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平成27年6月定例会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2018年11月8日更新

 本日ここに、平成27年6月定例市議会が開会されるに当たり、市政運営に係る諸課題についての所信の一端を申し述べますとともに、六月補正予算案の概要について申し上げます。

 わが国の景気は、緩やかな回復傾向が続いており、3月の景気ウォッチャー調査では、円安など企業の良好な経営環境の持続や、株高などの消費者マインドの持ち直しを背景に、企業及び家計動向関連の現状判断DIがいずれも良し悪しの分かれ目となる50を超える水準に回復しているとしています。
 また、日銀は5月22日、金融政策決定会議を開き、景気の現状判断を従来の緩やかな回復基調から緩やかな回復とやや前向きに表現し、個人消費は底堅く推移、住宅投資は下げ止まっており、持ち直しに向けた動きも見られるとしています。

 それでは最初に、地方創生について申し上げます。
国は、昨年、45年後の2060年に1億人程度の人口を確保し、これにより経済成長力を確保するというビジョンのもとに、その達成に向けた平成31年度までの5カ年の戦略「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定いたしました。また国は財政支援をはじめとする全面的なバックアップのもと平成27年度中に都道府県、市町村単位の人口ビジョン及び総合戦略の策定を求めています。
 勝山市におきましても平成27年度末までに、今後5ヵ年の勝山市版人口ビジョンおよび総合戦略を策定することとしておりますが、基本的な考え方として、今回の地方創生で国が目指すものは、これまで勝山市が取り組んできた政策の延長線上にあるものであり、それ故に2011年に策定した第五次総合計画の理念やその実現のために盛り込んだ政策をベースにその策定を進めてまいります。本年2015年は、10年を計画期間とする第五次総合計画の中間年であり、このため、策定時と今日の状況変化に鑑み、見直すべきもの、守るべきもの、攻めるべきものに峻別し、新たな地方創生として勝山市に必要なものを加え、幅と厚みを持たせて、更なる独自性を発揮して、今後5ヵ年の計画にしたいと考えています。
 国は地方版総合戦略の策定に際して、産官学金労に加え住民代表からなる総合戦略推進組織を整備することが望まれるとしています。そのスタートとして、去る5月18日に産官学に加え金融、労働、報道機関の各分野から意見をいただく場として、「勝山市まち・ひと・しごと創生総合戦略会議」を立ち上げ、第1回目の会議を開催いたしました。この会議の冒頭で産官学金労言の分野からなる13名の委員の方々に、前述した地方創生に対する私の基本的な考え方を申し上げ意見交換を行ったところであります。
 さらに今後、この戦略会議で出されるご意見を十分咀嚼し反映させることに加え、次世代を担う子どもたちや若者、仕事や子育て中の女性など、市民の幅広い声をお聞きし、議会のご意見等を伺って5か年を目標とする地方版総合戦略の策定に当たりたいと考えております。

 そこで、総合計画の見直しと、このたびの創生総合戦略に盛り込む内容に関して私の考えを述べたいと思います。
まず、その前提として、北陸新幹線、中部縦貫自動車道など高速交通網の進捗状況が年度ごとに進展しており、それを本年2015年(平成27年)を起点にした5年から10年先の時間軸にプロットしてみると、近未来における勝山市の姿が浮かび上がってきます。これからの勝山市は、この状況変化、環境変化を如何に先取りし、市のメリットを発揮するか、その対応が問われてきます。
 そこで、勝山市はどのような状況になっていくか見てみましょう。

 2年後2017年(平成29年)3月までに中部縦貫自動車道が福井北インターから大野インターまで完成し、勝山インターから市内までがインター線と新しい橋によって結ばれます。
 3年後 2018年(平成30年)に福井国体開催。
 5年後 2020年(平成32年)には東京オリンピック開催。
 7年後 2022年(平成34年)には北陸新幹線福井開業。
 これが2年前倒しとなれば、今から5年後、東京オリンピック開催と同じ年2020年(平成32年)に福井開業となります。また、この年、法恩寺山有料道路が無料化となる予定です。
 さらにこの頃か、数年後、今から少なくとも10年以内には中部縦貫自動車道が油坂峠で東海北陸自動車道と接続する可能性が高く、また、この頃には国道416号も小松市と結ばれることでしょう。そして、12年後2027年(平成39年)には、リニア新幹線が名古屋開通し、東京まで40分で結ばれ画期的になります。

 中京及び首都圏との時間距離が、クルマ、鉄道の両面で飛躍的に短縮される結果、人の交流と物の流れが広域化して活発となり、勝山市の観光と産業に新局面が開けてきます。
 まず、観光面では、現在でも、北陸新幹線金沢開業効果が早くも出てきており、金沢駅を中心とした新幹線沿線駅からレンタカー、大型バスでやってくる首都圏観光客が恐竜博物館、スキージャム勝山に増加しており、平泉寺やゆめおーれ勝山にもその兆しが現れてきています。これは金沢を基点に北陸を周遊するという観点から十分うなずける結果であり、今後も増大が予測されます。
 その対応のためにも、恐竜博物館周辺の公園整備、道路整備計画は着手したばかりですが、クルマで来訪する客が一番期待し、利用する「道の駅」の計画が勝山市では現在具体化がされておりません。2年後に迫った、中部縦貫自動車道が福井北インターから勝山インターまで完全につながり、アクセス線が新しい橋を渡って市内まで入ってくるタイミングをチャンスに捉えて整備計画を策定すべきと考えます。
 勝山市へのアクセスは、中部縦貫自動車道が油坂に接続するまでは、福井北インターに接続するアクセスがメインであり、このことは近隣の「道の駅」よりも優位性があり、勝山市の「道の駅」は少なくとも今から3年から4年後後には開業したいと思っています。
 「道の駅」整備によって目指すべき第1は、生産、加工、販売を地元の生産者が行う農林漁業の六次化です。すでに、エゴマや、にんにく、鯖のなれずし、木炭などで、手がけられていますが、常に観光客と触れ合いながら販売するマーケットが、現状では極めて限られています。
 第2は、案内機能です。恐竜博物館を目指してやって来た県外観光客に福井県と連携した、県内の観光地を始め観光情報を紹介するコンシェルジュ機能が必要です。さらにジオパークで包括される勝山市の多彩な魅力は、「おもてなしの心」をもった地元の人たちと観光客が触れ合い語り合う「道の駅」によってより伝えることができるでしょう。
 また、中心市街地への誘客施設も「ゆめおーれ勝山」に加えて、新たに「花月楼」を民間資本を導入した改修、運営スキームで再整備して、「ゆめおーれ勝山」と共に、まちなか誘客の2つ目の目玉として整備し、中心市街地の魅力を高めたいと考えます。
 第3は、他の道の駅にはない集客力とそのための目新しい魅力を作ることです。すでに恐竜博物館集客80万人は目に見えていることに加えて、多くの「道の駅」の裏シーズンである冬季間においても、スキージャム勝山では24~25万人の集客が確実であり、合計すると年間100万人以上の入りこみ客を勝山市の「道の駅」は確実にターゲットにできます。このように年間を通じてコンスタントな客足をキャッチできる道の駅は近隣では見当たりません。このような好条件に加えてさらに他にはない勝山市の特質と魅力を発揮できる「道の駅」を目ざしたいと考えます。

 次に産業面の振興では、地場産業の繊維産業を始め、既存産業の振興を図ると共に、東京に本社機能を持つ企業の地方分社化、もしくは本社、または支社の進出を促していきたいと考えています。それには、本市をめぐる恐竜関連や自然や歴史、伝統、景観、環境をアピールしてその魅力を生かすことに意欲がある企業を呼び込んで進めていく考えです。

 雇用の関係では、前述の産業振興によって雇用の機会を広げることに加えて、まちづくり会社や、道の駅マーケットなどによって、若い世代へ起業のチャンスを提供することです。
 さらには、中部縦貫自動車道が北インターに接続することによって、勝山市から福井市、坂井市、鯖江市、および越前市までが通勤の範囲に入ってきます。このように、勝山市を離れることなく他市へ通勤する人たちへの支援も考えていきたいと思います。
 以上のように考えていることを「勝山市まち・ひと・しごと創生総合戦略会議」に提案し戦略化していく考えです。

 次に、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」メニューの一つである地方の消費喚起や生活支援を目的とした「消費喚起・生活支援型交付金事業」を活用した勝山市プレミアム付き商品券発行事業について申し上げます。
 地域住民生活等緊急支援のための交付金及び県補助金を活用した、プレミアム付き商品券「かつやま買い物おじょーず商品券」の販売を5月30日より開始します。
 この商品券は、1000円券11枚と500円券2枚をセットとして、10000円で12000円分のお買い物ができるお得な商品券となっており、総数23100セットを用意しています。
 これまでの商品券販売事業では、小規模店での利用率が低い傾向があることから、今回は五百円券については市内の個店でのみの使用とし、市内大手のスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター及びコンビニエンスストア等は、10000円券使用として市内店舗の活性化につなげたいと考えております。
 また、このお得な商品券購入に際し、市民の公平性に配慮して、販売期間を2回設け、5月30日から6月3日までの第1回の販売期間は、18歳以上の勝山市民を対象に世帯員1人につき1セット、最大5セットまでとし、第2回販売期間では6月24日から最大5セットまで購入できるようにしております。
 中部縦貫自動車道などの整備が進みアクセスがよくなっていることで、当市の消費流出率が非常に高くなっている傾向にあることから、このプレミアム付き商品券発行事業により、市内での消費喚起を図り、地域経済の活性化に繋げたいと考えています。
 また、就学前児童の子育て世帯や低所得者世帯には「かつやま買い物おじょーず商品券」を別途配布する予定であります。

 次に、市民の安全・安心に関わる防災体制について申し上げます。
 今年は建物火災が相次ぎ、消防署では「火災非常事態宣言」を発令し、市民への注意喚起を行っています。昨年(平成26年)は8件の火災が発生し、その内建物火災は、6件でしたが、いずれも小規模火災で全焼はありませんでした。しかし、今年(平成27年)に入り4月末までに既に6件の建物火災が発生し、その内5件が全焼となり、焼死者1名となっています。
 極めて憂慮すべき事態であるため、非常事態宣言を発し、4月27日から5月26日までを非常事態期間として、防火チラシの全戸配布、防災行政無線での広報、各消防団の地区内巡回広報、各地区区長会での注意喚起などさまざまな手段で、市民一人ひとりに火の取扱いの徹底を呼びかけました。今後も引き続き火災予防の啓発に努めます。
 また大雨の頻度が増加する可能性が高い梅雨の時期が迫り、土砂災害の増加、激甚化が懸念されることから、国土交通省では6月を「土砂災害防止月間」と定め、土砂災害の防止と被害の軽減を目的に訓練や集いなどの取り組みを実施しています。
 勝山市におきましても、本年よりこれまで行ってきた消防署が所管する水防訓練と総務課が所管する土砂災害避難訓練、緊急時参集訓練とを合わせ、勝山市総合防災訓練として6月28日に実施する準備を進めています。
 訓練は、災害発生時の初動対応である職員参集訓練から始まり、災害対策本部設置訓練、通信訓練、水防訓練、炊き出し訓練、避難所開設訓練、避難誘導訓練、住民避難訓練、救急救命訓練など多岐にわたって行います。
 水防訓練は、一級河川大連寺川の水位が上昇し氾濫の恐れがあるとの具体的想定で、ゆめおーれ勝山周辺において各種水防工法を実施するものです。本年は、国土交通省福井河川国道事務所の協力を得て、浸水個所の排水を目的とした大型ポンプによる排水工法も訓練計画に入れました。
 一方、避難所開設・避難誘導・住民避難等の各訓練は、本年度は平泉寺町、荒土町の二つの地区において大雨による土砂災害の発生と、同時刻に勝山市の直下を震源とする震度6の大規模地震が発生した、との複数災害発生の想定で、2地区民を対象に実施する予定です。

 次に、先般の大型連休中のかつやま恐竜の森の状況について、4月24日にオープンした民営の屋外アミューズメント施設「かつやまディノパーク」には、翌25日から5月6日までの12日間に24306人が入園しました。エリアが1.5ヘクタールのディノパーク園内では、全長約400メートルの遊歩道に24体の実物大の恐竜ロボットが口や手足を動かし、咆哮が園内にとどろく迫力満点の施設であり、子供たちに大人気でした。
 一方、県立恐竜博物館では、ゴールデンウィーク期間中、野外恐竜博物館の入館者を含め70106人となり過去最高を記録しました。1日当たりでは5月4日に15706人が来館し過去最高を更新し、連日、駐車場が満車となり、周辺道路では約4キロの渋滞が発生しました。これまでの1日当たり最高は、恐竜エキスポのあった2000年を除くと、2013年9月15日の14053人で、1653人上回りました。
 博物館では、開館を30分早めて午前八時半、閉館も一時間遅らせて午後六時と開館時間を拡大するなどの対策を取りましたが、車の渋滞、入館の際の長蛇の列の解消には至っていません。
 一方、この問題への対処のため平成27年より事業化した都市再生整備計画事業は、事業に対する今年度の国からの内示額が要望額の約半分しかなく、計画通りの事業進捗は厳しい状況となっています。これら現実を踏まえ、計画の見直しと県からの財政支援及び独自財源の確保は長尾山再整備を進める上での喫緊の課題となっており、本議会において論議したいと思っています。

 次に、「総合教育会議」について申し上げます。
 教育の中立性、継続性・安定性を確保しつつ、教育行政における教育委員会の責任の明確化、いじめ問題などへの迅速な危機管理体制の構築、首長との連携強化等を目的として、本年4月から新教育委員会制度がスタートしました。
 その一環として、全ての地方公共団体において、首長と教育委員会で構成する「総合教育会議」を設置することとなり、勝山市においても、去 る5月7日に第1回目の会議を開催したところです。
 この会議では、学校教育・文化・スポーツ・生涯学習等、勝山市の教育行政のあり方について幅広く協議するとともに、特に今年度は、今後の基本的な教育方針や向こう5年間の重点施策を明らかにする「教育大綱」を策定することとしています。今後さらに力を入れて取り組むべきESD(持続発展教育)や英語教育など、勝山市の特色をしっかり反映したものにしていく所存ですが、その根本にあるものは、勝山市、延いては日本の持続的発展を担う心身ともに健全な将来世代を育成することであると考えています。
 市長が召集するこの総合教育会議において十分議論し、今年の秋を目途に勝山市の教育大綱を策定したいと考えております。
 なお、改正法による教育委員長と教育長の一本化については、現時点で県内3市町において教育長の任期満了等に伴い、いわゆる新教育長に移行していますが、その他の市町でも今後順次、現教育長の任期満了等により新教育長へ切り替わっていくことになります。勝山市においても、現在の教育長の任期である平成28年度までは、現体制で臨む所存であります。

 それでは、本定例会に提案いたしました一般会計補正予算の概要について申し上げます。
 総額は、40,940,000円となり、主なものといたしまして、各地域の地域力向上を目指す「特色ある地域づくり事業費」では、北谷地区活性化及び各地区の特色ある
 地域づくり基金を活用し、10,426,000円を計上し、各地区の取組みに対して支援を行います。
 その他、まちづくり関係事業やふるさと集落元気づくり事業でも地域コミュニティ活動や各地区の自主活動を支援するため、5,105,000円を計上しております。
 また、十月から大幅な改編を予定しております生活路線バス運行にかかる経費について所要の額を計上しております。

 これらを含め、本日の定例市議会に提案いたしますのは、平成27年度勝山市一般会計補正予算を含む10件であります。これら10件につきましては、後ほど関係部長からそれぞれ提案理由を説明いたしますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。