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平成29年3月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年11月9日更新

本日ここに、平成29年3月定例市議会の開会にあたりまして、所信の一端を申し述べますともに、提案いたしました平成29年度当初予算案及び平成28年度3月補正予算案の概要を申し上げます。

昨年度の我が国経済は、政府の発表によりますとアベノミクスの取組みの下、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調で推移いたしました。

また、政府は昨年12月に示した「平成29年度の経済財政運営の基本的態度」の中で、「経済再生なくして財政健全化なし」を基本に、一億総活躍社会の着実な実現に向けたアベノミクス「新・三本の矢」に沿った、あらゆる施策を総動員することで、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が進展する中で、民需を中心とした景気対策が見込まれるとし、平成29年度の実質成長率は1.5%程度、名目GDP成長率は2.5%程度、消費者物価指数は1.1%程度の上昇を見込んでいるとしています。

最初に、勝山市における第五次勝山市総合計画の改定について申し上げます。市政運営の指針として平成23年3月に第五次勝山市総合計画を策定し、「小さくてもキラリと光る誇りと活力に満ちたふるさと勝山」をめざしてまちづくりを進めてまいりました。

この計画は策定から5年が経過し、この間に、わが国全体で人口減少・少子高齢化の進展や東日本大震災の発生等に伴って国の施策が見直されており、また、スマートフォンの普及や外国人観光客の増加など、勝山市を取り巻く社会経済情勢は少なからず変化をいたしました。

特に、地方を中心とした人口減少問題が、わが国全体の課題として再認識され、地方における「まち・ひと・しごと」づくりが、地方創生の掛け声のもとに、国を挙げて推進されているところであります。

一方、勝山市においても、エコミュージアムからジオパークへと、まちづくりの理念が発展しており、エコミュージアムで培った市民による活動や経験を活かしながら、すべての市民が生き生きと活躍できるまちづくりを進めています。

こうしたことから、今回、第五次勝山市総合計画を改定して、平成32年度までに取り組むべき重点課題を見直し、これまで市民力と地域力の向上を二本柱としていた基本政策に「人口減少問題への対応」を加え、若い世代の雇用創出と就労支援、結婚、子育て、教育を支援する生活基盤の整備、元気な高齢者や交流人口の増加による域内需要の維持に力を注ぐことに重点を配分しました。

さらに、目指すべきまちの姿として、引き続き「小さくてもキラリと光る 誇りと活力に満ちたふるさと勝山」を掲げる一方、「『まちまるごとジオパーク』の魅力を活かした『ワクワクする ときめきに満ちたまち勝山』」をもうひとつの目指すべきまちの姿に掲げて、定住・移住の促進に努めてまいります。

次に勝山左義長まつりについて申し上げます。

今年の左義長まつりは、先の25日と26日の両日にわたって開催され、昨年より1万人多い11万人の観光客で大変賑わいました。

中でも、まつりの初日には、稲田防衛大臣をはじめ、藤田副知事、近隣自治体から多くの首長方もお見えになり、なお一層華やかな左義長まつりとなりました。

また、祭りに先立って、24日夜には市民会館において「勝山左義長文化シンポジウム」も開催され約400人のご来場者がありました。5人のパネラーによるシンポジウムのほかに、奄美の歌姫“川畑さおり”さんの奄美島唄のステージ披露もあり、とても充実したひとときとなりました。

次に、旧料亭花月楼について申し上げます。

旧料亭花月楼は、昨年設立された勝山市観光まちづくり株式会社が取得し、ゴールデンウィークごろのオープンを目指して現在改修工事を進めております。

また改修工事と並行いたしまして、花月楼の正式な名称やお食事メニュー、ホームページなども現在最終の詰めを行っているとのことですので、間もなく示されるものと思います。

これまで、まちなかでの昼食場所不足が課題となっておりましたが、今後は県立恐竜博物館や白山平泉寺などへ訪れた観光客へのまちなかでのおもてなしの強化につながるものとして大変期待をいたしております。

次に、白山平泉寺開山1300年記念事業について申し上げます。

今年は、越前の僧、泰澄大師によって717年に白山平泉寺が開かれてから、1300年の記念すべき年にあたります。

地元平泉寺区をはじめとして昨年組織いたしました記念事業実行委員会が、7月18日の平泉寺白山神社夏季例大祭に合わせ、7月15日から17日までの間、食のイベントを実施する中、神社境内では浦安の舞や平家琵琶の演奏、クラシックのカルテットなどの音楽演奏会も開催するなど、観光客へのおもてなしを行ってまいります。

また、神社の協力もいただき、7月15日から8月21日まで宝物館を特別に公開するほか、境内のライトアップ、プロジェクションマッピングなども実施する予定であります。

さらには、まほろばにおいて年間を通して1300年記念連続講演会や企画展を開催し、1300年記念事業による白山平泉寺の魅力を一層高めていきたいと考えています。

次に、勝山市の観光動態について申し上げます。

平成28年1月から12月までの勝山市への観光客入込総数は、前年に比べ3万人以上少ない約199万5千人となる見込みです。

 福井県立恐竜博物館がある長尾山総合公園は、昨年より微増となりましたが、暖冬によるスキー客の減少が大きく響き、越前大仏及び勝山城博物館周辺、左義長まつり等のイベント行事入込客の減少が、主な要因であります。

 今後は、天候にも左右されますが、この春には旧料亭花月楼がオープンし、さらには長尾山総合公園内でのジオターミナルも11月頃には完成となることから、昨年を上回る入込数を期待しております。

 次に、道の駅について申し上げます。

 勝山市道の駅「恐竜渓谷ジオパーク(仮称)」につきましては、昨年10月にその基本計画を策定、公表しておりますが、10月以降、計画地の用地境界確定作業を行う用地測量、関係地権者への説明会、現地立会、あるいは、活用できる補助金の検討などを行ってまいりました。

 今議会でも上程しておりますが、平成29年度には、道路管理者である福井県と連携し、基本計画に基づき、トイレ、休憩所、地域振興施設などの建物基本設計や建物、敷地整備の実施設計を行い、合わせて、地権者の皆様のご理解を得て、用地の買収などを行いたいと考えております。

 また、管理運営面につきましても、平成29年度には、管理運営方針を定め、運営者の選定を行い、地域振興施設などの建物の実施設計の中で、その意向などが反映できるようにしてまいりたいと考えております。

 勝山市固有の豊富な資源や自然環境によって育まれた豊富な食材を活かし、観光の産業化を担って地域の活性化を実現させる三つの基本方針、「勝山市に人を呼び込む」、「出会いそして交流する」、「市内外周遊とリピートを促す」に基づき平成32年度オープンを目標に取り組んでいきたいと考えております。

 次に、教育分野におきましては、昨年示されました政府関係機関の地方移転方針に基づき、今年度から国の教育研究センターの「小学校における外国語教育指導者養成研修」が福井県で行われることとなり、去る2月22日から三日間 福井市の会場で開催されました。

 その初日には、全国の教育関係者約2百名が先進的に英語教育を進めている勝山市を訪れ、市内の六小学校における公開授業の視察と研究協議が行われたところです。

 参加された方々からは大変高い評価をいただき、平成29年度も文科省指定の英語教育強化地域として全国に誇れる英語教育にしっかり取り組んでいきたいと考えております。

 次に、行財政改革の一環として、公民館の職員体制見直しについては、これまで各地区との話し合いを重ね、また市議会からも多くの意見を頂いてまいりました。

 そうしたご意見を踏まえ、平成29年度から公民館主事の嘱託化を図っていくこととし、平成32年度までに順次、各公民館2名の嘱託主事の配置を進めていく予定であります。

 今後、嘱託主事が、各種研修等により専門性を高めながら地域の活性化に大いに貢献できる人材として活躍するよう、その育成に努めていきたいと考えております。

 次に、旧木下家住宅修理工事については、昨年11月に仮設・分解工事が終了し、12月から引き続いて組立工事に入っております。

 この組立工事は、約1億4千5百万円の費用をかけ、骨組を持ち上げての礎石などの据直しや、傷んだ部材の修理と組み立て、さらには土壁の塗替えや建具補修を行い、最後に屋根の茅(かや)葺きを行う内容となっています。

 特に、この3月には、基礎工事を行うに当たって、建物全体を持ち上げる揚(あ)げ屋と呼ばれる作業が行われ、今後、組み立て工事を本格化していくこととしています。

 次に、スポーツにおいては、第95回全日本スキー選手権において勝山市出身の宇田崇二(たかつぐ)選手がスキーアスロンで優勝し、兄の宇田峻也(しゅんや)選手も72人中16位と健闘しました。また弟の彬人(あきひと)選手は、2月8日に行われました ユニバーシアード冬季大会のクラシカル30kmで7位と健闘しました。

 また、2月の16・17日の両日に長野県で開催された、第72回国民体育大会冬季大会のクロスカントリー競技においては、宇田崇二(たかつぐ)選手が優勝、峻也(しゅんや)選手が2位となり、彬人(あきひと)選手と女子の谷口小百合選手、石井翔子選手が個人種目でも入賞を果たすなどめざましい成績を収め、17日に開催されたリレー競技においては、男子は長谷川晶俊(まさとし)選手と女子では黒田夏美選手、山内美佳選手を加えた男子4名、女子4名の、オール勝山で構成したリレーチームが、男子は4位、女子は8位に入賞し、来年の福井元気国体に向け弾みを付けました。

 一方、バドミントンにおいては、日本のトップリーグのSJリーグにおいて、山口茜選手の所属する再春館製薬所が優勝し、松川直弘選手が所属する日立情報エンジニアリングが3位となり、両選手ともチームの主力として活躍し、この両名も国体での活躍が期待されております。

 福井しあわせ元気国体・大会の国体開催まで残すところ1年と6ヶ月となり、今年は、県内各地で国体に向けたプレ大会が開催され、勝山市では、クレー射撃競技とバドミントン競技のプレ大会が開催されます。

 クレー射撃競技は、6月17・18日の両日で行われ、平成29年度第三次福井公式大会をプレ大会として実施いたします。

 また、バドミントン競技は、11月17日から19日の三日間でバドミントン日本リーグ2017をプレ大会として実施いたします。

 両大会とも、国体に向けたリハーサル大会として大会関係者はもとより、多くの市民に観戦して頂き、国体に向けた機運の醸成に繋がる大会となるよう準備を進めて参ります。

 次に、平成29年度当初予算の編成方針と施策について、及び平成28年度3月補正予算の概要について申し上げます。

 まず、国の地方財政対策では、地方税が増収となり、一般財源総額では過去最高の62.1兆円を確保するとしております。一億総活躍社会関連施策や、まち、ひと、しごと創生関連事業に引き続き取り組んだうえで、公共施設等の集約化、老朽化対策等を推進するとともに、新たに長寿命化対策費等を追加拡充するとしております。また緊急防災・減災事業についても拡充、延長される内容が盛り込まれています。

 このような中、当市の平成29年度の予算編成にあたっては、人口減少問題の克服と、地方創生の実現に向けた「勝山市地方創生総合戦略」を強く反映させた平成32年度を目標年次とする第五次勝山市総合計画(改定版)の目標達成に向け、また、そのスタートの年として、各種施策を着実に推進していくことを基本といたしました。

 特に平成29年度当初予算では、U・Iターン施策に重点を置き、「選ばれるふるさと勝山」を目指すこととしました。

 具体的には、まず平成29年度当初に組織を改編し、商工観光部内にU・Iターン施策を強力に進めるための「ふるさと創生・移住課」を新設いたします。

 この部署には、勝山市やその移住支援策を知っていただくために、新たな移住者の相談に応えるコンシェルジュや、移住促進等市の重要施策について助言・情報提供いただくアドバイザーを設けるほか、これまでの移住体験施設に加えて勝山暮らし体験ツアーを企画するなど、U・Iターン者が考えている勝山市での生活でのミスマッチがないように、きめ細かなお手伝いをします。

 また、移住者の方に対する新たな取り組みとして、中部縦貫自動車道永平寺大野道路の開通により通勤可能範囲が拡大することから、新規移住者に通勤支援給付金を新設するほか、市職員採用におけるU・Iターン枠や医療・介護人材に対する就職奨励金を設けるなど、移住者の「働く」ことを応援します。さらに、賃貸住宅の家賃補助を復活するほか、新たに引っ越し費用の一部を応援するなど、「住まい」に関しても支援を拡充します。

 このほか、結婚に向けた市内外の男女の交流機会の拡大などを進めるとともに、子ども医療費助成事業を拡充するなど、現在、勝山市に住んでいる方が引き続き住み続けていきたい意欲が持てる定住促進策にも取り組んでまいります。

 勝山市におけるU・Iターン支援、定住支援は、第五次勝山市総合計画の改定版でも新たな基本政策に位置づけており、これで終わることなく、引き続き発展・拡充させてまいります。

 このような考え方に基づいた勝山市平成29年度一般会計当初予算は、前年度比1.1%増、金額にして約1億2千7百万円増額の約121億6千3百万円となりました。

 まず、一般会計の歳入について申し上げます。
 市税において、個人市民税はほぼ前年同額の見込みですが、大手企業などに景気回復の兆しが見受けられるため法人市民税を増額と見込み、また設備投資増加に伴う固定資産税の償却資産分が増額となる見込みであるため、市税全体で前年度比約5千6百万円増額の約28億6千2百万円を見込んでおります。

 地方交付税については、国の地方財政計画における地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な総額は、国全体で20兆3千億円と前年度比2千億円の減額となりました。当市における普通交付税は、地方消費税交付金の大幅な減額により、基準財政収入額が減額したことに加え、高齢者人口の増加、臨時財政対策債など償還額の増額などにより基準財政需要額が増額となり、前年度比約9千万円増額の約32億3千5百万円を見込んでおります。

 なお、普通交付税の振替として発行する臨時財政対策債についても、前年度比約1千2百万円増額の約3億9千万円を見込んでおります。

 以上、これらを含めた主な一般財源の合計は、前年度に比べ約1億5百万円増額の約77億9千9百万円となっております。

 財政調整基金繰入金は、企業振興助成金、道の駅建設事業、DMOを推進するための観光の産業化関連事業の増額により生じた財源不足の対応として、約3億7千3百万円を見込んでおり、この結果、平成29年度末の財政調整基金の残高は、約9億1千6百万円となる見込みであります。

 このように、歳入面では厳しい状況にありますが、行財政改革を着実に進め、施策の選択と集中を図りながら、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開により、将来世代が希望と誇りを持って住み続けることができる勝山市を構築してまいります。

 次に、一般会計の歳出について、主要な施策ごとに説明を申し上げます。

 最初に、先ほど述べましたU・Iターン施策を強力に推し進めるための対策としては、新たに12の事業に取り組む他、既存の五つの事業においても移住者への支援を追加・拡大いたしております。

 次に、適正な固定資産税の賦課を行うため、平成6年に撮影した勝山市全体の航空写真を23年ぶりに更新し、3か年掛けて課税用の土地地目図、家屋所在図を整備・電子データ化いたします。

 ふるさと納税では、返礼品の品数を増やし積極的なPRに努めるほか、「勝山市まちなか誘客プロジェクト事業」にかかる「企業版ふるさと納税」についても、勝山市に縁のある企業へのPRを努めます。

 次に防災対策の整備・充実については、主な事業といたしまして、防災体制の整備を推進するため防災行政無線の子局(こきょく)を3局増設し、そのうち2局については、電波が到達していなかった北谷地区、平泉寺地区の再送信子局(こきょく)と併せて整備いたします。6月に実施予定の勝山市総合防災訓練では、勝山市体育館「ジオアリーナ」を主会場として、防災拠点機能を活かした訓練を実施いたします。

 また、水害時における市役所庁舎等の電源の安定的な確保を図るため、市民会館及び市役所の受電設備の更新を行います。これは災害発生時の同時停電、地下浸水のリスクを回避するため、受電施設の地上化及び単独化に向けての改修工事となります。

 次に、乳幼児から高齢者まで、全ての市民が自分自身の健康を意識し、健康づくり活動に取り組むことにより、福祉や健康長寿のまち、子育て支援日本一の実現、安全安心に暮らせるまちを目指します。

 子ども医療費助成については、これまで未就学児まで自己負担を無料としていましたが、小学一年生から中学三年生までについても自己負担を無くすことで医療費を完全無料化いたします。また保育料についても市民税非課税世帯について、第2子の保育料を無料とするなど、子育て世帯の経済的支援を拡充してまいります。産後に対する支援としては、福井勝山総合病院で新たに産婦健診を開始いたします。

 北郷児童センター及び南児童センターは、小学生及び保護者が安全で安心して利用できるような環境を提供するため、各小学校の施設内に移転し、年内に利用できるようにいたします。

 健康長寿の取り組みといたしましては、高齢化が進む中、「健康長寿のまち勝山」を目指して、医療費低減と寝たきり防止に取り組む一環として、健康チャレンジ事業、お出かけサロン事業、健康カラオケ体操を活用したアンチエイジング講座等を継続実施し、40、50、60、75歳の節目年齢を対象に医療機関での無料歯科健診を新たに実施をいたします。

 平成29年度は、平成30年度からの第七期介護保険事業計画策定の年となり、介護保険運営審議会を中心に高齢者のニーズおよび地域の課題を的確に把握し、それに伴うサービス量の設定や介護保険料の検討を行います。

 次に、循環型農業の推進、林業および水産業の振興について申し上げます。

 農林水産業の後継者育成および新規就業者の参画促進を進め、体験型農業の促進、農林水産物の特産品開発・販売とともに、農地・農業用施設、林道・作業道、水辺環境の親水化など生産基盤の修繕・整備を進め、次世代に引き継ぐ循環型としての仕組みづくりを目指します。

 新規事業としては、市外から移住し、市内で営農する認定新規就農者が、市内の民間賃貸住宅に居住する場合に家賃の一部を助成することで、新規就農者を支援いたします。

 また増加している農林水産物に対する鳥獣被害対策として、地元が管理しているイノシシ檻の維持管理や餌の補充、見回り等の経費の一部を新たに助成し、管理に伴う地区の負担の軽減を図ります。

 内水面漁業の振興においては、勝山市道の駅「恐竜渓谷ジオパーク(仮称)」の開業を見据え、鮎の放流量を増やすことで、釣り客を含めた誘客増加と九頭竜川鮎のブランド化を図ります。

 商工業の振興及び観光の取り組みにおいては、引き続き企業振興助成金による事業者の支援を行うほか、中小企業診断士の指導による、各施設のサービス内容のデータ化・情報発信、市場調査などを行い、小規模事業者への指導、改修店舗のフォローアップや、平成二十九年度中にオープンする花月楼、恐竜博物館前のジオターミナル、その後予定されている「道の駅」など新たな物販施設での勝山産品を利用したお土産物開発等への補助を新たに行い、観光産業の創出や市内事業者の事業意欲の喚起を図ります。

 さらに、勝山市観光まちづくり株式会社が市の観光事業を今後一元的に担っていくための補助及び委託を行うほか、まちなかを巡るツアーの構築、地域おこし協力隊による観光面での活動支援について取組みます。

 また、今年度ガバメントクラウドファンディングを活用することにより、市内外からホワイトザウルスの修復に8百30万円余りの寄付をいただきました。この資金を活用し平成29年中にホワイトザウルスを復元いたします。

 次に、ジオパークについて申し上げます。一昨年よりエコミュージアムで培ったまちづくりの成果をジオパークの推進力として生かし、エコミュージアムを継承したジオパークによるまちづくりに取り組んでおりますが、新年度はさらにこの取組を発展させるため、現在の助成事業である「わがまち魅力発酵事業」を新たに「わがまち魅力発散事業」にステップアップして、これまで以上にジオパークの取り組みを推進いたします。

 また、市民団体や市内事業所に「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」のロゴマークを使用した看板や印刷物等を製作する費用に対し、新規に助成を行うこととしました。これにより官民が一体となってジオパークの情報を発信し、勝山市の魅力を広くPRいたします。

 次に、効率的で人にやさしい都市基盤の実現や、交通体系の確立、環境や景観に配慮した快適で雪に強い定住環境の実現を目指します。

 長尾山総合公園では、来客者の渋滞対策として園内道路や駐車場の整備、パーク&ライドを実施して参りましたが、今後も渋滞緩和策として、繁忙期には市内で臨時駐車場の確保とシャトルバスによるパーク&ライドを引き続き行うことで、来客者がより利用しやすい公園整備に向けて取組みます。また公園内に勝山マラソン大使である君原健二氏監修のジョギングコースを君原健二ロードとしてガバメントクラウドファンディングを活用し整備を行い、同公園の新たな魅力づくりを行います。

 雪対策としては、冬期間の交通の確保を行うため、更新計画に基づき老朽化したタイヤショベル除雪車や凍結防止剤散布車の更新を行い、除雪体制の強化を図ります。

 エコ環境都市の実現に向けた取り組みについては、自然環境保全事業、四季折々の花の咲くまちづくり、勝山をきれいにする運動や住宅用ソーラーシステムの設置助成などのほか、再生可能エネルギー導入については、前年に引き続いて勝山市雪氷熱エネルギー利用促進協議会が主体となり、雪氷熱エネルギーを活用したまちづくりや産業振興について、研究・検証等を重ね農産物や加工品の雪貯蔵品の事業化・ブランド化を目指します。新たな取り組みとしては、長尾山総合公園内において保存した雪を活用し、夏場に雪解け水の冷熱を利用し、公園施設で冷房機器を稼働させるなど、冷房の実証実験に取り組みます。

 次に、豊かな人間性とたくましさをもったひとを育むまちづくりについて申し上げます。

 次の時代の勝山市を担う子供たちの育成を図るため、平成29年度において小学校5校、中学校2校で伝統芸能の伝承や地域の自然文化、産業等を体験し地域の課題等に取組むことで、地域を愛し地域を誇りに思う児童生徒を育成するための取り組みを行います。

 教育環境の整備としては、充実した理科・算数に関する教育を行うため、全ての小中学校において理科備品等の整備や特別指導用のタブレットを導入する他、今後計画的に遠隔授業・研修システム用パソコンや図書室の図書をデータ管理・閲覧できるパソコンを順次導入いたします。

 幼稚園については、勝山市立幼稚園のあり方検討懇話会を開催し、今後の幼稚園の設置・運営のあり方に関し、意見を聞き集約いたします。

 白山平泉寺の取り組みについては、文化庁の日本遺産認定に向けて、一乗谷朝倉氏遺跡や永平寺とそれぞれ連携し、平泉寺の歴史的魅力や特色を全国にアピールできるよう取組みを強化いたします。

 国の重要文化財である旧木下家住宅の保存修理については、引き続き組立工事を進め、建築本来の形に戻す復元工事や耐震工事に着手するとともに、今後の活用について検討していきます。

 体育施設につきましては、既存体育施設の再編と機能強化を図る取組の一環として整備を行っており、B&G海洋センターにつきましては体育館を柔道及び剣道等の武道が出来る施設として改修し、併せて既存の武道場については取り壊しを行います。

 以上述べましたように、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開を図って新年度予算を編成いたしました。
 市民からの市政に対する要請・要望は、「いつまでも住み続けたくなるまち」、「いつかは帰りたくなるまち」、「いつでも帰れるまち」を作っていくことであり、この理念のもと、これからも勝山市を次世代へ継承し、未来に希望が持てるまちづくりに取組んでまいります。

 なお、3月補正予算につきましては、国が「一億総活躍社会」の実現に向け編成した平成28年度第二次補正予算を活用し、野向、荒土、鹿谷、北郷4校の小学校の調理室の空調設備工事や北郷小学校体育館トイレの高質化にかかる事業、国の地方創生拠点整備交付金を活用した勝山ニューホテルの改修を行うなど次年度予算から前倒ししたものや、民間保育園保育士の処遇改善を行うための増額、市道除雪委託料の増額が主なものであります。

 本日の定例市議会に提案いたしますのは、平成29年度勝山市一般会計予算を含む42件であります。これら42件につきましては、後ほど関係部長からそれぞれ提案理由を申し述べますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。