ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 市長の部屋 > 平成31年3月定例会招集あいさつ

本文

平成31年3月定例会招集あいさつ

印刷用ページを表示する 更新日:2019年2月26日更新

 本日ここに、平成31年3月定例市議会の開会にあたり、所信の一端を申し述べますともに、提案いたしました平成31年度当初予算案及び平成30年度3月補正予算案の概要を申し上げます。

 今年の冬は、昨年の豪雪とは打って変わって、市街地には雪がほとんど積もらず、昨年度6億円を超えた除雪関連費用も現在約5千5百万円にとどまっております。

 しかし、豪雪のみならず自然災害は、地球温暖化の進行やプレートテクトニクスによる地殻変動によって、時と場所を選ばず発生しており、その頻度も規模も増大しています。このことを踏まえて、自然災害への防災意識の周知啓発と、備えを確実に進めていかなければなりません。

 

 次に、勝山市の冬の風物詩である「勝山年の市」は、昨年より2千人多い2万2千人の人出で賑わいました。本町通りには、おやきや鯖の熟れずしなど、勝山名物の販売や、ござぼうし、わら細工・竹細工など「むらの達人」による製作実演、市内地域団体や荒土小学校児童、北部中学校生徒などによる地元のオリジナル商品の販売など、51の出店があり、4年前から始まった、「まちセリ」では、セリ人の威勢の良い声で盛り上がり、一層の賑わいを見せていました。

 奥越に春を呼ぶ勝山左義長まつりは、今年は雪のない好天に恵まれ、芳野町櫓の一番太鼓で始まりました。温かい春の日和の中で、各地区の櫓での左義長太鼓の競演が多くの人たちを魅了し、2日間で約12万人の市民や観光客でにぎわい、クライマックスのどんど焼きのフィナーレまで、2日間、大盛況のうちに終了いたしました。準備・開催に御尽力をいただいた、勝山左義長まつり実行委員会や各地区の関係者の皆様方には改めて感謝を申し上げます。

 

 次に、道の駅について申し上げます。

 平成27年度に重点道の駅として選定され、今回、道の駅の登録を行う上で必要なことから、正式名称を「勝山市道の駅 恐竜渓谷かつやま」とした道の駅建設工事は、荒土町松ヶ崎において現在、敷地造成のための盛土工事に着手しております。

 施設の概要は、敷地面積を1.2ヘクタール、駐車場は約100台のスペースを確保し、建物は鉄骨づくり面積約700平方メートルで、平成32年春オープンに向け整備を進めています。

 中部縦貫自動車道永平寺大野道路が全面開通して以来、勝山ICからの交通量も多くなっておりまして、施設が出来上がりますと、道路利用者の休憩機能や道路案内情報、地域と連携した飲食・物販の提供機能は、道路利用者だけではなく、市民や近隣住民にも利便が図られるよう、多くの方々に愛される施設整備を目指していきたいと考えております。

 この道の駅の整備は、「観光の産業化」を目指す勝山市のシンボルとして、今後の 展開における重要な拠点になります。来年5月の連休前にはオープンさせるという強い決意を持って、関係者や関係機関の協力の下、全庁を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。

 

 次に中学生、高校生と「語る会」について申し上げます。

 勝山市の次代を担う市内の中学生、高校生それぞれと「市長と語る会」を昨年度から実施しています。30年度は、昨年8月1日に勝山高校、10月24日に奥越明成高校、11月21日に市内3中学校の生徒との語る会を実施しました。

 語る会では中学生、高校生から様々な意見や提案が出され、どれも勝山の活性化に向けての積極的な内容でした。

 福祉や観光、市のイベント、企業との商品開発など、実に多様な分野に及び、その内容も要望することにとどまらず、アイデアに富んだレベルの高い具体的な提案もあって、この語る会を通して、将来を担う次世代がしっかり育っていることを実感し、とても心強く感じています。

 勝山市では、エコミュージアム事業やエコ環境都市の取り組みに基づくスクールエコプロジェクトをベースに、また平成25年度からは、市内全小中学校がユネスコスクールに指定されたことを機に、ESD(いわゆる「持続可能な開発のための教育」)に積極的に取り組んできた成果だと思っています。

 語る会での中学生や高校生のこのような姿勢は、日々の5教科を中心とした学習だけではなく、総合的な学習をはじめ、様々な学習活動にESDの理念を活かして取り組む中で、具体的に様々な課題に対して主体的に考え、学んできている成果であると考えています。

 勝山高校では、今年度から「勝山人」学習もスタートしておりまして、これからはさらに、SDG,Sの理念に基づく活動へと発展させ、小・中・高の一貫した取り組みとなるよう、教育委員会とベクトルを合わせて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 この、中学生、高校生と語る会の内容につきましては市のホームページに掲載していますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

 

 次に、ふくい嶺北連携中枢都市圏について申し上げます。

 中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町と連携し、社会経済を維持するための拠点を形成する連携中枢都市圏構想につきましては、福井市からの呼びかけを受け、本市も参画する意向を示し、これまで嶺北各市町の首長で構成する連携推進協議会や担当者で構成するワーキンググループの開催等、連携事業の取り組みに向け協議を重ね、取り組む連携事業等について、その内容を市民のパブリックコメントや市議会等にお諮りしてまいりました。

 当市においても、福井市と連携することにより、人口減少・少子高齢社会にあっても、地域経済を持続可能なものとし、地域住民が更に安心して快適な暮らしを営むことができる圏域の形成に向け、ビジョンに基づく連携事業に参画して参りたいと考えております。しかし、この新しい取り組みは、参加している構成市それぞれの思惑と、全体構想との合致について今後の協議も必要という認識を持っており、ビジョンの期間は5年間となっていますが、期間の途中であっても、取り組み事項の追加など、首長で組織する推進協議会で決定して変更することができることを踏まえて参画したいと考えます。

 協約締結に向け、今議会において「福井市及び勝山市における連携中枢都市圏の形成に係る連携協約の締結について」を上程しておりますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。

 

 次に、平成31年度当初予算の編成方針と施策について、及び平成30年度3月補正予算の概要について申し上げます。

 まず、国の地方財政対策では、アベノミクス「新・3本の矢」の政策推進により、日本経済は大きく改善しているとし、一般財源総額では過去最高だった昨年度を更に上回る 62.7兆円を確保するとしています。歳出面では、幼児教育無償化等を含む子ども・子育て支援や、まち、ひと、しごと創生関連事業に取組むための経費、公共施設等の長寿命化対策等をはじめ適正管理を推進するための事業がメニュー、予算枠ともに充実・拡充され、また喫緊の課題である防災・減災、国土強靭化のための緊急対策に取り組んでいける内容が盛り込まれています。

 このような中、当市の平成31年度の予算編成にあたっては、厳しい財政状況の中にあっても、50年、100年後の未来に向けて持続可能な勝山市であり続けるため、3本の柱として、1つ目に財政の健全化を最重要課題とすること。2つ目として、将来を担う子どもたちや将来に向けた生活環境整備への積極的投資を行うこと。3つ目として、勝山の魅力をより強力に発信し続けていくこと、を最大限留意した予算編成を目指しました。

 その結果、勝山市平成31年度一般会計当初予算は、前年度比2.4%減、金額にして約2億8千9百万円減額の約118億4千4百万円となりました。

 

 まず、一般会計の歳入について申し上げます。

 市税について、法人市民税は前年度とほぼ同額を見込み、固定資産税は新築家屋の増加による家屋分の増額、軽自動車税は消費税率引き上げに併せて導入される環境性能割分で増額を見込みました。一方、個人市民税は国の制度改正で配偶者特別控除が拡充されたことによる減額、法人の固定資産税の内、償却資産分が中小企業について国の減免対象が適用となることにより減額、たばこ税も販売本数の減少から減額となる見込みとなり、その結果市税全体で前年度比約3千3百万円減額の約27億9千9百万円となり、28億円を下回るという厳しい見込みとなりました。

 地方交付税については、国の地方財政計画における地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な総額は、国全体で19.4兆円と前年度比6千億円の減額となりました。当市における普通交付税は、市税の減収や公債費の増額に加え、過年度の精算分が増額となり、前年度比約1億7千1百万円増額の約33億5千1百万円を見込んでおります。

 また、特別交付税については、前年比約4千万円減額の6億千万円を見込み、普通交付税の振替えとして発行する臨時財政対策債については、前年度比7千5百万円減額の約3億1千8百万円を見込んでおります。

 以上、これらを含めた主な一般財源の合計は、前年度に比べ約7千万円増額の約77億6千3百万円となっています。

 財政調整基金繰入金については、ジオアリーナ建設の市債の元金償還が開始となりますが、福井しあわせ元気国体・大会開催経費の皆減、組織改編による人件費の削減、国の財政措置をしっかり確保した上で取り組んだ結果、前年度比8千1百万円減額の8千2百万円となり、1億円を下回る見込みとなりました。

 この結果、平成31年度末財政調整基金残高は、昨年度当初予算見込みより1億7千6百万円増の約8億8千万円となる見込みで、今冬の除雪経費の決算次第では更に基金残高の上積が期待できる状況となっております。

 以上、歳入面ではまだまだ厳しい状況にありますが、行財政改革を着実に進め、施策の選択と集中を図りながら、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開により、将来世代が希望と誇りを持って住み続けることができる勝山市を構築してまいります。

 

 次に、一般会計の歳出について、主要な施策ごとに説明を申し上げます。

 まず最初に、子育て環境関連施策では、保育料の軽減についてトップクラスを堅持するとともに、10月より3歳児から5歳児の保育料を無償化し、3歳未満児についてもこれまでの軽減を継続していきます。副食費についても第3子以降や低所得者について無償化を図るとともに、幼稚園についても同様といたします。そのほか、認定こども園の新規開園の開園支援や施設改修の補助、保育士の処遇改善、保育補助者配置等の支援、医療的ケアが必要な乳幼児を受け入れる保育所での看護師配置を支援するなど、積極的に子育て支援を展開していきます。

 

 次に、高齢者関連施策については、65歳以上を対象に、筋力や口腔(こうくう)機能測定を行い、生活機能の低下した方を早期に把握した上で、リハビリテーション専門職や県と連携し、栄養・運動・社会参加などの指導を行うフレイル予防事業を新たに実施し、高齢者肺炎球菌予防接種及び高齢者インフルエンザ予防接種については、平成31年度から福井県内どこでも接種できる広域化を行い、高齢者の利便性を図ります。また、昨年度から行っている生活習慣病の重症化予防事業も継続して実施します。 

 介護関連施策については、介護人材を確保するために昨年度から実施している介護人材緊急確保奨励金交付事業の要件緩和を行い、介護サービス事業所の更なる人材確保に努め、介護予防や高齢者保健事業を強化し取り組んでいきます。

 

 次に、教育環境関連施策については、ICT教育の充実に取り組むため、これまでコンピューター教室に配置されていたパソコンを普通教室や屋外学習でも使用できるよう、タブレット型パソコン端末を児童生徒用パソコンの更新に合わせ、順次整備していきます。

 また、図書館管理システムについても平成31年度4校の整備をもって全小中学校への整備を完了するほか、中学校課外活動の充実強化を図るためブラスバンド用楽器の整備を行います。

 

 次に、生活環境・安全安心関連施策については、勝山市農業公社を中心とした広域営農への支援や農業者の負担軽減対策に取り組むとともに、昨年設置した「空家対策協議会」を中心として策定を進めております「勝山市空き家対策計画」に基づき、国の補助制度を更に活用し総合的な空家対策事業に取り組みます。消防関連では3台目となる高規格救急車を更新し、また、市民からのIP電話や携帯電話の通報においても指令台に即時に地図を表示することができる緊急通信指令システム導入の実施設計に着手するなど、市民の安全安心を確保してまいります。

 水道事業会計においては、昨年度の水不足の対策として、既存井戸洗浄による水源の能力回復に務めるとともに、新たな水源確保のため若猪野に井戸を掘削いたします。

 

 次に、魅力発信関連施設については、勝山市道の駅「恐竜渓谷かつやま」を、平成32年春のオープンを目途に建物建設事業を本格化させるとともに、「九頭竜川勝山あゆ」のブランド化をはじめとした、道の駅での販売に向けた特産品、加工品の開発を支援し、「農林水産物出荷支援コーディネーター」の配置による産品の出荷奨励支援など勝山の魅力発信に取り組んでいきます。また、恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークの活動では、平成31年度再認定審査の年に合わせ、チャゴンランド内の関連展示をリニューアルいたします。

 

 次に、ふるさと創生・移住関連施策については、一昨年度から取組んでいるU・Iターン事業に、新たに移住就職支援事業、ふるさと回帰同窓会支援事業の2事業を加え、育英資金奨学金返還減免制度を拡充するなど、さらにインセンティブを高めていきます。また国の地方創生推進交付金を活用したふるさと勝山回帰事業においては、引き続き官民一体となって地元企業の魅力を発信していくことで地元就職者の増大を図っていくなど、全21事業を展開し、更なる移住定住の促進を図っていきます。

 

 市税が減収傾向にある中、歳入面ではふるさと納税やクラウドファンディングによる財源調達制度を積極的に活用し、一般財源の確保を図るとともに、公共施設の維持管理については、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき国の財政措置を確保したうえで適正に管理していきます。また10月からの消費税アップに伴う影響やAI・IOT技術の導入に向け取り組んで参ります。

 

 以上、これまでの事業の選択と集中を図りながら、新規事業においては71事業、5億2千万円、拡充事業として17事業、4億8百万円を見込みことで、市民の要望に最大限応え、きめ細かな施策の展開を図って新年度予算を編成いたしました。

 今後も厳しい財政状況が続くと予想されますが、政策効果の精緻な測定を図り、事務事業の見直しを行い、簡素で効率的な行財政運営に努め、収支の均衡を図りつつも、質の高い住民サービスの提供を継続し、平成の時代から新たな時代に向けてのステップ・アップを実現するためにも「小さくてもキラリと光る誇りと活力に満ちた ふるさと勝山」を目指してまいります。

 なお、平成30年度3月補正予算につきましては、事業費の精算及び組替え、国の補正予算に伴うもののほか、障害者総合支援法に基づく障害者福祉サービス費の増額、市道除雪委託料の増額が主なものであります。

 

 以上、本日の定例市議会に提案いたしますのは、平成31年度勝山市一般会計予算を含む41件であります。これら41件につきましては、後ほど関係部長からそれぞれ提案理由を申し述べますので、よろしく御審議の上、妥当な御決議を賜りますようお願いを申し上げます。