、田舎暮らし体験事業などを業務として勝山市に一定期間受け入れます。有害鳥獣対策では捕獲されたイノシシの埋設にかかる経費助成を上乗せし、各地区の経費負担軽減を図ります。
 また、東山いこいの森につきましては、新年度は市の直営施設とし、施設環境の向上のため、老朽化している施設等の調査を行うとともに一部施設を改修して、利用者にとって快適で魅力のある施設となるよう、全体計画を策定いたします。

 次に、働く場の確保、まちづくり観光の推進について申し上げます。
 ふるさと回帰を促し、持続可能なまちを実現するために、起業、異業種転換など既存産業の活性化及び新規企業の誘致を図るとともに、就業地の広域化に対応するための交通網の整備を進め、市民の働く場の確保に取り組みます。また、着地型観光の実現に向けた観光施設相互の連携、観光周遊に利便性の高いバス路線の充実、農商工連携による地域経済の活性化に着目した新たな観光誘客機能の構築などの観光振興を図ります。
 最初にジオパーク推進事業では、昨年の再認定審査における日本ジオパーク委員会からの意見等を踏まえ、かつやま恐竜の森施設内に、市内のジオサイト等へ恐竜博物館を訪れる観光客を誘客するための拠点機能を充実するとともに、全国各地のジオパーク、重要なジオサイトである県立恐竜博物館、さらにはジオパークを担う各地区のまちづくり協議会など市民との連携を進めてまいります。
 次に、その他の主な新規事業等としましては、8月の約2週間を恐竜ウィークと銘打ち、まちなかで恐竜ライブ「DINO-A-LIVE」を開催します。また恐竜ウィークの期間中にあわせて行われる市内事業者等が主体となった賑わい創出事業に対し支援し、恐竜博物館を訪れた観光客のまちなかへの誘客、観光振興による地域経済活性化を図ります。またこの夏休み期間中には、夏祭りとダイノソニックを併せて開催することで、市民も来訪者も一緒になって勝山市の魅力を満喫できる夏を演出します。
 また、勝山ニューホテルについては修繕計画に基づき、利用者が快適かつ安心して宿泊できるよう、破損が著しい外壁と屋上の改修工事などを行います。

 次に、雪などの災害に強いまちづくりの推進、交通体系の整備について申し上げます。
 少子高齢化社会に対応した安全で安心して暮らせるまちづくりを目指し、年度内の策定を目指している勝山市総合克雪・利雪・親雪計画を基に、市民、行政及び事業者が一体となって取り組みます。
 基礎的コミュニティのあり方を見直す中で、克雪に向けた地域住民による共助の体制や、ふだんからの見守り活動の体制を整え、万が一の災害時に向けた自主的な地域防災組織の強化を図ります。また、誰もが利用しやすい電車、きめ細かな生活バス路線を目指し、運行体系をさらに充実させるとともに、新たな交通システムの導入や観光振興、経済、流通活動の拡大に向けた基幹道路の整備、住む人に優しい生活道路の整備を進めます。
 主な事業としまして、防災体制の整備を推進するため、防災行政無線を5局増設し、あわせて防災情報発信機能の充実を図るため、多チャンネル化のための電波調査を行います。
 克雪に向けた取り組みとしましては、老朽化したロータリー除雪車、及び歩道用小型ロータリー除雪車を更新いたします。また市道の消雪管設置、流雪溝整備、簡易消雪等、各地区それぞれに必要な克雪体制や基盤整備を進めてまいります。
 安全確保、市民の生活環境向上の観点から、自治会等が管理する地区の公園・広場に設置されている遊具の撤去費用の助成を行います。 
 また、広域路線バス、勝山・大野線の市内区間運賃が200円を超える場合、他の生活路線バス運賃との格差を是正するため、その差額補助を新たに行います。
 かつやま恐竜の森の渋滞対策では、平成25年度予算を繰越してステゴザウルス広場北側駐車場を新設し、恐竜博物館西側駐車場を拡張するとともに、パークアンドライドの実施回数を増やし、来園者数の増加に対応します。あわせてアプローチ改善のため階段やスロープを設置し、利用者の利便性向上を図ります。

 以上申し上げましたように、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開を図って、新年度予算を編成しました。
 市民からの市政に対する要請、要望は、「いかにいいまちをつくるか」ということに集約されます。これまでの実績を基礎にして、さらにいいまちを、住んでいる人にとっていつまでも住み続けたいまち、一度離れた人にはまた戻ってきたいまち、訪れる人にとっては何度も何度も訪れたくなるまちをつくっていくことが市の責務であると考えます。この理念のもとに、私は勝山市の未来を肯定的に見て、「こうなろう」、「かくありたい」という思いを強く持ち、希望ある未来を切り開くことに全力を尽くしてまいります。

 本日の定例市議会に提案いたしますのは、平成26年度勝山市一般会計予算を含む39件であります。これら39件につきましては、後ほど関係部長からそれぞれ提案理由を申し述べます。またその細部につきましては説明書をご覧いただき、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます

 また、昨年に続き今年も、「勝ち山おろしそば」観光特使の中尾彬、池波志乃ご夫妻のプライベートでの来訪があり、祭りの風情と勝山の食を堪能の様子でした。昨年見ることができなかったどんど焼きに、お2人は、「真っ暗な背景に燃え上がる炎の情景がとてもすばらしい。」と感動の様子でした。今後ともテレビなどで「勝ち山おろしそば」とともに「勝山左義長まつり」のPRをしていただくことを期待しているところです。

 次に1月26日から3日間、勝山市において常陸宮賜杯第64回中部日本スキー大会が盛大に開催されました。
 晴天に恵まれた開会式には、常陸宮殿下同妃殿下のご臨席を賜り、東海北陸7県の選手団356人の参加の下、アルペン競技、クロスカントリー競技がそれぞれスキージャム勝山、芳野ヶ原特設コースにおいて実施され、選手たちは日頃練習で磨き上げた力を十分発揮することができました。
 大会の結果、福井県勢は優勝した5人がすべて勝山市の選手という活躍もあって、総合の部で準優勝に輝き、昭和54年の第29回大会での優勝に次ぐ好成績を上げました。
 また、26日の開会式で選手役員を激励された両殿下は、翌日はゆめおーれ勝山と恐竜博物館をご視察されました。今回初めてご来館されたゆめおーれ勝山では、地機を手織りしている職員に、お声掛けされるなど興味を持たれたご様子でした。
 本大会の成功にご尽力頂きました各種団体及び関係者にこの場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 次に、4年に一度の雪と氷のスポーツの祭典「第22回冬季オリンピック・ソチ大会」は、ロシア南部ソチで開催され、冬季史上最多の87カ国から約2,870名の選手が出場し、7競技98種目で熱戦が展開され、17日間にわたって私たちに多くの感動を与えてくれました。
 日本選手団は、金メダル1個を含む8個のメダルを獲得し、出場選手達が世界の舞台でスポーツの頂点を競うすばらしさ、極限への挑戦とその成果など、勇気と感動のドラマを見ることができました。
 今、勝山市にはこのように世界の競技スポーツの舞台を目指し、世界に羽ばたこうとしているアスリートたちの活躍が相次いでいます。
 バドミントン競技において勝山高校1年の山口茜選手は、昨年末の全日本総合選手権で3位入賞、スーパーシリーズプレミアム・マレーシアオープンでベスト8入りしたことから、世界バドミントン連盟女子シングルスで50位にランキング入りし、また、日本バドミントン協会からナショナルチームA代表にも選出されました。
 先般、台湾で行われたアジアユース選手権においても初優勝を成し遂げ、またひとつタイトルを獲得しました。
 さらに、山口選手は、各界で将来性が期待される新人に贈られる2013年「関西元気文化圏賞」ニューパワー賞の表彰を受けました。このようにスポーツ界だけでなくあらゆる方面からも、山口選手のさらなる飛躍が期待されています。
 また、スキークロスカントリー競技の宇田崇二選手は、1月に行われたスキー距離の全日本選手権の距離複合の部で昨年に引き続き準優勝、全日本学生選手権では、2種目制覇を果たしました。また、障害者卓球の永下尚也選手は、昨年末に開催されたマイク・デンプシー米卓球選手権(USオープン)の最も障害の軽いクラス10の団体戦で金メダルを獲得しました。
 今後とも、勝山市のアスリートたちが、日本を代表する選手としてさらに活躍するよう、市民挙げてエールを贈っていきたいと思います。

 次に、かつやま恐竜の森の総合的なリニューアル整備、およびこの整備と一体的な相関関係にある、道の駅機能を持った「仮称・恐竜の駅」について、考え方を述べます。
 県立恐竜博物館は、平成12年のオープン以来、今年で14年目を迎えますが、知事を始め、県上げての振興政策によって、年々入館者を増やし、今年度の入館者はすでに65万人を超え、70万人に達すると予測されています。さらに北陸新幹線・金沢開業を来年に控えて、県立恐竜博物館をトップとする恐竜ブランドは、金沢まで新幹線で来る観光客を、その先の福井県にまで引っ張る福井県のトップブランドとして期待されています。
 先日福井県が発表した平成26年度当初予算案では、本年夏に杉山の恐竜発掘地にオープンを予定されている野外恐竜博物館をはじめ、ダントツ日本一ブランドの「恐竜王国」に向け、県全体としても数々の恐竜関連の振興プランが打ち出されているところです。

 こうしたなか、県立恐竜博物館が立地する勝山市として、博物館を目指して年々増え続ける来館者をいかに受け入れるかということが、大きな課題となっています。
 そもそも長尾山総合公園整備事業基本計画のなかでは、県立恐竜博物館への入館者数を年間40万人と見込んだうえで、駐車場、アクセス道路、利用者への便益の提供などを整備してきたため、現在ではピークの日には、駐車場が飽和状態となり、パークアンドライドを実施しても長い渋滞の列が続き、昼食時には食事をとれるところが十分になく、お土産も満足に買えるところがない状態となっています。このため、駐車場対策として、かつやま恐竜の森に新たに350台収容の駐車場の整備を進めていますが、もはやこのような対症療法では、長期的な対応はできなくなっていると考えます。
 したがって、これから増え続けるであろう県立恐竜博物館への入館者の数を想定した上で、今後の交通対策、駐車場対策、食事やお土産対応などを総合的にどうするのか検討し、この課題に対応した新たなアクセス道路の整備や駐車場整備、および案内機能や物販食事機能を持った新たな便益施設の整備など、増え続ける恐竜博物館来館者受け入れ対策のための「仮称・かつやま恐竜の森リニューアル総合計画」を早期に策定しなければならないと考えます。

 課題となっている、道の駅機能を持った「仮称・恐竜の駅」についても、このリニューアル計画と一体的に相関させ、それぞれの目的と機能を明確化した上で、主要道路沿いに整備すべきと考えますので、市議会にも図りながら精力的に協議を進めてまいります。
 さらに、この計画については、恐竜を福井県のトップブランドとして更なる振興を図り、恐竜博物館100万人構想を打ち出して、県立恐竜博物館を運営する福井県と、公園管理を担当する勝山市の共通の課題として、両者が協力・分担して対応していくべき計画であると考えますので、福井県と十分に連携し、その中で必要な協力と支援について要望していく所存です。

 それでは次に、平成26年度当初予算の概要について申し上げます。
 安倍内閣は、長引くデフレからの早期脱却と経済再生を図るため、アベノミクスの「3本の矢」を一体政策として強力に推進してきました。その効果もあって、日本経済は着実に上向いてきています。こうした中、政府は、経済再生および財政再建と社会保障の持続性確保のため、平成26年4月1日から、消費税率を5%から8%へ15年ぶりに引き上げることを決定し、その後の持続的な経済成長につなげるため、5兆円規模の経済対策を含む新たな経済政策パッケージを併せて決定しました。
 このような政府の経済再生への戦略展開を好機と捉えて、勝山市では、このたび国が編成した補正予算による経済対策を積極的に組み込んだ3月補正予算と、消費税アップによる公共料金改定を最低限に抑え市民負担を抑制しつつ、成長戦略に基づいた施策に加えて、中期的・長期的な視点を持った市民福祉・環境・教育政策を盛り込んだ新年度予算を編成いたしました。

 次に、この勝山市新年度予算における、国の補正予算活用の概要について申し上げます。
 平成26年度当初予算に計上する予定であったものを平成25年度3月補正予算に前倒しした事業費は、一般会計では約7億5,100万円、全会計では約9億8,800万円となっています。これらの事業費を3月補正に前倒しする目的としては、早期発注による消費税引き上げリスク対策という点に加え、今回前倒しする事業費約7億5,100万円のほとんどが国庫補助金と交付税措置の厚い優良な市債で賄われ、市の持ち出しである一般財源は、当初予算に計上した場合より約3,500万円、軽減されることになります。また、市債の償還金についても、交付税措置が通常よりも手厚くなることから、市の実質負担額が約7,000万円軽減される見込みであります。
 さらに、昨年の地域の元気臨時交付金と同様、やる気のある地方自治体に支援するための「がんばる地域交付金」が設けられており、これは国の補正予算により前倒しした事業費から国庫補助金を控除した市負担分をベースに算定されるもので、これを市単独事業の財源として活用することができるというものです。現段階ではその具体的な算定方法が示されていないため当初予算では予算化してありませんが、このような国の「やる気のある、がんばる地方自治体」にはきちんと支援していくというマインドをしっかり受け止め、今後、市の政策に活かしてまいります。
 このような考え方に基づいた勝山市平成26年度当初予算は、経済再生に向けた取り組みをはじめ、市民福祉・環境・教育政策について中・長期的な視点を持って編成を行いました。
 その結果、一般会計当初予算の予算規模は、前年度比11.6%増、金額にして約13億3,800万円増額の128億4,434万2千円となりました。これに国の補正予算によって、平成25年度3月補正予算などに前倒しした公共事業費約7億5,100万円を加えた一体的な予算額は約135億9,500万円となり、過去最大であった平成9年度当初予算を大きく上回る最大規模の積極型予算となっています。
 その内容として、まず、一般会計の歳入について申し上げます。
 市税では、柱である市民税と固定資産税を合わせ、前年度比、約3,300万円の増額を見込んでいます。一方、都市計画税については、課税区域の見直しにより前年度比、約2,200万円減額となりましたが、市税全体では約29億3,800万円を見込み、前年度比、約600万円の増額となりました。
地方交付税については、国の地方財政計画における、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税総額は、国全体で22兆5,000億円と前年度比、8,000億円減額となっています。全体の枠は減額になっているものの、その中の地方交付税のウエイトが高くなり、臨時財政対策債のウエイトが下がったたこと、及び市税の伸びを微増として、普通交付税は、前年度比、8,200万円増の31億1,200万円を見込んでいます。
 また、本年4月から消費税率が5%から8%になり、そのうち1.7%分が地方消費税交付金として地方に配分されることになります。これまでは5%のうちの1%が配分されていましたので、税率改正により平成24年度に比べ、約1億1,100万円の増収となる見込です。またこの増収分の使途については、全額を社会保障の充実や安定に充てることとされております。勝山市の場合、従来、子育て支援や高齢者福祉など、社会保障費に使われる一般財源は約6億円以上で、この増収分を充てても余りある状況であり、勝山市がこれまで行ってきた社会保障費への予算配分では保育料の軽減など、国の基準以上の一般財源を投入していることを改めて確認できた結果となっています。
 この他、歳入面での特徴として、財政調整基金繰入金が約4億7,300万円と前年度比、約3億4,100万円増加している点があります。その内、約3億8,800万円については、平成25年度に交付された地域の元気臨時交付金、5億8,433万円のうち、平成26年度に繰越して建設事業の財源とするために、一旦、平成25年度末に財政調整基金へ積立し、これを平成26年度で取り崩すもので、実体は国庫支出金であります。予算上は一般財源となっておりますが、市単独で実施する建設事業の財源としております。この地域の元気臨時交付金分の繰入額とは別枠で、扶助費や繰出金の伸びにより生じた収支不足の対応として、約8,500万円を繰り入れた結果、平成26年度末、財政調整基金の残高は、約12億9,800万円となる見込みです。

 次に、一般会計の歳出について、主に新規事業等について説明申し上げます。
 はじめに、エコミュージアムの推進による市民力、地域力の向上として、わがまち助成事業の第5期目となる「わがまち魅力発酵事業」では、市民グループを対象とした一般事業の枠を拡大し、また、新規チャレンジの部を継続し、新たな若者や女性団体の参加を促して、エコミュージアムのさらなる推進を図ります。
 さらに10月には、日本エコミュージアム研究会全国大会が勝山市で開催され、全国のエコミュージアムに関係する実践団体や専門家、研究者、その他まちづくり活動を行う様々な立場の方々が集い交流を図ります。また、この全国大会にあわせて勝山市エコミュージアム15周年を記念した、フィールドワークやジオパーク推進に向けた基調講演、事例報告並びに研究発表を行います。

 次に、平成26年度は市制施行60周年の節目の年であります。これを記念する中心事業として、市民団体または企業等が自主的に企画・実施する記念事業に対し支援する市民企画事業補助金および「かつやま大使」等を招へいする市民団体等による記念事業に支援する「かつやま大使」等招へい事業補助金をあわせて750万円を計上しています。

 次にエコ環境都市実現について申し上げます。
 まず、再生可能エネルギー導入については、平成25年度に設立した勝山市雪氷熱エネルギー利用促進協議会が主体となり、雪氷熱エネルギーを活用したまちづくりや産業振興について、先進地域の最新事例も参考にしながら事業化へ向けての研究、検証等を行ないます。さらにこうした調査・研究ステップから、実践のステップとして「雪の保存と活用」に主眼を置き、雪を夏まで保存して雪氷熱エネルギー利活用に向けた検証を行い、あわせて「真夏の雪」を楽しむイベントを開催いたします。

 次に、勝山市をはじめ4県7市村にまたがる白山ユネスコエコパークは、恵まれた自然環境および生物多様性を保全し、市民、事業者と行政が一体となって環境保全活動等を実践し、市民が主体的に活動を推進しているモデル地域としての証であります。このエコパークの変更登録申請に向けて、白山ユネスコエコパーク推進協議会が主体となり、必要な調査及び検討を行なってまいります。これら新しい取り組みにくわえ、「かつやまをきれいにする運動」や「赤とんぼと共に生きるプロジェクト」など様々な環境保全事業を強力に推し進め、全国に誇れるエコ環境都市勝山のさらなる魅力アップを図ります。

 次に、子育て支援、教育環境について申し上げます。
 県内トップの保育料軽減、第3子以上乳幼児育成奨励金、子ども医療費、放課後児童対策など、出産から中学校修了までの充実した子育て支援策を継続しつつ、さらに子育て支援策、学校教育、社会教育に一貫性を持たせ、豊かな自然と歴史、文化に育まれた環境を生かすと共に、教育環境の整備充実を推進して、誰もが夢と希望を持って子どもを産み育てることができるまちを目指します。
  主な新規事業として、子育て支援では、小学校入学前、5歳児児童の発育検診を実施して、発達障害の早期発見を図ります。また、平成27年4月から民営化を予定している北保育園園舎の外壁、屋根等の改修、駐車場整備を行います。
 教育環境の整備充実では、小学校校舎整備で、前倒し分を含め、村岡小学校、鹿谷小学校、北郷小学校3校の耐震補強・大規模改造工事を行います。また、学校給食の衛生面での安全性向上を図るため、成器南小学校及び成器西小学校の給食調理室に空調設備を新設いたします。
 学校教育におけるICT環境整備では、平成25年度に引き続き、校内ネットワークを活用したわかりやすい授業を行うため、小学校にデジタル放送録画機器・大型ディスプレイ等を整備します。また、中学校に理科・数学のデジタル教科書を導入します。

 次に、平成26年度中に舞鶴若狭自動車道、敦賀―小浜間が開通し、加えて福井北インターと中部縦貫自動車道が接続して、若狭地方への時間距離が大幅に短縮することを機に、新たに小浜市と都市間交流事業を立ち上げます。観光、物産、まちづくりなど両市が連携して効果を挙げることができるものに積極的に取り組み、その一環として、子どもたちが主体となった交流事業を実施し、夏季に勝山市の子供たちが小浜市を訪れ、冬季に小浜市の子供たちを勝山市へ招く予定です。

 次に、健康長寿、文化・スポーツ振興について申し上げます。
 市民の嗜好やライフスタイルの変化、高齢化の進展など多様化する市民のニーズに応えるため、スポーツ振興と市民の健康づくりを一体的にとらえた、幅広い世代を対象としたスポーツや健康づくりの場を充実いたします。その中心事業として、長年にわたる市民からの要望を実現するため、平成30年福井国体開催を目標に、新体育館建設事業を着実に進めてまいります。
また、平成27年度からの第6期介護保険事業計画策定のため、介護保険運営審議会を中心に介護サービスに必要となる高齢者のニーズ及び地域の課題を的確に把握し、それに伴うサービス量の設定や介護保険料の検討を行います。
 主な新規事業としまして、健康チャレンジ事業では、「健康長寿のまち勝山」を目指して、家庭・地域・職場で市民が気軽に健康づくりに取り組むきっかけとなるよう健康ウォーキングチャレンジを行ないます。
 また、お出かけサロン事業では、従来の温泉センター水芭蕉での実施に加え、平成27年1月からは「健康の駅」として市民交流センター入浴施設において、お出かけサロンを行い、高齢者の運動機能向上に重点をおいた介護予防教室を開催します。

 次に、市制施行60周年記念事業では、「子どもたちが輝く演奏会」を開催いたします。音楽を学ぶ勝山市の子どもたちと、プロの演奏家が競演する演奏会を開催し、市民の芸術文化への意識向上と普及・振興を図ります。
 また、市制施行60周年を機に、「勝山市史」に記された歴史や文化を市民に分かりやすく伝えるため、「新勝山の歴史第1巻」を発刊するとともに、勝山城博物館との連携事業の第1弾として、特別展を共催し勝山市所有の文化財を勝山城博物館に展示公開して、市民の歴史文化への関心に応え、意識の向上を図ります。

 次に、循環型農業の推進、林業及び水産業の振興について申し上げます。
人が生きていく上で不可欠な「食」及び清らかな「水」を供給する基盤産業として、農林水産業の後継者育成、及び新規就業者の参画促進を進め、体験型農業の促進、農林水産物の特産品開発・販売とともに、農地・農業用施設、林道・作業道、水辺環境の整備といった生産基盤の修繕・整備を進め、次世代に引き継ぐ循環型産業としての仕組みづくりを目指します。また、増加している農林水産物等に対する鳥獣による被害をなくし、市民が安全・安心して活動していけるよう、市民と一体となった取り組みを強力に進めます。
 主な新規事業としまして、まず、奥越産の里芋の魅力を広く県内外に発信し、里芋の産地振興と消費販売を拡大促進するために、「コロちゃんまつり全国さといも交流会」の開催を支援します。また、農地中間管理機構へ農地を貸し付け、経営転換・リタイヤする農家へ経営転換協力金を交付いたします。
 国の「地域おこし協力隊」事業に新たに取り組み、三大都市圏等の若者1名を、田舎暮らし体験事業などを業務として勝山市に一定期間受け入れます。有害鳥獣対策では捕獲されたイノシシの埋設にかかる経費助成を上乗せし、各地区の経費負担軽減を図ります。
 また、東山いこいの森につきましては、新年度は市の直営施設とし、施設環境の向上のため、老朽化している施設等の調査を行うとともに一部施設を改修して、利用者にとって快適で魅力のある施設となるよう、全体計画を策定いたします。

 次に、働く場の確保、まちづくり観光の推進について申し上げます。
 ふるさと回帰を促し、持続可能なまちを実現するために、起業、異業種転換など既存産業の活性化及び新規企業の誘致を図るとともに、就業地の広域化に対応するための交通網の整備を進め、市民の働く場の確保に取り組みます。また、着地型観光の実現に向けた観光施設相互の連携、観光周遊に利便性の高いバス路線の充実、農商工連携による地域経済の活性化に着目した新たな観光誘客機能の構築などの観光振興を図ります。
 最初にジオパーク推進事業では、昨年の再認定審査における日本ジオパーク委員会からの意見等を踏まえ、かつやま恐竜の森施設内に、市内のジオサイト等へ恐竜博物館を訪れる観光客を誘客するための拠点機能を充実するとともに、全国各地のジオパーク、重要なジオサイトである県立恐竜博物館、さらにはジオパークを担う各地区のまちづくり協議会など市民との連携を進めてまいります。
 次に、その他の主な新規事業等としましては、8月の約2週間を恐竜ウィークと銘打ち、まちなかで恐竜ライブ「DINO-A-LIVE」を開催します。また恐竜ウィークの期間中にあわせて行われる市内事業者等が主体となった賑わい創出事業に対し支援し、恐竜博物館を訪れた観光客のまちなかへの誘客、観光振興による地域経済活性化を図ります。またこの夏休み期間中には、夏祭りとダイノソニックを併せて開催することで、市民も来訪者も一緒になって勝山市の魅力を満喫できる夏を演出します。
 また、勝山ニューホテルについては修繕計画に基づき、利用者が快適かつ安心して宿泊できるよう、破損が著しい外壁と屋上の改修工事などを行います。

 次に、雪などの災害に強いまちづくりの推進、交通体系の整備について申し上げます。
 少子高齢化社会に対応した安全で安心して暮らせるまちづくりを目指し、年度内の策定を目指している勝山市総合克雪・利雪・親雪計画を基に、市民、行政及び事業者が一体となって取り組みます。
 基礎的コミュニティのあり方を見直す中で、克雪に向けた地域住民による共助の体制や、ふだんからの見守り活動の体制を整え、万が一の災害時に向けた自主的な地域防災組織の強化を図ります。また、誰もが利用しやすい電車、きめ細かな生活バス路線を目指し、運行体系をさらに充実させるとともに、新たな交通システムの導入や観光振興、経済、流通活動の拡大に向けた基幹道路の整備、住む人に優しい生活道路の整備を進めます。
 主な事業としまして、防災体制の整備を推進するため、防災行政無線を5局増設し、あわせて防災情報発信機能の充実を図るため、多チャンネル化のための電波調査を行います。
 克雪に向けた取り組みとしましては、老朽化したロータリー除雪車、及び歩道用小型ロータリー除雪車を更新いたします。また市道の消雪管設置、流雪溝整備、簡易消雪等、各地区それぞれに必要な克雪体制や基盤整備を進めてまいります。
 安全確保、市民の生活環境向上の観点から、自治会等が管理する地区の公園・広場に設置されている遊具の撤去費用の助成を行います。 
 また、広域路線バス、勝山・大野線の市内区間運賃が200円を超える場合、他の生活路線バス運賃との格差を是正するため、その差額補助を新たに行います。
 かつやま恐竜の森の渋滞対策では、平成25年度予算を繰越してステゴザウルス広場北側駐車場を新設し、恐竜博物館西側駐車場を拡張するとともに、パークアンドライドの実施回数を増やし、来園者数の増加に対応します。あわせてアプローチ改善のため階段やスロープを設置し、利用者の利便性向上を図ります。

 以上申し上げましたように、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開を図って、新年度予算を編成しました。
 市民からの市政に対する要請、要望は、「いかにいいまちをつくるか」ということに集約されます。これまでの実績を基礎にして、さらにいいまちを、住んでいる人にとっていつまでも住み続けたいまち、一度離れた人にはまた戻ってきたいまち、訪れる人にとっては何度も何度も訪れたくなるまちをつくっていくことが市の責務であると考えます。この理念のもとに、私は勝山市の未来を肯定的に見て、「こうなろう」、「かくありたい」という思いを強く持ち、希望ある未来を切り開くことに全力を尽くしてまいります。

 本日の定例市議会に提案いたしますのは、平成26年度勝山市一般会計予算を含む39件であります。これら39件につきましては、後ほど関係部長からそれぞれ提案理由を申し述べます。またその細部につきましては説明書をご覧いただき、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願い申し上げます