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平成30年3月定例市議会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年11月9日更新

 本日ここに、平成30年3月定例市議会を開会するにあたり、所信の一端を申し述べますともに、提案いたしました平成30年度当初予算案及び平成29年度3月補正予算案の概要を申し上げます。

 最初に、今冬、福井県を襲った豪雪災害について申し上げます。

 2月4日から降り続いた雪が、勝山市街地で120センチメートルを超えたために、2月5日に勝山市雪害対策室を、そして予報によりさらに降雪が見込まれたため、2月7日には昭和59年以来34年ぶりとなる雪害対策本部を設置し、その後、相当の被害が予想されたことから、2月6日付けで災害救助法の適用を受けました。

 今回は、降雪が短期間に集中し、当市では積雪深が一気に2メートル以上に達したことや、嶺北一体でも大雪となり、県内各地域では除雪が追い付かず、高速道路を含む主要道路が一部の区間で通行止めや交通制限となり、鉄道、バスも運休し、住民の生活に重大な影響が及びました。

 さらに当市では、1月下旬からの地下水位の低下で、これを水源とする水道水が不足し、一部断水や給水制限により、企業や家庭で最大2,500戸余りが影響を受けたのに加え、大雪により交通網が分断し、燃料、食料品が一時的に不足するなど、行政、民間企業、市民の活動が機能不全になる一歩手前の状況に陥りました。

 このような状況の中、国、県、県内外の市町及び関係機関に支援を要請し、協力を得られたことで、市全体がマヒする状況は逃れることができました。

 今回の大雪により、節水にご協力いただいた市民や企業関係者、除雪車による除雪・排雪作業に全力で取り組んでいただいた事業者、独居老人宅の屋根雪の状況や安否確認にご協力をいただきました区長、民生委員の方々、及び給水車の派遣をいただいた、福井市、坂井市、越前市、南越前町、そして不足していた除雪車の燃料の軽油を、はるばる岡山県から災害支援として輸送していただいた総社市には深く感謝を申し上げます。

 一方、市民の皆様には、防災行政無線や緊急メール、メディア等を通じて屋根雪おろし等の事故防止を呼びかけておりましたが、これまでに死者2名、負傷者4名の人的被害があったことは誠に遺憾であり、亡くなられた方へのお悔やみと被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。

 今冬は昨年末より断続的な降雪があり、民間事業者への除排雪委託経費は4億円を超える見込みであります。この除雪経費の財源支援を求めるために、勝山市長として1月末には総務省と県選出国会議員へ特別交付税の大幅な増額について要望し、また2月16日には全国雪対策連絡協議会として財政支援や雪害、雪に関連する総合的な対策を求めるために、国交省と総務省に、2月21日には西川福井県知事と共に野田総務大臣、世耕経済産業大臣、石井国土交通大臣、斎藤農林水産大臣、小此木内閣府防災担当大臣に直接お会いし、対策を要望いたしました。

 さらに、2月24日には、小此木内閣府防災担当大臣を団長とした、国交省、総務省、農水省、環境省、文科省、消防庁、気象庁など各省庁の幹部級が来県し、現地調査の後に、県知事、市長、町長から状況を聴取し、意見を聞く中で、勝山市長として当市の状況と対策、今後の国の支援の在り方について種々要望いたしました。

 このたびの豪雪災害の背景と根底にあるものは、進展する高齢化社会への対応と、人とモノの移動手段に必須である道路交通の確保であるとの前提のもとに支援を要請し、対応策を要望したわけであります。

 また、これとは別に、勝山市固有の問題として対処しなければならない上水道の需給バランスの均衡対策があります。この問題については、地下水利用の実態調査や配水体制を再検証し、中長期の具体策について早期に検討に入る予定であります。

 今回の豪雪により、浮き彫りになった様々な問題、課題等を整理、分析し、市が取り組むべきもの、国・県に対して支援を求めていかなければならないもの等、その対策に努め、市民生活の更なる安全を確保して参ります。

 次に、勝山左義長まつりについて申し上げます。

 豪雪のため実施が危惧された勝山左義長まつりは、関係者の熱意とご協力のおかげで、予定どおり2月24日、25日の両日開催されました。しかし、除雪の関係で元禄線や旧市民活動センター跡地での物販、休憩所の設置やスタンプラリーは残念ながら取りやめ、来客者の駐車場についても例年並みの確保が困難となりました。

 しかし、土曜日の雨で少なかった人出も、日曜日の天候回復もあって、2日間で8万人の人出となり、各地区の櫓での左義長太鼓の競演には、市内外の観光客でにぎわいました。まつりの最後を飾るどんど焼きでは、雪の弁天川原にドンド焼きの真っ赤な火柱が映えて、五穀豊穣、安全祈願のうちに無事に終了することができました。

 次に、「福井しあわせ元気」国体について申し上げます。

 総合得点に加算される第73回冬季国体スキー競技会が、今月25日から28日までの間において、新潟県妙高市で開催されております。

 この大会には、勝山市からクロスカントリー競技に総勢13名の選手が参加し、昨日は、宇田崇二(たかつぐ)選手、宇田峻也(しゅんや)選手がともに4位に入賞しています。明日開催の男子リレー及び女子リレーには、8名の選手全てが勝山市の選手で構成される見込みであり、上位入賞を期待し、健闘をお祈りいたしております。

 9月29日の総合開会式まで、残り214日となりましたが、勝山市で開催される正式競技のクレー射撃競技は、開会式17日前の9月13日開催となりますので、当市の実質開催までは、残り197日となってまいりました。大会の成功に向けて、今後万全の体制で準備を進めてまいります。

 次に、平成30年度当初予算の編成方針と施策について、及び平成29年度3月補正予算の概要について申し上げます。

 まず、国の地方財政対策では、アベノミクス「新・三本の矢」の政策による経済の好循環を見込み、一般財源総額では過去最高の62.1兆円を確保するとしています。歳出面では、引き続き子ども・子育て支援や、まち、ひと、しごと創生関連事業に取組むための経費、公共施設等の長寿命化対策等をはじめ適正管理を推進するための事業費等が充実・拡充され、また喫緊の課題である緊急防災・減災事業についても内容が盛り込まれています。

 このような中、当市の平成30年度の予算編成にあたっては、効率的な行財政システム構築を目指し、成長指向の政策を組み合わせることを基本として、財政健全化への着実な取り組みを進める一方、地方創生の実現に向けた「勝山市地方創生総合戦略」及び「第5次勝山市総合計画(改訂版)」の目標達成に向けた重要な施策課題について、必要な予算措置を講じるなどメリハリの効いた予算編成を目指しました。

 その結果、平成30年度勝山市一般会計当初予算は、前年度比0.2%減、金額にして約2,900万円減額の約121億3,300万円となりました。

 まず、一般会計の歳入について申し上げます。

 市税において、個人市民税や法人の固定資産税の償却資産分が増額となる見込みでありますが、法人市民税や固定資産評価替えに伴う家屋分、市たばこ税、入湯税の落ち込みにより、市税全体で前年度比約3,000万円減額の約28億3,200万円を見込んでおります。

 地方交付税については、国の地方財政計画における地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な総額は、国全体で20兆円と前年度比4,000億円の減額となりました。当市における普通交付税も、地域経済・雇用対策の廃止及び人口減少やトップランナー方式の段階的な反映等により、基準財政需要額が大幅に減額となり、前年度比約3,000万円減額の約31億8,000万円を見込んでおります。

 なお、普通交付税の振り替えとして発行する臨時財政対策債については、前年度比

 300万円増額の約3億9,300万円を見込んでおります。

 以上、これらを含めた主な一般財源の合計は、前年度に比べ約1億600万円減額の約76億9,300万円となっています。

 財政調整基金繰入金は、前年度比2億900万円減額の約1億6,300万円となりましたが、平成29年度中の除排雪経費等の増額により積立が伸びなかったこと等から、平成30年度末の財政調整基金の残高は、約7億1,200万円となる見込みです。

 このように、歳入面では厳しい状況にありますが、行財政改革を着実に進め、施策の選択と集中を図りながら、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開により、将来世代が希望と誇りを持って住み続けることができる勝山市を構築してまいります。

 次に、一般会計の歳出について、主要な施策ごとに説明を申し上げます。

 ふるさと創生・移住関連施策では、昨年度から取組んでいるU・Iターン十七事業に、Uターン者奨励金、民間社宅助成金等の四事業を新規に加え、さらにインセンティブを高めていきます。国の地方創生交付金を活用したふるさと勝山回帰事業においては、官民一体となって地元企業の魅力を発信していくことで地元就職者の増大を図っていきます。

 ジオターミナルについては、3月末の完成に向けて急ピッチで作業を進めており、勝山市建設分の観光案内施設の管理運営については、飲食物販施設を一体的に建設している勝山市観光まちづくり株式会社が担い四月オープンを予定しています。

 ジオターミナルには観光コンシェルジュを配置し、100万人を目指す県立恐竜博物館の来場者への市内誘客や恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークのガイダンスを行う等、市の観光産業の拠点施設を目指す他、福井県全体の質の高い観光案内を行うことで、県全体の観光振興を目指します。

 勝山市道の駅「恐竜渓谷ジオパーク(仮称)」については、平成32年度オープンを目途に整備事業を本格化させるとともに、「九頭竜川勝山あゆ」のブランド化をはじめとした、道の駅での販売に向けた特産品、加工品の開発を支援していきます。

 農業振興策については、今年度勝山市農業公社を中心に広域化組織を立ち上げ、農業者の負担を軽減するとともに、担い手支援や土地改良事業の進捗を図ったうえで、新たな課題が顕在化した場合等には機を逃がさず対応してまいります。

 子育て環境関連施策では、保育料の軽減についてトップクラスを堅持するとともに、保育士の処遇改善や認定こども園の新規開園、子ども医療費窓口完全無料化、母乳相談事業の充実に取組むほか、福井勝山総合病院産婦人科常勤医配置にあわせ医療の充実を支援していきます。

 教育環境関連施策については、他市に先駆けて取組んできた英語教育を継続して強化していくため外国語指導助手(ALT)2名を加配いたします。あわせて道徳教育の推進や教員の負担軽減のための学校運営支援員、部活動指導員を配置いたします。

 「福井しあわせ元気」国体・障害者スポーツ大会についても、その成功に向け、大会運営経費以外に来場者へのおもてなし経費や花いっぱい運動事業費など積極的な予算配分を行っております。

 地域社会と経済の好循環を目指し、異業種連携での協働から3年目となる「福祉発まちの経済活性化事業」への支援を引き続き行うほか、わがまち助成事業については、「わがまち魅力発散事業」2年目として支援策を展開していきます。

 また、Jアラート新型受信機の設置や凍結防止剤散布車、水槽付きポンプ車を更新するほか、上水道事業では、アセットマネジメント調査を行いインフラ施設の更新を図るなど、安全安心なまちづくりを推進していくとともに、市税等のコンビニ納付サービスを始めるなど市民サービスの向上と行政の効率化の両立を図ります。

 市税が減収傾向にある中、ふるさと納税制度への取組みを大幅に強化するとともに、当市の施策展開を全国にアピールし、ガバメントクラウドファンディングによる財源調達制度を積極的に活用して、一般財源の確保を図ってまいります。また公共施設の維持管理については、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき国の財政措置を確保したうえで適正に管理していきます。

 以上述べましたように、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開を図って新年度予算を編成いたしました。

 厳しい財政状況の中にあっても、政策効果の精緻な測定を図り、ICT/IoTの積極的導入を推進していくなど事務事業の見直しを行い、簡素で効率的な行財政運営に努め、収支の均衡を図りつつも質の高い住民サービスの提供を継続し、「小さくてもキラリと光る 誇りと活力に満ちた ふるさと勝山」を目指します。

 なお、3月補正予算につきましては、事業費の精算及び組替え、国の補正予算に伴うもののほか、民間保育士の処遇改善を行うための給付費の増額、市道除雪委託料の増額が主なものであります。

 本日の定例市議会に提案いたしますのは、平成30年度勝山市一般会計予算を含む38件であります。これら38件につきましては、後ほど関係部長からそれぞれ提案理由を申し述べますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。